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ハイコントラストでコンデンスなモダンローマンディスプレイ。古典的?モダンローマンの Didot を参考に制作したそうで、確かに割とクラシカルな雰囲気を持っている。イマドキの書体としてはめずらしくハデなオルタネートやリガチャーはなく、ごくスタンダードで潔い。ウェイトバリエーションもないが、見出し用の Display とややコントラストを弱めた Text の2種がある。

Category(s)
Design Date
2025
Designer(s)
Paul McNeil / Laurence King Publishing / 2017年
The Visual History of Type

タイトル通り、書体史を図解した大著。1454年のグーテンベルクのバスタルダから2015年発表の Infini まで、それぞれの年代の代表的な書体を見開きにひとつずつ紹介しており、ページ数から計算するとその数300書体以上。それぞれの書体に制作者や制作年などのデータと、簡単な解説文が付いている。A4判変形でズッシリと重く、図版はかなり大きく見応えあり。3年前に紹介した Type:- にも負けない素晴らしい本である。欧文書体ヲタは必携。

Design by Kazuya Iwanaga and Ren Yamakawa / D-BROS / 2017年
2018 D-BROS Typeface Calendar “Avant Garde”

宮田識氏率いるデザイン事務所「DRAFT」のグッズブランド「D-BROS」の2018年カレンダー。いくつか種類があるが、毎年書体をフィーチャーしたものも出しており、来年は Avant Garde を使用している。シンプルでカッコイイカレンダー。こちらはA3ほどのサイズの壁掛けだが、ほかB1ポスターサイズ(本日時点でAmazon在庫切れ)とハガキ大のデスクトップサイズがバリエーションにある。

Tony Seddon / Thames & Hudson / 2015年
Type Team: Perfect Typeface Combinations

149のシチュエーションに合わせた書体の組み合わせを提案した本。例えば「Mid-century Living Room」という項目では MeliorUniversForza という組み合わせを、また時事ネタを持ってくると「May the Face be With You」という項目では AcropolisMuseoAvenir という組み合わせを提案している。よく「同系書体の組み合わせは避けよう」と教科書には載っているが、サンセリフ+サンセリフとか結構あって、著者はさほど気にしてない模様。サブタイトルからなんかちょっと限定的な感じがするが、著者はあくまでも「提案」だとしているので、欧文書体の取り扱いに困っている初心者は取っ掛かりとして、そうじゃない人も参考程度に眺めてみてもいいんじゃなかろうか。新たな発見があるかもしれない。単純に書体見本としてもおもしろい。ちなみに著者のサイトはこちら

ITC Berkeley Old Style

最近購入した A Guy’s Guide to Shoes という靴の本の本文がこの書体で美しかったので紹介する。Goudy らしいちょっと変わったオールドスタイルローマン。元はカリフォルニア大学バークレー校(UCB)のためにデザインされた California Old Style という書体だそうで、それを1983年にリファインしたものらしい。欧米ではこのように大学で書体を制作することがあるようで、最近では Matthew Carter さんがデザインしたイェール大学の Yale がある。Yale は残念ながらイェール大学関係者しか使えないようだが、この Berkeley は一般販売されている。大きく使って品が良く、小さく使って読みやすい。この書体の存在はもちろん知っていたが、こんなにいいものだとは思わなかった。長く残る書体というのはやはりそれなりの良さがあるなぁと思った次第。ちなみにアメリカ最高の巨匠と言われる Goudy が書体制作を始めたのは、40歳を過ぎてからだそうである。人間いくつになってからでも挑戦できるね。

KIMG0081
Category(s)
Design Date
1983
Publisher
ITC
John L. Walters(著), Design Museum(寄稿) / Conran Octopus / 2013年
Fifty Typefaces that Changed the World

2日続けて書籍紹介。『世界を変えた50の書体』というオオゲサなタイトルだが、これはロンドンにあるThe Design Museumが発行しているFiftyなんちゃらシリーズのひとつで、他にもバッグやら椅子やらのものがある。この本は、15世紀のブラックレターから2011年Dalton Maagが発表したフリーフォントのUbuntuまで、主要な50書体を紹介している。おなじみのCaslonやGaramond、Helvetica、Times Romanなどはもちろん含まれており、ひとつの見開きにつき1書体だけ紹介してるので文章も短く、英語が苦手な方(筆者含め)も何とか読めるんじゃないかなという感じ。欧文書体史をざっとさらうには良い本。

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