ややブラックレター風味のあるディスプレイ。ロビン・フッドの特装版のためにデザインされたものらしい。そのためやや子供向けかなという雰囲気があり、また A の上にあるバーが「ああ英国だなぁ」という感じがして筆者は結構好きな書体である。ブロードペンを使ってデザインしたようで、カリグラフィーっぽいコントラストが出ている点も特徴。以前に紹介した Goudy Thirty と未紹介の Goudy Aries を参考にしたとある。「2010年に作者が亡くなる前に短期間で描かれた」と説明にあるので、ひょっとしたら作者は余命を知りながら急いでデザインしたんじゃないだろうか。そう思うとなんかちょっとしんみりしちゃったりするし、最後のその直前まで仕事をしていた事を羨ましく思ったりもする。ま、これもハロウィン向けに。1ウェイト。
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カリグラフィーペンでむりくり(笑)書いたようなローマン。一見普通のローマンに見えるが、よくよく見ると輪郭がうにうにしており、ラフにレタリングしたような形をしている。骨格は割とスタンダード。作者の Jim Rimmer が初めて制作した書体らしい。1ウェイトでイタリックもないのだが、名前の通りトーテムポールのオーナメントが付属していて、1~3段でバラバラになっており、好きなように縦に積んで組めるようになっている。字種は Pro 仕様。
お気に入りのCanada Typeの書体を紹介。やや刺々しくてコンデンスなローマン。どっちかというとディスプレイに近く、あまり長い文章には不向き。エフェメラのボディコピーなら耐えられるかなという感じ。’30年代後半のドイツの活字が元になっているそうな。元の活字の作者は不明だが、そう言われればKoch Antiquaによく似てはいる。この書体の売上の20%はタイポグラフィを学ぶ学生のための奨学金に寄付するそうな。
※元の書体のデザイナーはElizabeth Friedlanderという人で、この書体はNeufville Digitalからも出ているとの情報を得た。ありがとうございました。
ファミリーもないし、本文用として紹介するのはどうかなとも思うぐらいクセがあるけど、個人的な好みで。アップライトなイタリック(?)で、和文で言う宋朝体みたいな使い方ができるんじゃなかろうか。このSternは、デジタルと同時に活字としても販売されたそうである。デザイナーはJim Rimmer。カナダでは有名なグラフィックデザイナーのようで、バンクーバーのMonotype社でタイプディレクターを務めた事もある人だという。彼を題材に“Making Faces”というドキュメンタリー映画も制作されたとか。トレイラーがYouTubeにある。ちなみにCanada Typeは私好みのフォントをたくさん作っていて、お気に入りのファウンダリーである。