大変クラシカルなローマンディスプレイ。活版印刷のごく初期の頃のような、クラシカルというより古文書に近いようなスタイルで、画像にはイタリックしかないがアップライトもちゃんとある。アウトラインはちょっと滲んだようなニュアンスがあってややぼったりしており、xハイトも小さくコントラストは弱くセリフは大きい。イタリックはさらに手書き風のニュアンスが強く、とにかく全体的にアンティーク風味の強い書体である。古地図とかに似合うだろう。アップライトにはスモールキャップスもあり。
Category: Display
まだまだ流行りは続く変形系モダンローマンディスプレイ。こちらはあまり派手には変形しておらず、また全体はコンデンスながらヘアライン部がやや太めでセリフもやや厚みがあるため、少し小さめに使ってもヘアラインが吹っ飛ばないと思われる。リガチャーはあるが少なめ。
以前からこのテの書体のカテゴリー名をどうするのか悩んでいたが、最近 Fontspring が「モダンヌーヴォー Modern Nouveau」なる名称で紹介しており、「あっこりゃいいな」と思ったが皆さんはいかがだろうか。アール・ヌーヴォーのように変形しつつも植物的なニュアンスは含まないので、言いえて妙だと思う。ただモダンもヌーヴォーも「新しい」的な意味なので変といえば変なのだけど…
カジュアルガーリーなハンドライテンミクスド。4種の書体の集合体で、どれも筆ペンで手軽に書いたような書体となっている。ラフな Display、コンデンスな Tall、小さく丸っこい Small Sans、筆記体の Script があり、Script 以外は大文字のみで、Display と Tall は2ウェイトある。ほか、簡単なイラストやオーナメントが入った Dings が2種。組み合わせれば可愛らしいロゴがすぐ作れるようになっている。来月はバレンタインもあるし、マッチできるように(ダジャレ)使ってみてはいかが?
アメリカンヴィンテージ風味のディスプレイ。太めのセリフドゴシックがベースで、オルタネートにちょっとしたスワッシュやリガチャーを多数含んでいる。ハーレーなどのバイカーたちが好みそうな植物的なオーナメントも付いており、手軽にヴィンテージロゴを作成できるようになっている。小文字はなく1ウェイトのみ。
とにかく派手派手デコラティブなコンバイン+デュオ。2種のフォントのデュオで、Regular の方は最近よく見るモダンローマンとカッパープレートスクリプトのコンバイン。大文字の方にスクリプト、小文字の方に大文字ローマンのグリフが割り当てられていて、組み合わせて使うようになっている。スクリプト同士、ローマン同士のリガチャーも多数あり。Signature の方はほんのりストロークにコントラストの付いたシグネチャースクリプトで、テイストは筆者が見る限りはあんまり合ってない気がする(笑)。まあがんばって使いこなしてほしい。
奇抜なグリフのセリフドゴシック。以前にも Baroque Grotesk という書体を紹介したが、そのファウンダリーからまた似た書体が出た。バロック調セリフとモダングロテスクのブレンドとあるが、このヒトにはバロック書体がどのように見えてるのだろうか(笑)。何が勝者(winner)なのかもよく解らないが、ともあれ面白い書体である。変わりダネグリフは大体オルタネートだが、S はデフォルトでカーブが4回というヘビがにょろついたようなのが採用されている(なぜだ)。大文字にはリガチャーが多数。9ウェイトあるところも珍しい。
カッパープレート風味の高級感のあるサンセリフディスプレイ。Sackers Gothic に似た感じのサンセリフで、やや幅広で字間広めのスモールキャップス。というワケなのでソレを持っていれば特に必要ないが(笑)、こちらの方がリーズナブルなので入手はしやすい。高級感を演出するためのフォントを安価で入手せねばならないデザイナーの悲哀を感じるのは筆者だけであろうか…。1ウェイトのみ。
新年明けましておめでとうございます。という訳で「明るい日の出」の名を持つ書体を紹介。変わったオルタネートを持つモダンローマンディスプレイ。よくあるエレガントなヤツかと思いきや、グリフは結構ボテッとして野暮ったくエレガントさに欠ける(笑)。一部の字には画像の B のように変わったオルタネートがあり、リガチャーも少々ある。という感じでこのテとしてはごく普通かなという感じ。本年もよろしくお願いします。1ウェイトのみ。
Kickstarter でバックした William Addison Dwiggins の本が届いたのでこちら。アール・デコスタイルのジオメトリックなディスプレイ。かなり図形寄りな書体で字形を犠牲にしているが(笑)、まあそのテイストを楽しむべきだろう。元は同氏が装丁した本の表紙にあった文字をフォント化したもので、そこには当然アルファベット26文字しかなかったが、役物類を同じスタイルでデザインしたそうな。ちょっと使い所が不明だが、それは諸氏に任せる。1ウェイト。
クリスマスツリーのボール型オーナメントに文字が入ったディスプレイ。ツリーによくぶら下がっているボールオーナメントに、手書きのレタリングによるサンセリフが一文字ずつ入ったディスプレイで、字のストロークにはモールのような装飾、ボールにはスターが散りばめられており、() や / などにはイラストアイコンが割り当てられている。無印と II があるが、II はちょっとだけ手を入れてリファインしたもので、デザインに大きな違いはない。どっちかを統一して使おう。そういえばこのボールには何の由来があるのかとふと思って調べてみたが、どうもはっきりしない。アダムとイヴのリンゴを表してるとかいう説もあったが多分こじつけで、どうやらホントにただの飾りっぽい(笑)。メリークリスマス。