柔らかいエレガントな印象のあるトランジショナルローマン。大文字は堂々としているが、x-ハイトが小さめで字間が広く、雰囲気がとても優しい。リガチャーを非常に多く持っており、本文はもちろんディスプレイとしてもおもしろい文字組みができるだろう。イタリックもカリグラフィー風味が強めでエレガント。x-ハイトを大きく可読性を良くした Mrs Eaves XL というバージョンもあるが、そっちはなんか普通でつまらない(笑)。
名前は18世紀英国のプリンターで、トランジショナルローマンの代表的書体に名が残っている John Baskerville の妻・Sarah Eaves から取ったもの。Sarah は元々メイドだったらしく、John の前妻が亡くなり後添えとなった模様。Sarah がこの書体をデザインした訳ではないが、作者の Licko は Baskerville の女性版、というような位置づけでデザインしたらしい。でも妻なら Mrs Baskerville なんじゃないのとは思うが、無粋なツッコミだろう(笑)。ちなみに Mr や Mrs にピリオドを付けないのは英国風の組み方。この方がよりエレガントかな。
Archive: April 2016
やや筆のニュアンスのあるディスプレイサンセリフ。以前に紹介した Schoiffer Sans に似てるだろうか。骨格的には普通のアップライトなのだが、エレメントに多少手書き風の動きと筆っぽいカリグラフィーのようなテイストがある。そのためか、スワッシュ付きのオルタネートも用意されている。キリル文字もサポートされているが、イタリックはない。6ウェイト。
ラフなカリグラフィックスクリプト。やや太めで字形そのものにも優雅さはなく、男性的で粗野な印象がある。ブラッシュタイプではラフなものはいくらでもあるが、このようにカリグラフィーペンで書かれたものではちょっとめずらしい。ウェディング用途にはあまり向かないかな…。スワッシュやリガチャーはたくさんあるが、それもあまりハデなものはない。キリル文字がある所もレアである。4ウェイト。
本文用にも使えそうなディスプレイサンセリフ。グリフ一覧を見ていただければ判るが、一見普通に見えて実は結構字形がおもしろい。特に g は必見である。作者はディスプレイ用として制作したようで、あまり長文はムリだろうが、広告のボディコピー程度なら組めそうな気がする。それぐらいパッと見は普通である。ファミリーがかなり多いように見えるが、実はオルタネートとスモールキャップスが別になっており、その分ファミリーが多くなったように見えてるだけ。とはいえ、10ウェイトと大ファミリーではある。イタリックはレギュラーとコンデンスドの2種。ただいま90%オフセール中。
古代ローマ時代の「4月」の名を持つアップライトのブラッシュスクリプト。ボテッとした太めのウェイトで、ご多分に漏れずオルタネートが多く、特に小文字はどの文字も最低6つの字形を持つ。スワッシュは割と控えめで、文字から大きく逸脱するようなラインはない。フローリッシュも別であるが、こちらも単純。リガチャーは50種ほど。1ウェイトのみ。新年度開始の本日だが、沖縄は桜も完全に終わっており、フリーランスには何一つ目新しい事はない。今日も淡々と一日が過ぎていくが、皆さんはどうぞはりきって。