コリっとしてスッキリした読みやすいサンセリフ。クセのないモダンでクリーンな書体で、モノラインのコリっとした感じがセロリのよう。大変可読性がよく、字幅にノーマルなものとやや細い Condensed の2種類があり、後者はサイン用途に使えると思う。大きな特徴として字種の豊富さがあり、ラテン文字(アルファベット)はもちろんのこと、ギリシャ文字やキリル文字、グルジア(ジョージア)文字やアルメニア文字、果てはヘブライ文字やアラビア文字までサポートしていて、グリフ数は2800を超える。近頃は分断を煽る不遜な輩がびこっているが、かのウクライナからこのように多くを包み込むような書体が出ていることは大いに意味があるだろう。みんな、選挙行こうな。
カジュアルでガーリーなシグネチャースクリプト。モノラインストロークでゆるゆるなグリフの書体で、大文字と小文字のサイズ比が大きくダイナミック。小文字の可読性は良好そうに見えて、n, m, u, v, w の区別がやや付きにくいが、まあスペルでなんとなく見当がついて読めると思う。残念なことにオルタネートがまったくなく、リガチャーもちょっとだけ。インドネシアとかあの辺の人が作る書体に多いが、hh や jj、rr といったどこで使うか分からないリガチャーがあったりする(向こうでは使う?)。1ウェイトのみ。
古い見本帳を入手したので、それに掲載されていた書体を紹介。レトロエレガントなタイプスクリプト。20世紀初頭のドイツのタイプデザイナー Lucian Bernhard の作で、当時よくあった活字と手書きのスクリプトの中間のようなスタイルで、これを筆者は勝手に「タイプスクリプト」と呼ぶことにしている。全体的にカッパープレート風味で、文字にリレーションはないが、大文字は特にカリグラフィックで美しい。作例がなかったので、画像は見本帳をスキャンしたもの。とてもエレガント。Bernhard の書体はいくつものファウンダリーからデジタル化されているが、この書体はこの Elsner+Flake 版しかない。2ウェイト。
非常にコンデンスなモダンローマンディスプレイ。19世紀末期頃に広告などでよく見られた(らしい)スタイルのハイコントラストでコンデンスな書体で、ゴージャス感もありつつどこかちょっと野暮ったい感じが英国(Inglesi)ぽい。派手なオルタネートなどはないが、大きく使えば結構目を引くのではと思う。普通に使えばレトロ感が、アケて組めば若干今っぽくはなるだろう。小文字はなく大文字のみで1ウェイト。
本日はフランス建国記念日だそうなのでこちら。正統派のクラシカルなフレンチオールドスタイル。18世紀に出版された Le chemin Royal de la Croix という本の書体を参考に制作されたものらしい。大変優雅で美しい繊細なローマンに仕上がっており、字種も本文用として十分に揃ってる他、画像のようなオーナメント類も少しある。オプティカルになっており、レギュラーの他、コントラストが強くセリフが細くなった High、逆にコントラスト弱めでセリフも太い Low がある。スクリーンでの使用を想定しているらしい。それぞれイタリックもあって6ウェイトずつで計36種。
大変ユニークなグリフを持つサンセリフディスプレイ。見ての通り通常とは異なるグリフのサンセリフだが、最近流行りの変形系ほどがっつり変わってる訳ではなく、ちょっとポップかなという感じの変形具合。リガチャーやオルタネートもそれなりにあるが、オルタネートの方にノーマルなグリフがあったりするのはやはり変わってる証拠だろう。イタリックもあって7ウェイトもあるという本文用書体のようなファミリー展開だが、やはり長文には向かない(笑)。
クラシカルでフェミニンなカリグラフィーイタリック。通常のスクリプトかと思いきやコネクションが取れておらず、活字のイタリックをカリグラフィックにしたような、双方をコンバインしたテイストの書体である。オルタネートはそれなりにある模様。変わってるのがファミリー展開で、ほんの少しだけウェイトや傾き具合を変えたバリエーションがあり、それぞれ3種ずつの組み合わせで全部で9種類となっている。名前は「私をトスカーナへ連れてって」という意味。
手書きの跡が強く残っている柔らかなサンセリフ。と言っていいのかよく分からないが、Palatino Sans のように手書きのニュアンスが強い書体で、作者たちはカリグラフィーを学んだ後、Robert Slimbach の Cronos を大いに参考にして制作したそうだ。ストロークは中央が細く端が丸く膨らんでおりながら筆をスッと抜いたような感じもあって手書き風味があるが、骨格そのものは活字っぽい。ハイブリッドされた書体である。イタリックもあって7ウェイトある他、バリアブルタイプもあり。
モダンでややヒューマニスト寄りなジオメトリックサンセリフ。クリーンでスッキリした可読性の良いサンセリフで、g や y のディセンダーが右から左にくっとカーブしているのが特徴。基本的にはジオメトリックをベースにヒューマニストのテイストを加味しており、より読みやすくなっている。スタンダードなグリフ以外にオルタネートに変わったものもあり、また個性的なリガチャーもいくつかあるので、ロゴデザインなどにも力を発揮すると思う。名前はトキソウというランの一種のことらしい。9ウェイト。ただいま30%オフセール中。
本日は七夕という事でこちら。織姫ことベガ(こと座一等星)の名を持つモダンカリグラフィースクリプト。よくあるスタイルの書体だが、他に比べてややコントラストが強くグリフもかっちり目だろうか。大文字にはオルタネートがないが小文字には大量にあり、中には画像のようにスワッシュの先にハートのような飾りが付いたものがある。リガチャーも20種ほど。1ウェイトのみ。