ローマンキャピタルの最高峰(断言)。ローマにあるトラヤヌスの記念柱の根元にある碑文の書体を元に制作されたもの。この碑文の書体こそがすべてのローマン書体の原典であるとされ、ここから何万というローマン書体のバリエーションが生まれたが、Trajan はこの碑文の書体そのものに近い形で制作されている。2000年経ってもこの威風堂々たる雰囲気の人気は衰えず様々な場面で使用されており、特に映画界では重宝されている模様(笑)。1989年に制作されてから二度改定されており、この 3 が最新版。2ウェイトから6ウェイトになり、ギリシャ文字とキリル文字が追加された。個別購入できる他、Adobe Fonts でも配信されている。Adobe Fonts ではカラーフォント版の Trajan Color も利用可。
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超絶定番のローマン書体。18世紀英国で活躍したウィリアム・キャスロン William Caslon (1692–1766) の書体を元に制作された本文用書体である。Caslon の書体を元に制作されたフォントは多数のファウンダリーから出ているが、恐らくこれが最もスタンダードだろう。まあ Adobe のアプリケーションに付属していた、というのが一番大きいかもしれないが(笑)。活字は20世紀初頭まで使われており、その頃は「迷ったら Caslon で組め」とまで言われていたそうである。これは今でも生きていて、特にこだわりがなければこれで組んでおけば文句は言われないだろう。これは本文用サイズの活字を元に作成されているためコントラストが弱いが、見出し用のコントラストが強いものは別の作者により Big Caslon として制作されている。1990年にデジタル化され、2012年に字種が増えて Pro となった。個別購入できる他、Adobe Fonts で利用可能。
Minion 紹介しちゃったらこちらもせねばなるまい、ということで。2002~12年頃までは Apple アップルのロゴとなり、コーポレートフォントとしても採用されていた書体。これといった強い特徴がなく、とにかくクセがなく読みやすいスッキリとした本文用ヒューマニストサンセリフ。1992年に登場し、Minion と並んで Adobe のアプリに付属していた。つまりセリフは Minion、サンセリフはこちらをという意図だったと思う。日本でいえば Mac に搭載されたヒラギノ明朝とゴシックのような扱いで、とにかく何に使っても特に問題を起こさないよ、という優秀な書体である。こちらもバージョンアップを繰り返し、今では字幅が4種類5ウェイトずつで計40種となっている他、ヘブライ文字、アラビア文字、ベンガル文字、デーヴァナーガリー版もある。個別購入できる他、Adobe Fonts でも配信中。
本日は『ローズの日』らしいのでこちら。レトロ感満載のデコラティブなディスプレイ。レトロも何も元は19世紀アメリカでデザインされたもので、それをデジタル化したものである。多分どこかで似たようなものを一度は目にしたことがあるだろう。Clarendon などのスラブセリフをベースに装飾を施したもので、文字の上下でフィルが分かれているが、2~3色で色分けして刷っていたらしい。なかなか使い所が限られるとは思うが、ジョジョっぽいイラストと合わせるといいだろう(超限定)。
どれだけ削っても削りカスが途切れない、高性能な鉛筆削り「だけ」を作っているという中島重久堂のWebサイトで見出しに使われていてキレイだったので紹介する。スラブセリフとしては珍しく本文用に設計されており、伝統的なローマンの骨格を持っている他、サイズによって視覚的調整がなされたオプティカルファミリーであり、通常の本文用と、キャプション用(Caption)、見出し用(Display)、小見出し用(SubHead)がある。Adobe CC に入っていればインストールされる…のかな。筆者のPCには入っており、また Adobe Typekit でも配布されているので購入の必要はないかも。作者の Twombly は Adobe にてその才能を遺憾なく発揮しており、他に Adobe Caslon や Trajan、Myriad、Lithos などもデザインしている。