Duc de Berry などをデザインした、ドイツのタイプデザイナーでありカリグラファーでもある Gottfried Pott 氏の最新作品集。タイポグラフィの本ではないが、買って嬉しいので紹介させてくれ(笑)。躍動感のあるダイナミックな作風で、モノトーンに近い色使いでどこか東洋的な雰囲気を持っているのが特徴。その魅力ある作品が70点ほど掲載されている。本文がドイツ語なので残念ながら詳細はよく判んないが、カリグラフィに興味あるならば買っておいて絶対損はない。表紙の手書き部分はエンボス加工されていて手触りよし(笑)。
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以前も紹介した Yearbook of Type の第2段。「出るかどうかは不明」だったのだが無事出版されてよかった。やはり同じくドイツのタイポグラフィ雑誌 Slanted による、主に2013~2015年に発表された書体からピックアップされたコレクションである。Amazon のレビューには「ネットで見られるからいらんわ」的な辛口批評もあるが、筆者は古いタイプだからだろうか、やはり紙に印刷された文字が好きである。どのファウンダリーもいまや紙の見本帳を発行しなくなり、こういう本は貴重になってしまったので買うよねやっぱりね。
149のシチュエーションに合わせた書体の組み合わせを提案した本。例えば「Mid-century Living Room」という項目では Melior、Univers、Forza という組み合わせを、また時事ネタを持ってくると「May the Face be With You」という項目では Acropolis、Museo、Avenir という組み合わせを提案している。よく「同系書体の組み合わせは避けよう」と教科書には載っているが、サンセリフ+サンセリフとか結構あって、著者はさほど気にしてない模様。サブタイトルからなんかちょっと限定的な感じがするが、著者はあくまでも「提案」だとしているので、欧文書体の取り扱いに困っている初心者は取っ掛かりとして、そうじゃない人も参考程度に眺めてみてもいいんじゃなかろうか。新たな発見があるかもしれない。単純に書体見本としてもおもしろい。ちなみに著者のサイトはこちら。
雑誌『デザインのひきだし』に連載されていたタイポグラフィに関連する記事の単行本化。毎回タイポグラフィやタイプデザイナーの専門家の講師を呼び、デザイナー4、5人に講義をするという内容。欧文の専門家からは小林章さん、マシュー・カーターさん、大曲都市さんらが登壇。他にも各フォントメーカーから名だたるデザイナーの皆さんが登場。大変面白いので文字好きはぜひ。
年2回発行されているタイポグラフィ専門誌の第8号。特集は「書体の選び方・組み方・見せ方」。巻頭インタビューは祖父江慎さんと寄藤文平さん。御二方とも装丁の分野で名を馳せる方々だ。書体選びは欧文は小林章さん、和文は竹下直幸さん。組み方は写植を長くやってきた方と、この雑誌そのものの組版担当のコン・トヨコさん(お元気ですか~)。オマケにタイプバンクとモリサワの書体見本と、Monotype の書体を使ったカレンダー・ポスター。これだけ付いてお値段据え置き!
毎年恒例、フォント日めくりカレンダーが今年も(来年も?)発行された。まだ開けてないので本年度版の話になるが、やっぱり入手先不明なものが結構あった。なんか残念。作者にとってもよくない事ではないだろうか(まぁ作者本人のやる気にかかってるんだけど)。来年度版は、皆様が気に入ったものが簡単に入手できるようになっていることを祈る。
タイトル通り、街や生活雑貨などで見かける欧文書体をその実例とともに解説した本。書体の解説は1つの見開きに1つで、短くて読みやすい。紹介している書体の数は約120。ディスプレイ書体にはあまり見慣れないものも多いが、概ねスタンダードな書体がチョイスされている。実例の写真も美しく、本そのもののデザインもすばらしい。判型はA5版ヨコとコンパクト。欧文書体好きには超オススメの書。
もう何というか、大著としか言い様がない大著(笑)。ラテン・アルファベットの成り立ちから始まり、手書きから活版、写植、デジタルへの変遷と、一字一字の解説から代表的な書体の解説やら、Appendix には書体やデザイナー、ファウンダリーのインデックス、用語集やら何やらもうよくこれ一人で書いたなというような本。多分これ1冊読むので3年は暇つぶしになる(言い過ぎ)。詳しく読んでない(読めない?)のでまだ内容的に「素晴らしい」と絶賛はできないが、多分いい本なんじゃないかな(いい加減)。ちなみに布装で持っていて嬉しい(笑)。
年2回発行されているタイポグラフィ専門誌の第7号。今号は活版印刷祭り。今では大変少なくなった、国内外の活版印刷所を紹介している。各所所蔵の書体の見本などなど。Q&A も充実していて、特に「なんで圧をかけて凹ませてと頼むと嫌がられるのか」とかは読んだ方がいいだろう。エンボス加工に憧れるのはすごくよく解るけどもね…。