文字そのものが震えてるハンドライテン。これは映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作『指輪物語』の作者、J.R.R. トールキン John Ronald Reuel Tolkien(1892–1973)が、毎年クリスマスの時期に自身の子供たちに宛てて「サンタのふりをして」書いた手紙の文字からデザインを起こしたものである。文字は老人が震える手で書いたことを想定しており、ガッタガタである(笑)。手紙は長男のジョンが3才だった1920年から、末っ子のプリシラが大きくなるまで20年以上に渡り続いた。内容はホッキョクグマが厄介なことをやらかしたとか、とにかく周辺で起こったドタバタな事件を毎年おもしろおかしく創作しており、それらは Letters from Father Christmas(英国では Father Christmas という呼称が一般的)という書籍にまとめられている。邦訳版もあり、旧版は現物写真がまったく載ってなくてこの筆跡を見ることができなかったが、2006年にそれが掲載された『ファーザー・クリスマス―サンタ・クロースからの手紙』が出版された。いま入手するならこちらがいいだろう。