第7回モリサワ賞国際タイプフェイスコンテスト(2002年)の欧文部門金賞受賞作品。A や H のバーや記号類にひゅっとしたカーブがあり、全体的にちょっと怪しげな、バロックやロココ調の雰囲気のある書体である。数字の 0 のアクシスが90度横になっているのがかなり挑戦的。大文字にはオープンフェイスになったオルタネートがある。イタリックはコンデンスであくまで柔らかい。リリースは2012年で、実に10年を費やして制作した力作である。2014年にはイタリックのスワッシュバージョンの Australis Swash も発表している。
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なんとなく手のぬくもりを感じるようなヒューマニストフレアセリフ。Copperplate Gothic や Antique Olive などを参考にしたとある。細いウェイトは、普通のペンを使ってフリーハンドで丁寧に慎重に書いたような雰囲気があっておもしろい。太いウェイトはややコントラストが強まりセリフも鋭くなって、細い方とはちょっと違う印象がある。カウンターは広めで可読性は良好。名前はイエミソサザイという鳥のチリ名だそうだ。その鳥とおぼしきアイコングリフが入っている(なぜか牛も)。6ウェイト。
ちょっと変わったエレガントなローマン。ブラケットが直線的で、Adrian Frutiger の Meridien にやや似ている。ストロークの接続部分が離れている部分が多く、それが風通しを良くして涼やかな印象がある。イタリックはやや刺々しいが、涼やかさは失われていないように思う。変わっているのが、人や獣のイラストが入ったヴァーサル(飾りつきの大文字)がファミリーにある事。古文書よろしく、ドロップキャップスで使用すると面白いだろう。字種が豊富で組版には困らない。以前もPampaTypeの書体は紹介したことがあるが、これもアルゼンチンらしくウェイト名はスペイン語。ただいま40%オフセール中。