鬼のようにデコラティブなイニシャルを持つブラックレター。18世紀英国のカリグラファー、John Ayres の書体を参考にしたとある。この頃の英国では George Shelley や Charles Snell、George Bickham など綺羅星の如き天才たちが腕をふるっており、それぞれの名を冠した書体(Shelley Script、Snell Roundhand、Bickham Script など)も開発されているが、この John Ayres もなかなか負けてない。コントラストが強くカウンターの広めなブラックレターで、装飾が大変優雅である。ただ、全文をこのイニシャルで組んだりするとかなり読みづらい(サンプルがすでに読みづらい)ので、そのためか Plus という、大文字に装飾のないフォントがファミリーにある。特に目立たせたいもの以外はこれで組んだ方がいいだろう。作者は他に Royal Bavarian Script という書体も制作しており、イニシャルだけ Ayres Royal で、本文はこちらで組んでみて欲しいと提案している。