カリグラフィーテイストを持ったユニークなサンセリフディスプレイ。ストロークの中央部が絞れており、若干フレアセリフ気味になった手書きの跡が残るサンセリフで、見ての通りリガチャーが非常に豊富な文字組みが楽しくなってしまう書体である。元は作者が務めていたデザイン事務所の上司だった John Miles という人のレタリングから起こしたものだそうで、彼の死を悼んで制作した模様。名前のブラックヒースとはロンドン南東部の地名で、ここにそのデザイン事務所があったそうな。これは筆者は多分買うのでは…(笑)。大文字のみで小文字はスモールキャップス。1ウェイトのみ。
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とにかくストロークがカクカクしている変わったオールドスタイルローマン。どうもカリグラフィーで使用する幅広のブロードニブを用いてデザインしたそうで、書体のロタンダ Rotunda やバスタルダ Bastarda を参考にしたとあるが、どの辺がそうなのかよく分からん(笑)。とにかくカーブのアウトラインが唐突にカクっと折れていてユニークだが、骨格は割とスタンダードなので、小さく使うと普通のオールドスタイルに見えたりもする。オプティカルになっており、本文用の Text と見出し用の Display があって、それぞれにイタリックもあって8ウェイト。なので長文も想定されて設計されている。グリフも豊富でギリシャ文字やキリル文字もサポート。
手書き感がありながらモダンなテイストもあるおもしろいサンセリフ。ヒューマニストとネオグロテスクのハイブリッドのようなサンセリフで、かつ柔らかいカーブを持ったスワッシュがオルタネートにあったり、特にイタリックにはストロークが切れていたりして手書きのニュアンスが強く出ている変わった書体である。ただクセが強いかというとそんな事はなく、割とスッキリしていて可読性がよく長文にも十分耐えうる。名前のククルカンとはマヤ文明の最高神のこと。9ウェイトある他バリアブルタイプもあり。
ほぼ同じ骨格で様々なスタイルを持ったディスプレイ。画像はよくある繊細なモダンローマンディスプレイだが、実はこれ1種ではなく、図太いサンセリフとこのモダンローマンの間に7種、計9種のスタイルをグラデーションで持っている。画像のスタイルの Serif を始めとし、順に Soft Serif, Semi Serif, Hybrid, Modulated Sans, Humanist Sans, Neo Grotesque, Geometric Sans, Sans Serif となる。途中にヒューマニストやジオメトリックの名が見えるが、それぞれの名にふさわしい骨格に若干変化している。これをひとつにまとめたバリアブルタイプもあり。大文字のみ。
クリーンでカジュアルなヒューマニストサンセリフ。手書きのニュアンスが多分に含まれ、柔らかい印象がありながら野暮ったくはなく、大変すっきりしていて読みやすい書体。イタリックはオブリークとの中間的なスタイルだが、こちらはより手書き風味がある。英国風味を意識しており、カジュアルでありながらも小さめのxハイトがエレガントさを醸し出している。「シルクのブラウスにサンダル、バミューダパンツにネクタイを着こなせる」ようにデザインしたとのこと。おっしゃれ~(笑)。名前は英国コーンウォールにあるビーチの事だそう。8ウェイト。
なんか不意にこの書体を見かけたので紹介。ラフなカリグラフィーヒューマニスト。15世紀頃に現れたヒューマニスト体を元にデザインされた書体で、往時のものよりはかなり細めのウェイトで、グリフも結構ラフでカジュアルになっている。エッジもガタガタでラフな紙に書いたような雰囲気があり、「パピルス」の名にふさわしい。ちなみにこの書体は以前は Mac に標準搭載され、またかなり多用されたために「もういいよクソダセェ」と欧米のデザイナーからは Comic Sans と同じぐらい嫌われていた(笑)。とはいえ、映画「アバター」のタイトルロゴの元になっていたり、徐々に復権の兆しはあるかと思う。筆者は結構好きな書体。1ウェイト。
手書きの跡が強く残っている柔らかなサンセリフ。と言っていいのかよく分からないが、Palatino Sans のように手書きのニュアンスが強い書体で、作者たちはカリグラフィーを学んだ後、Robert Slimbach の Cronos を大いに参考にして制作したそうだ。ストロークは中央が細く端が丸く膨らんでおりながら筆をスッと抜いたような感じもあって手書き風味があるが、骨格そのものは活字っぽい。ハイブリッドされた書体である。イタリックもあって7ウェイトある他、バリアブルタイプもあり。
モダンでややヒューマニスト寄りなジオメトリックサンセリフ。クリーンでスッキリした可読性の良いサンセリフで、g や y のディセンダーが右から左にくっとカーブしているのが特徴。基本的にはジオメトリックをベースにヒューマニストのテイストを加味しており、より読みやすくなっている。スタンダードなグリフ以外にオルタネートに変わったものもあり、また個性的なリガチャーもいくつかあるので、ロゴデザインなどにも力を発揮すると思う。名前はトキソウというランの一種のことらしい。9ウェイト。ただいま30%オフセール中。
スッキリとしたクリーンなジオメトリックサンセリフ。ジオメトリックではあるがヒューマニストの風味も多分に加味されており、大変モダンかつクリーンでしかも読みやすい。これからのスタンダードになり得ると思わせてくれる(言い過ぎ?)非常に質の良い書体である。たいへん偉そうな言い方にはなるが、一見日本人が作ったとはとても思えないほどネイティブなニュアンスを持っており、ラテン文字を母語(母字?)としない人間がここまで来るには相当な努力があったのではと思う。素晴らしい書体が誕生した。イタリックもあって8ウェイト。
カジュアルかつニュートラルでクセのないすっきりとしたヒューマニストサンセリフ。ややポップというかフレンドリーというか、そういう雰囲気のカジュアルなサンセリフで、可読性も大変良く日常使いには適したサンセリフ。a と g には1階建てと2階建てがあり、数字にはオールドスタイルもあり。ウェイトが太くなってもきちんと可読性は保たれており、なかなか優秀な書体である。イタリックがないのが残念だろうか。日用品のパッケージなどに。10ウェイト。













