ユニークなスワッシュやリガチャーがおもしろいモノラインサンセリフディスプレイ。陸上トラック型の楕円をベースにデザインされたサンセリフで、見ての通りそれはそれはハデなスワッシュオルタネートやリガチャーを多数備えたホリデーシーズンにふさわしい可愛らしい書体である。ストロークの端が裁ち落とされた Regular と丸くなった Rounded の2種があり、それぞれにアウトラインのみのバージョンがあって計4種。これでクリスマスを彩ってみてほしい。ていうかもうクリスマスか…コワ。
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長方形グリッドををベースにしたディスプレイサンセリフ。見ての通り長方形のグリッドに沿って構成されたグリフで統一されているが、角やストロークの端が丸くなってグリッドの硬さを和らげており、お陰でポップな印象になっている。ポッキーの日にふさわしいコリッとした書体。3ウェイト。
レトロなジオメトリックサンセリフディスプレイ。字によって幅にかなり差がある書体で、ただ組むだけでリズムに変化が出ておもしろい。ストロークが繋がるところにインク溜まりのような R が付いていて、それが柔らかさとレトロ感を醸し出している。ユニケース(大小文字のサイズが同じ)と書いてあるが、どうも大文字グリフしか見当たらないのでそこは無視するとして(笑)、キリル文字がサポートされている。1ウェイトのみ。
本日は緊急速報メールが来たと思うが『世界津波の日』だそうである。嘉永7年(1854)のこの日に安政南海地震が発生し、四国や紀伊半島を津波が襲ったそうな。2011年に日本で東日本大震災をうけて制定され(当初 3.11 だったが生々しすぎて却下)、2015年に国連でもそのまま採用されたらしい。
というワケでこちら。レトロゲームで使われてそうなスラブセリフディスプレイ。プロポーションが矩形いっぱいに収まるようになっており、昔のゲームで見たような書体そのままである。こうなっていたのにはプログラムで扱いやすいという事情があったにせよ、その制限がこういうスタイルを生み出すに至ったのはおもしろい。当時はドットデータだったがこのフォントはベクターデータなので、イタリックやボールドもある。字幅の広い Expanded もあり。作者はオランダ人だが、フォント名からして日本のゲームからヒントを得たのだろうと思われる。
ジオメトリックサンセリフをベースにしたデコラティブなディスプレイ。基本はシンプルなジオメトリックサンセリフだが、それに変わったグリフやスワッシュをもったオルタネートやリガチャーを追加したおもしろい書体。通常この手はフェミニンで繊細なモダンローマンがベースになっているが、サンセリフベースは思ったより少ないので個性が出せると思う。使いようによっては気取りすぎずエレガントな雰囲気を演出できるだろう。ファミリー展開しているところも珍しい。イタリックもあって8ウェイト。
本日は物質量を表す『モルの日 Mole Day』だそうで。モルといえばアボガドロ数(6.02 × 10²³)、ということでアボカドの名を持つ書体を紹介(なんのこっちゃ)。あんまり調整されてない素朴なジオメトリックサンセリフ。通常は a や d のステムとボウルが繋がるところは細くしたり、一見単純に見えるジオメトリックでもそういう調整はするものだが、見ての通りほとんどそれが行われていない。でもそれがなんか可愛らしい雰囲気を醸し出していて、上手にやるだけが書体デザインではないなと思う。Futura に飽きた人に。3ウェイト。
個性的なリガチャーが楽しいジオメトリックサンセリフディスプレイ。基本はトラック型の長楕円がベースになったジオメトリックサンセリフだが、ファミリーに “Branding” というタイプがあり、これが面白いリガチャーを多数そろえていて、名前の通りブランディングなどで力を発揮しそうな書体となっている。基本ファミリーとはちょっとテイストが違うので注意が必要。基本の Regular はイタリックもあって9ウェイト、Branding は1ウェイトのみ。できれば Branding にもウェイトバリエーションが欲しかったが、多分あちこちぶつかってリガチャーが作りにくかったのだと思う。残念。
フレンチアール・デコ風味のレトロなディスプレイ。この手は古いスタイルなので多くの種類があるが、現代にわざわざ新しくデザインされているだけあって、モダンでスッキリして質の良い感じに仕上がっている。めずらしいのは、ロシア産だけあってキリル文字が入っているところ。ほんの少しだがリガチャーがあって、アクセントが付けられるようになっている。小文字はなくスモールキャップス。5ウェイト+バリアブル。
本日『宇宙の日』らしいのでこちら。星雲(nebula)の名を持つ SF チックなディスプレイ。よくあるジオメトリックな変形サンセリフだが、この辺は2000年以前の SF 映画のロゴに多用されたため、どうしてもレトロな雰囲気が出てしまうのに対し、こちらは結構モダンである。下手に横長にせず、A のアレンジが変わってるのがアクセントになっていると思う。ゲームとかには使えるかなという感じ。1ウェイトのみ。
繊細なスクリプトローマンのコンバインとサンセリフのデュオ。ローマンの方はライトウェイトでコンデンスタイプ。腰が高く優雅である。小文字がなくスモールキャップスだが、オルタネート(多分)にカッパープレートスクリプトの大文字が入っていて、アクセントとして使えるようになっている。大文字には個性的なリガチャーが大量に入っており、かなりバリエーション豊か。これとは別に細めのジオメトリックサンセリフもファミリーに入っていて、こちらは小文字もあってリガチャーも多少ある。うまく使うにはコツがいるだろうが、非常に美しい書体。