ややコンデンスでクラシカルなトランジショナル?ローマンディスプレイ。古いアメリカ映画とかで使われてそうな書体で、テイストはとてもレトロというかクラシック。作例のように詰めて組むとレトロ感はさらに増すだろう。ハデなオルタネートなどはないが、sp や st、ct にクラシカルなクァイントリガチャーがある。イタリックがあって2ウェイト。本日ケネディ大統領暗殺に関する文書が公開されるということで、ケネディのミドルネーム「フィッツジェラルド」の名を持つ書体を紹介してみた。2日続けて似たような書体になってしまった…。
Tag: #transitional
セリフが非常に鋭いトランジショナルローマン。見出し用のノーマル(無印)と本文用の Text と分かれており、ノーマルの方はコントラストがかなり強めでセリフも非常に鋭く刺さりそうだが、Text の方はコントラストが弱めでセリフもややぼったりしている。一見モダンローマンだが、アクシスがやや斜めなのでトランジショナル、なのだろう(作者がそう言っている)。キリル文字もサポート。イタリックがないのがなぜなのかは分からないが、ウェイトはそれぞれ7つずつ。
古くて有名だけどあんま使われてない(笑)定番書体。フランス生まれのトランジショナルローマンで、18世紀の版画家シャルル=ニコラ・コシャン Charles Nicolas Cochin の彫った文字を参考に1912年に制作された。最初は Nicolas Cochin という別の書体を作ったが、原典に寄せすぎたためかちょっとクセがあって使いづらかったようで、もうちょっと普通に調整したものが本作である。Nicolas Cochin に比べてxハイトが大きく、大文字と小文字のウェイトも揃っていて読みやすいだろうか。B の中央のバーがにゅよっとカーブしているのが特徴的。デジタル化にあたっては Matthew Carter 氏が関わった模様。2ウェイト。ちなみに LTC 版の Nicola Cochin は Adobe Fonts にて配信されている。
触れれば切れそうなほどシャープなトランジショナルローマン。一見モダンローマンだが、作者がトランジショナルと言ってるのでトランジショナルローマンである。コントラストが強くセリフもかなり鋭く尖っており、見てるだけで目から血が出そうである。ややコントラストを抑えた Text、さらにコントラストを強めてほぼステンシルに見える Xtra というバージョンがある。それぞれにイタリックもあって6ウェイトずつで計36種とビッグファミリー。ただいま60%オフセール中。
やや刺々しい印象の端正な名作ローマン。16世紀フランスのパンチカッター、ロベール・グランジョン Robert Granjon の書体を元にしたトランジショナルローマンで、やや強めのコントラストと鋭いセリフが特徴的で、特にイタリックはシャープな印象が強い。なので、ツルツルなものよりは風合いのある紙に印刷した方がいいのかなという印象がある。長文も組めなくはないが、端物の方が似合うだろう。本日はガリレオ・ガリレイの誕生日らしいので、名前が似てるこちらを紹介してみた(笑)。4ウェイト。
トランジショナルローマンの代表格。18世紀英国のタイプデザイナー、ジョン・バスカーヴィル John Baskerville (1706-1775) の書体を元に制作された。オールドスタイルとモダンの中間の過渡的な(transitional)スタイルのローマンで、オールドスタイルに比べてコントラストが強く、セリフは細くてブラケットが小さい。生まれた英国ではあまりウケが良くなく、アメリカで好まれたようである。この Baskerville も多数のファウンダリーが制作しており、かなりのバリエーションがあるが、この ITC のものが比較的スタンダードらしい。4ウェイト。Adobe Fonts では URW と ParaType の Baskerville が利用可能。ちなみによく「トランジショナル」を「トラディショナル traditional(伝統的な)」と間違える人がいるので注意。
繊細で品の良いクラシカルなローマン。トランジショナルに分類できるかと思うが、18世紀頃の雰囲気をよく持っていると思う。正統派の本文用だが、オルタネートにセリフが小さなティアドロップになったタイプがあり、K や R のレッグがぐいっと伸びたものもあって、ディスプレイ用途としても華やかな雰囲気を演出できるだろう。7ウェイトある他にバリアブルタイプもあり。名前はジョジョファンにはお馴染み「教皇」の意。画像がグリーンなのは偶然か? ただいま60%オフセール中。
クラシカルな本文用トランジショナルローマン。「バロックダッチ+北欧スタイル」と説明にはあり、やや幅が狭く字幅が揃い気味な大文字とギリっとしたセリフがなんとなくオランダ風味かなという感じがする。字種が1000以上あり、スモールキャップスやオールドスタイル数字はもちろんのこと、ちょっとしたスワッシュやクラシカルなリガチャーも多く、何より通貨記号の種類がすごい。丸数字もあって、イタリックのものはちゃんと楕円で傾いてる(笑)。10ウェイトあるほか、バリアブルタイプもあり。名前は北欧神話の愛と豊穣の女神のことだそう。
エレガントながら男性的なトランジショナルローマン。コントラストが強くモダンローマン風味があり、xハイトが小さく、そのためクラシカルな雰囲気がある。本文用とキャプション用があるという変わったオプティカル構成になっており、Caption の方はイタリックしかないが、本文用のイタリックよりちょっとだけ傾きが弱く、また字幅が広めになっている。1992年制作と古い書体のため字種は少なめだが、スモールキャップスとオールドスタイル数字はサポートしている。それぞれ4ウェイトずつ。
コンテンポラリーなセリフ書体。モダンとの違いはなんだかよく分からないが(笑)、取り敢えずそのように説明されている。確かに Bodoni などよりはオールドスタイルのようで、Century が現代的になったと言った方がいいだろうか。見ての通り、イタリックの f のディセンダーが真っ直ぐなのが特徴的(普通は左にカーブする)。オプティカルになっており、コントラストが強く見出し向きの Display と本文用の Text がある。Display は5ウェイト、Text は3ウェイト。バリアブルタイプも別売であるので、Adobe な人はファミリーで買う場合はそっちがいいだろう。