特に何の日でもないのでめずらしく古い書体を紹介。20世紀初期にアメリカで広く用いられたトランジショナルローマン。元は Century という雑誌のためにデザインされたもので、その後コントラストを弱めて読みやすくした Old Style、狭かった字幅を広めた Expanded、子供向けに字形を分かりやすくした Schoolbook などなどのファミリーが制作されている。Century は明朝体との相性が良かったため、日本語版の Windows にアップライトのレギュラーウェイトのみ搭載されており、最新版はどうか知らないが、以前は Microsoft Word のデフォルトフォントはMS明朝+Century であった。話題の『大人の科学マガジン 小さな活版印刷機』でも採用されている。ちなみにこの書体、一昔前に「これで英文の履歴書を書くとそれだけで落とされる」とかいう話が出回ったことがある。Windows にはイタリックや Bold がなく、Word でそれらの指定をすると機械的に変形されてしまって見苦しいからそんな話になったのだと思うが、それだけで落とす会社はまずないと思うので信じないように(笑)。そもそも履歴書って Regular だけでよくない?