ほんのり微妙な膨らみを持ってフレアセリフっぽくなっているヒューマニストサンセリフ。完全な直線がほとんどなく、どっかしら微妙にくにょっと曲がっていて、それが若干優しい雰囲気を生んでいる。骨格は伝統的なもので、本文用として申し分ない。字間は広めで、クラシックながら古すぎず、現代的な雰囲気も持っている。キリル文字もサポート。ウェイトも8つとビッグファミリー。
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正統派の本文用トランジショナルローマン。レギュラーはこれと言って特筆すべき点はないが(笑)、それだけにスタンダードで読みやすい書体。イタリックはクラシックなスタイルで、カリグラフィー風味が多分にある。3ウェイトあるが、どれも細い部分のウェイトはほぼ変わらずなので、Bold はかなりコントラストが強くなっており、印象はモダンローマンに近くなっている。字種は豊富で、キリル文字とギリシャ文字をサポート。
本日は写植の発明者にしてモリサワの創業者、森澤信夫の誕生日(1901)だそうな。袂を分かった石井茂吉の写研とは違い、DTP に対してフォントを開放してくれたので、我々は今、高品質な和文フォントを豊富に使用することができる。ありがたやありがたや。写研もそうしてくれないかなーというのはデザイナーの長年の希望なのだが、なぜだかその気配はまったくない。哀しい。
さて本日紹介する書体は、モリサワが開催している「タイプデザインコンペティション」の2014年のファン投票欧文部門2位の書体…の元になった書体である。受賞作はこれの Display というバージョンでちょっとにゅよっと柔らかくなったものだが、まだフォント化はされていないようなのでこちらを紹介。ステムに太細の差があるモダンなサンセリフ。ややジオメトリック風味もあるだろうか。10ウェイトあって、軽い方は非常にエレガントで化粧品のパッケージなどにそのまま使えると思う。アルメニア人がデザインしただけあって、アルメニア文字、キリル文字、ギリシャ文字もサポート。
伸びやかなステムを持つフレアセリフ。Optima よりややコントラストが強いだろうか。細いウェイトだと目立たないが、太くなるにつれてウェストの絞りが強くなり、若干ポップな印象になってくるが、基本的な骨格はヒューマニストでエレガント。字種が豊富で、変わってるのが大文字サイズの小文字字形のグリフがある事。ユニケースとして使えるようになっている。字幅は Norm(al)、Cond(ensed)、Ext(ended) の3種あって、それぞれに8ウェイトと大ファミリーである。ただいま68%オフという中途半端なセール中。
可読性の良いヒューマニストとジオメトリックのハイブリッドサンセリフ。というぐらいしか特筆するような所もないが、とにかく大変スッキリして読みやすい。コントラストは弱く、ほぼモノライン。イタリックは手書き感があり、自然で伸びやかなカーブが特徴。ちょっとコンデンスな所も古いスタイルを踏襲している。字種も多く、70言語をフォローしているとの事。矢印も3種のスタイルがあり、サインでの利用も考慮されている。7ウェイトあり、隣り合うウェイトの差は弱く滑らか。字種の少ないアマチュア仕様(?)の Libertad Office というバージョンもある。
本日はマヨネーズの日らしい。という事でそんな名前の書体を。コントラストの弱いほぼモノラインのぼったりしたスラブセリフ。といっていいのかよく判らないが、取り敢えずそうしておく。セリフの形としては Cheltenham に似ているかな。全体的に字幅がほぼ一定でやや角ばっており、カウンターは大きめで可読性は良いと思う。イタリックは傾きは弱いが、ちょっとカリグラフィー風味が入っていてアップライトとは対象的に柔らかい。キリル文字もサポート。7ウェイト。
みんな大好きジオメトリックサンセリフ。x-ハイトが大きめでコロコロ感が若干強めだが、a がデフォルトで2階建て(1階建てもオルタネートにある)になっており、そこでちょっとブレーキがかかってるかなと思う。ij のドットがちょっと大きめ。Q のテールがかなり長めに右下に流れていて、アクセントになるだろう(あんま Q を使う単語がないが)。イタリックはオブリークタイプ。キリル文字とギリシャ文字もサポートしている。ステンシルタイプの Cera Stencil とステムがラフに塗りつぶされた Cera Brush も別ファミリーにあり。6ウェイト。
柔らかく優雅なスクリプト。一見カッパープレートのようだが、どうも幅のごく細いブロードペンで書いてデザインされているように見える。傾きはほとんどなくアップライトに近い。スワッシュオルタネートはあるもののごくごく控えめで、ダイナミックさはあまりない。リガチャーは60種ほどとほどほど。ウェイトも1ウェイトと、とにかく全体的に「やり過ぎてない」スクリプトである。それだけに可読性もよく、シックで上品な印象がある。値段も $28 とお手頃。ただいま25%オフセール中。
「道案内」の名を持つサイン用途に特化したサンセリフ。いろんな国のサインを研究して作り上げた書体のようで、それぞれと比較しながら色々と工夫が施されている。具体的にどれがどうとはここでは挙げないが、興味があれば詳細を記した PDF が配布されてるので、そちらを参照して欲しい。ウェイトはレギュラーとボールドの2種しかないが、幅はコンデンスとエクステンドと計3種、またすべての書体に “N” という記号が付いたバージョンがあり、これはネガティブ、要するに濃い地に白抜きにした時に同じウェイトに見えるように調整されたバージョンである。一般的には白抜きにするとほんの少し細く見えるので、それが調整されている。あと Wayfinding Sans Symbols という、空港や駅などに便利なピクトグラムが別にある。ただいま50%オフセール中。
トゲトゲしく鋭い感じのするちょっと変わったローマン。骨格そのものは割とスタンダードなオールドスタイルだが、セリフがナイフのように鋭く、コントラストもやや強めで目に刺さりそうな書体である。印象としてはモダンローマンに近いだろうか。作者は Adobe 所属の名デザイナーで、ビッグファミリーをよく作る。これもオプティカルになっており、レギュラーとキャプション、見出しと小見出し用があり、それぞれ4ウェイトずつ。ほか、キリル文字とギリシャ文字もサポートしている。名前は Adobe の共同設立者の一人、John Warnock から取ったそうな。