現代的なプロポーションのフレアセリフ。可読性の良い書体で、代わりにアセンダーとディセンダーが短くなっており、プロポーション的には現代的ながら、フレアセリフのせいかクラシックにも見え、新旧混じり合った不思議な雰囲気を持っている。元は Oscar Mondadori という出版社のブランディングのために作られた書体だそうで、確かに OSCAR のロゴはこの書体のように見える(ちょっと小さくて判別はしづらいが)。長文にも十分耐えうる読みやすい書体。7ウェイト。
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さて2020年あけて一発目、本日『色の日』らしいのでこちら。実際日本語なのかは判らないが同じ音の名を持つサンセリフ。ややコンデンスな可読性の良い現代的なサンセリフで、デジタルデバイスによくマッチすると思われる。変わってるのが斜体に2種類あって、いわゆるイタリックの Italic とオブリークタイプの Slanted がある。ウェイトは8つあるが、それとは別に見出し向きの Display に Ultra Light と Heavy と両極端なウェイトがある。ほか、ユーモラスなグリフの Unicase も8ウェイトあり。サイン向けのアイコンも多数あるが、これも変わっててイラストが斜線で断ち切られたものがあり、斜線付きの赤丸を重ねれば「禁止」表示のサインが簡単に作れるようになっている。いいアイディアだと思う。
ほとんどローマンに近い変わったスラブセリフ。説明文を読むと、1920年前後に使用されていた通称 Tory-Garamond と呼ばれていた書体を元にデザインしたそうで、ブラケットのない太めの直線的なセリフは確かにスラブセリフだが、プロポーションは Garamond の名が示す通り大変クラシックで、本文用としてまったく問題ないものとなっている。特徴的なのがイタリックで、あくまで活字なのだが手書き感が強く残っており、非常に魅力的。オルタネートやリガチャーも豊富で、スクリプトの代わりに十分使える。実は筆者は作者の Xavier Dupré の密かなファン。常に筆者のツボを的確に付いてくる書体を作る作家さんである。’77年生まれって俺より若いんだなぁ…脱帽。
御大 Gerald Unger のフレアセリフ。氏のデザインの特長がよく出ている書体である。通常のレギュラーの他、Informal と Irregular というバージョンがあり、レギュラーと Informal の違いがちょっと不明瞭だが、大きくは a と g が2階建てと1階建てになっている。Irregular はカリグラフィーでいう Insular に寄せたデザインとなっているとの事。ギリシャ文字とキリル文字もサポートした PanEuropean というバージョンもあり。各6ウェイトで、Informal と Irregular にはイタリックはない。ただいま20%オフセール中。
本文用ローマン。ルネッサンス期の活字を参考にデザインしているとあるクラシックでエレガントな書体。なんか太さが不安定なステムで、活版印刷でのかすれを再現している…のかな。アップライトは注意しないと判らない程度に右に傾いている。イタリックはそれよりもさらにちょっとだけ右に傾いていて、大文字だけだと違いが分かりにくいほどだが、小文字にはちゃんと手書き感が出ている。ウェイトのバリエーションはないが、字種が大変豊富でオーナメント類もちょろっとある。非常に筆者好みの書体ではあるが、多分これを使うような仕事はない(涙)。
※なんとAdobe Typekitで使えることが判明。Creative Cloudをご利用の方は要チェケラ。
元々Paradoxという名で新聞用として開発されたローマンをCorantoとしてリニューアル後、さらに字種を拡張して2011年、Coranto 2として再リリース。字幅が狭めで、ブラケットが大きくヌメっとした感じが特徴。現在は購読してないので今も使用してるかどうかは不明だが、以前はプロダクトデザイン誌の「I.D.」の本文に使用されていた。これに切り替わった当初は違和感があったが、見慣れると特徴的でありながら読みやすく、とても気に入ってしまった。アップライトとイタリックが2ウェイトずつしかないが、新聞用らしく、長い見出しに便利な字幅の狭いHeadlineというファミリーがある。普通のローマンに飽きた方に。
(※追記:I.D.って2010年に廃刊になったらしい。知らなかった。今はネットのみ)