超ジオメトリック(笑)サンセリフ。名前の通り、ジオメトリックサンセリフの代表格・Futura と縁があり、というか最初に Paul Renner がデザインした Futura がこれだった。見ての通り幾何学的に正確さを求めるあまり、字としては破綻が見られる。作っては見たものの、「こりゃ売れねぇだろ」と思い直し(笑)デザインし直したのが今の Futura である。日本ではいろいろ妙なウワサのあった Futura だが、あれから10年以上が経ち、その風評もだいぶなくなったかなと思う。よかったよかった。3ウェイト。
Category: Sans Serif
みなさま秋の大型連休シルバーウィーク、いかがお過ごしでしょうか。筆者はというとまぁぼーんやり…うるさい聞くんじゃないよ! シルハラ(シルバーウィークハラスメント)ですよ! とまぁそんな話はさておき、気まぐれにブログを更新する。
ステムに太細の差があるサンセリフ。一応ステムの端が微妙に広がっているが、フレアセリフと呼ぶにはあまりに微妙過ぎる書体である。カウンターは広めだが字間が狭く、その辺りがちょっと今っぽくなく古臭い。まぁ組む時に広げればいいのだけれど、字間ひとつでこんなに雰囲気が変わるものかとちょっと驚く。イタリックはちゃんとイタリックしているが、字幅がアップライトとあまり変わりない。細いウェイトが結構エレガント。7ウェイト。
スクリプト風味を多分に持ったサンセリフ。イタリックはコネクションがないモノラインスクリプトと呼んでもいいぐらい、スクリプトの風味が強い。ウェイトは太めでコロコロしており、とても可愛らしい書体。控えめなスワッシュもちょこちょこあり。サンプルイメージには「For kids」とあり、子供向けのいろいろな商品に向いているだろう。キリル文字もサポート。 (cats inside) とも書いてあり、確かにステムにネコのシッポ風味があるような…と思ったが、単純にネコのイラストのアイコンがあるという事らしい(笑)。6ウェイト。
碑文系のディスプレイ。基本的にはローマンキャピタルというか古代ギリシャ風味のある書体だが、ステムに抑揚がなくほぼサンセリフ。だがちょこっとだけセリフが付いており、言えば Copperplate Gothic とのハイブリッドのような書体である。Schneidler Initials という古い書体に範をとったらしい。オルタネートには縦のステムが伸びたものもあり、それらは Sophia にも雰囲気が似ている。小文字はないがギリシャ文字とキリル文字もサポートし、オーナメント類も少し。4ウェイト。
9月12日、タイプデザイン界の巨匠、Adrian Frutiger アドリアン・フルティガー氏が亡くなられた。享年87。6月に Hermann Zapf ヘルマン・ツァップ氏が亡くなられてから3ヶ月、今年は2大巨頭が相次いで亡くなられるという忘れられない年となった。
フルティガー氏は数多くの書体をデザインされたが、もっとも有名なのはこの Univers だろう。この書体は皆さんご存知の通り、初めてナンバーシステムが導入された(*)書体である。55というのをレギュラー・アップライトとし、10の位をウェイト、1の位の奇数が字幅、偶数をそのイタリックとしてシステム的に体系化してファミリー展開を行った。2010年に改定されたこの Univers Next では数字が3桁になり、100の位がウェイト、10の位が字幅、1の位の0がアップライト、1がイタリックとなっている。ファミリーも71と増えており、他、セリフの付いたモノスペース版の Typewriter とアラビア文字バージョンも作られている。フルティガー氏は亡くなられたが、氏の書体は今も世界中で使われており、その内のいくつかはまた改定されてファミリーを増やすかもしれない。氏が生み出したその宇宙(Univers)はまだまだ限りなく広がり続けていくだろう。今頃はツァップ氏と何を語り合っておられるだろうか。それを想像すると何となく微笑ましく感じさえする。ご冥福をお祈りいたします。
*ナンバーシステムはこれが初ではないという指摘をいただいたので訂正します。
ザ・ジオメトリックとも呼べるサンセリフ。Futura と同じような幾何学的なサンセリフで、非常にモダンで洗練された印象で超カッコイイ。元の bill corporate よりは字幅が若干細めにデザインされている。A の字幅がかなり広いのと、M の縦のステムが垂直なのが Futura との主な違いだろうか。あとアセンダーやディセンダーも若干低め。Hairline から Super(Heavy相当)まで細かくウェイトがあるが、Hairline よりもさらに細いものが Two、Four、Six、Eight と4種あり、Two などはもう普通のサイズではほとんど視認できない(笑)。相当大きく使う必要があるだろう。残念ながらイタリックはなし。
作者に名を連ね、書体名にもなっている Max Bill はドイツ・バウハウス出身の非常に多彩な芸術家で、建築、プロダクト、グラフィックと多方面で才能を発揮した。ミッドセンチュリーのインテリアを扱うショップでは、Bill のプロダクトを扱っている所も多い(こちらなど)。Typography, Advertising, Book Design という著書も著している。この書体はただいま70%オフセール中。
ややカクカクした印象のセミセリフ。いやセミサンズか? まぁいいやどっちでも。とにかく中途半端にセリフが付いた書体である。セリフは太く、ほとんどスラブセリフとさえ思えるほど。字形もなんとなくコリッとしているが、カウンターは広めで読みやすい。字種も多くリガチャーや数字の種類も豊富で本文用として文句…はある。なんと、残念ながらイタリックがない。できれば追加して欲しいな。6ウェイト。
超楕円がベースのややジオメトリックなサンセリフ。超楕円(陸上競技場のトラック型的な)というか、それよりもやや膨らみがある感じだが、その形をベースにしてデザインされたっぽい。なのでカウンターは広めで、字間も広めで明るく読みやすい書体である。a と g には1階建てと2階建てが選択できる。ウェイトも10もあってファミリー展開が豊富。ただいま85%オフセール中。
ステムの太さに差があるディスプレイサンセリフ。基本的にローマンのように縦線が太く、横線が細い。プロポーションは幅広で字形はやや野暮ったく、古い書体の印象がある。イタリックは少し筆っぽいニュアンスがあり可愛らしい。お菓子のパッケージとか合うかも。4ウェイト。ただいま40%オフセール中。
ややエクステンドでスタンダードなサンセリフ。ややヒューマニスト寄りで(やや言い過ぎ)、a や g が2階建てになっている。「白」の名の通り、あまり主張しないシンプルで読みやすい書体。字種は残念ながら多くなく普通。9ウェイトあるが、一番重い Heavy はインラインタイプとなっている。サンプルイメージは IBM のロゴなどで有名で、世界中のグラフィックデザイナーに多大な影響を与えたポール・ランドの言葉。どう訳したらいいのやら(笑)。