本日は『円周率の日』ということでこちら。ドイツ語で「円」を意味する名を持つディスプレイ。直線と 1/4 円弧を用いてデザインされた書体で、プロポーションは正方形を用い、カウンターを工夫することで文字として成立させている。先日の Cubo と同じく、駆け出しデザイナーが作りそうな書体だが(笑)、こちらもちゃんとフォントとして仕上げている所が素晴らしい。ウクライナ産で、キリル文字もサポート。ちなみに円周率はドイツ語では kreiszahl というそうだが、その他のヨーロッパ諸語には「円周率」にあたる単語はないらしい。「アルキメデス数」「ルドルフ数」などというそうだ。意外だった。
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とにかく四角いディスプレイ。正方形に収まるよう水平線と垂直線のみでデザインされた書体で、シロウトがテキトーに作ったように見えるが(笑)、やってみれば判るがウェイトコントロールは意外とめんどくさい。ペンツールでグリッドに沿わせるだけではなかなかうまくはいかないのは、デザイナーなら一度はやってみたことがあるので判るだろう。とは言え、ちゃんとフォントにまで仕上げた勇気は買う。通常のタイプと、カウンターに同じ太さのストロークが入った Fill というタイプがある。一番太い Bold Fill などは、日本の法被に入る角字みたいになっている。各8ウェイトずつ。
レトロエレガントなイタリックディスプレイ。ストロークはペンのようなコントラストが付いており、かなり手書きのカリグラフィー的なニュアンスが付いていてとてもエレガントだが、大変ゆったりした大きなカウンターがコロッとしたシルエットになっていてチャーミング。大文字にはちょっとしたスワッシュが付いている。一部の小文字にはターミナルスワッシュの付いたオルタネートがあるが、基本的にはオルタネートはなし。まあでもこの書体はあまり遊ばない方がいいかもしんない。1ウェイト。
グリフが簡略化されたおもしろシンプルなジオメトリックサンセリフ。見ての通り字形(グリフ)が簡略化されており、r などは単体で出されたらとても読めそうもない(笑)。ただこういうのは数文字並べればなんとなくルールが分かって読めるようになるのは不思議である。文を組むのはまったく向いてなく、代わりにロゴなどにはそのまま使えると思う。モダンなようでどことなくレトロな雰囲気を持っていて親しみやすい書体。5ウェイトある他、バリアブルタイプもあり。
本日『サボテンの日』だそうなのでこちら。カジュアルなフリーハンドのレタリングによるディスプレイ。コンデンスなスラブセリフ?をラフにレタリングしたような書体で、一部スワッシュのような曲線がストロークに入っている。なんとなく欧米の絵本などに使われてそうなカジュアルで読みやすい優しい書体である。1ウェイト。
本日はアメリカで National Strawberry Day だそうなのでこちら。なんとハングル文字風のラテン文字ディスプレイ。日本のカタカナを模したものはよく見るが、これは筆者は初めて見た。太めのサンセリフスタイルで、見ての通りハングル文字をベースにギリギリラテン文字(アルファベット)に見えるよう調整されている。カタカナのヤツが日本人にはかなり読みづらいように、これも韓国人などハングル文字を判読できる人には多分読みづらいんじゃなかろうか(笑)。まあでも日本人なら大丈夫かな。韓国系スイーツショップなどに使えるかも。1ウェイト。
超絶ウルトラファットフェイス。矩形の一部を欠く、もしくはちょっと線を入れる程度でデザインされた文字で、見ての通りかなり個性的。可読性はギリ保たれてるという感じだが、ちゃんと読めるように調整されてるのがエラいなと思う(そりゃそうだ)。大文字のみだが、大文字と小文字のグリフにより字幅が違うようで、それを組み合わせればぴったり長方形に収まるように組めるようだ。1ウェイトのみ。
レトロポップなサンセリフディスプレイ。図太いコロっとしたジオメトリックサンセリフで、ちょっと変わったグリフがかわいらしく、テイストはどことなくレトロ。a には1階建てと2階建てがあるが、オルタネートはそれぐらい。ロゴやポスターによくマッチするだろう。お菓子のパッケージなどにも。1ウェイトのみ。
2月4日というファウンダリーの書体を紹介。テクノポップなディスプレイサンセリフ。’80年代ぐらいに見られたテクノやビデオゲームなどを思わせるレトロなサンセリフで、大文字はそうでもないが、小文字は丸みが強く可愛らしい。頭でっかちな g が特徴的。a には1階建てと2階建てがあり、他にもいくつかの字はオルタネートがある。ウクライナ産で、キリル文字もサポート。5ウェイト。さっき気付いたがこの日付は作者の誕生日だそうな。最近は新作がないようだが、無事であることを祈る。
Kickstarter でバックした William Addison Dwiggins の本が届いたのでこちら。アール・デコスタイルのジオメトリックなディスプレイ。かなり図形寄りな書体で字形を犠牲にしているが(笑)、まあそのテイストを楽しむべきだろう。元は同氏が装丁した本の表紙にあった文字をフォント化したもので、そこには当然アルファベット26文字しかなかったが、役物類を同じスタイルでデザインしたそうな。ちょっと使い所が不明だが、それは諸氏に任せる。1ウェイト。