著者自身のフォントレーベル HvD Fonts の書体見本帳。著者の Hannes von Doehren はこのブログでも紹介している Brandon Grotesque や Livory などの書体の作者である。冒頭に作者へのインタビューがちょっとある他は、ホントに全部書体見本。基本的には同じフォーマットで紹介しているが、書体ごとの特徴を示すページもあり、色々趣向を凝らしてて眺めているだけで楽しめる。表紙の素材はコレなんだろう…なんだかゴムっぽい肌触りで、文字部分はエンボス加工で浮き上がっており、触覚的にも楽しくていつまでも撫でてられる(笑)。著者はグラフィックデザイナーとしてもかなりの腕。すごいなぁ。タイトルは直訳すると「私は毎日少なくとも1文字描いている」。著者制作の5書体パックの「スターターキット」と呼ばれるパックがあるが、それが無料になるオトクなクーポンコード付き。
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ローマンキャピタルについて書かれた本。20人を超える方々からの寄稿を集めたもので、例のトラヤヌスの碑文の解説は元より、そこから派生して Eric Gill や Hermann Zapf らのこれに近い書体を紹介・解説している他、John Stevens を始めとするローマンキャピタルを得意とするカリグラファーらの作品の紹介などなど。立野竜一さんとの共作、Stevens Titling も紹介されている。図版がかなり多くデザインも美しく盛りだくさんの内容で、かなりおススメの本である。そんなに厚い本ではないが、全部アート紙でずっしりと重い。これが2000年の重みか、なんてな事を思う。なぜかマサチューセッツ工科大出版局から出版されている。
本日MyFontsが何やらトラブルなようでまともに使えないので書籍を紹介。東京は新宿の片隅で、今も活版印刷の文化を守り続けている小さな印刷所・嘉瑞工房所蔵の欧文見本帳を紹介した本。今では入手困難な貴重なコレクションの数々が楽しめる。毎日なんとはなしにパラパラめくることを習慣づけると、多分欧文組版に対する目が養われると思う(ヘンな欧文組版をしてしまう最大の原因は「見慣れてない」事にある)。後半で紹介されてる冊子は今でも海外の古書店で出回っていたりするが、だいたい$1,000超えである。これだけでもそのレア度が判るであろう。日本で欧文タイポグラフィの勉強をしていると必ず名前の上がるこの印刷所は、えー…すみません詳しくは嘉瑞工房のサイトか『ローマ字印刷研究』をご覧下さい(笑)。
年2回発行されているタイポグラフィ専門誌の第6号。今回はTypecacheによる最近の欧文書体カタログ的な特集。紹介されてる書体はこのブログとはほとんどカブってない(笑)ので買って損はなし。ほか、今年GoogleとAdobeから発表された話題の書体、Source Han Sansの記事など。毎号思うんだが、読者プレゼントって応募していいのかな。編集者は知らない方でもないので、ちょっと躊躇する(笑)。
様々な国のカリグラファー・タイプデザイナーのエッセイとインタビュー集。編集は自らデザイナーでもあり、タイポグラフィ関係の著書をいくつも執筆しているJan Middendorp氏。キリル文字、ブラーフミー文字、アラビア文字なども掲載されており、結構新鮮。和文もあり、担当は麥倉聖子さん。後半は多数の作家たちの作品が掲載されている。編者はドイツ在住で出版社もドイツだが、文章は英文。カリグラファーやスクリプト系を作りたいと思ってるタイプデザイナーは、買って損はないと思う。この人の本はよく入手困難になるので(笑)お早めに。
ドイツのタイポグラフィマガジン「Slanted」が、2009年から2012年に発表された書体の中からめぼしいものをピックアップして紹介している本で、その数ざっと239書体。紹介されている書体の作者の国籍も様々で、日本人からは小林章さん、麥倉聖子さん、Ryoichi Tsunekawaさんらが名を連ねている。私が知らない書体も当然ながら多数あり、これでこのブログのネタが増えた(笑)。自分のブックマークさえまだ全然消化しきれてないが…。「年鑑」と銘打っており、「1」とナンバリングされている事から次もあるのかなと期待してはいるが、あるかどうかは不明。どうでもいいが手元にあるものと画像では表紙のデザインが若干違うな…。
旧盆に合わせて梵字とか紹介しようかと思ったけど諦めた(笑)。んで何の関係もなくこの書体を紹介。絞り袋から絞り出したクリームで書いたようなぬちょっとしたエレメントを持つサンセリフ。本文用書体として設計されており、ウェイトと字種が豊富。だが、ぶっといウェイトでロゴを作った方がカワイイかな。そういう意味で Cooper みたいな書体である。Cooper って大体 Black Italic しか使わないよね(笑)。とは言え、細いウェイトももちろんちゃんとしている。でもやっぱりイメージからして児童書とかその辺向けかなー。投稿時点で75%オフセール中。
しつこく書籍紹介。サブタイトルがクソ長いのでこちらに書くと Monograms, Crests, Ciphers, Seals, and the Etiquette of Social Stationery となっていて、ステーショナリー、つまり名刺やレターヘッドなどのエチケットやマナーなどを解説した内容になっている。序章は完全に銅版画の話で、我々タイポヲタクにとっては興味のない内容だが(笑)、本編以降、ちょっと文章が長くて英語が苦手な方はツラいかもしれないが、図版も多く、適した書体の紹介もあり、結構楽しめると思う。何より本そのものの佇まいが美しい。表紙も本文組も文句なし。特徴的なのが本文書体。Bertham というちょっと変わったものを使っている。
また、この本で紹介している古い書体をデジタル化したもの2書体が、Fonts.com のサイトからダウンロードできる。
2日続けて書籍紹介。『世界を変えた50の書体』というオオゲサなタイトルだが、これはロンドンにあるThe Design Museumが発行しているFiftyなんちゃらシリーズのひとつで、他にもバッグやら椅子やらのものがある。この本は、15世紀のブラックレターから2011年Dalton Maagが発表したフリーフォントのUbuntuまで、主要な50書体を紹介している。おなじみのCaslonやGaramond、Helvetica、Times Romanなどはもちろん含まれており、ひとつの見開きにつき1書体だけ紹介してるので文章も短く、英語が苦手な方(筆者含め)も何とか読めるんじゃないかなという感じ。欧文書体史をざっとさらうには良い本。
欧米のタイプフェイスデザインの変遷を追った書。2分冊で、Vol.1は1628年から1900年までをざっくりと、Vol.2は1901年から1938年までを掲載。解説文は英独仏あるが、ほとんどが図版のみで、それぞれの年代を代表する印刷所の見本帖を掲載している。欧文書体好きにはもうヨダレだらだらで、これだけでご飯何杯でもイケること間違いなし。ぬいぐるみの代わりに抱いて眠りたい(笑)。実はこの本、5年ほど前にハードカバーで2冊バラバラで発売したものを、ペーパーバックにして2冊まとめて再販したもの。なのでもうお持ちの方もいるかもしれない。私はいつか買おうとして買いそびれていたが、値段も半額ほどになり、かえってラッキーであった。ただサイズはA4より一回り大きく重いので、ペーパーバックではちと心もとないが、その代わりオサレなスリップケースが付いている。タッシェンは高価になりがちな美術書を比較的安価で出版してくれてるありがたい出版社。多謝。