やや軽めのウェイトの堂々としたローマンキャピタル。このテの書体はたくさん紹介してきたが、これは中でも上位に入る美しさがある。ただグリフがあまりに潔く、小文字はもちろん、リガチャーどころか数字さえもない(笑)。約物もピリオドやカンマ、クォーテーションとハイフンぐらいで括弧類は綺麗サッパリ省かれている。アクセント記号もゼロ。にも関わらずお値段的には普通という…。ただ繰り返すが美しさはトップクラス。大変品があるのでラグジュアリーな雰囲気を出したい時にはもってこいだろう。ちなみに「SPQR」とはラテン語の「ローマの元老院と人民たちよ」の略(略前のフルスペルは下の行の1行目)。ローマ帝国時代、御触書が出る時の冒頭の常套句である。英語の Ladies and Gentlemen みたいな感じ。
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筆感が満載のローマンキャピタル。普通この書体は平筆で書き、その際はちょっと不自然な動きをしてあまり筆の感じを残さないようにするものなのだが、このフォントは変にレタッチされておらず、手で自然に書くとこうなるよな、ととても納得の行く(笑)ものとなっている。筆感の弱い Classic、筆の感じが大いに残っている Hand、さらに筆がかすれた感じまで再現している Rough の3種がある。あと「キャピタル」とは言ったが、実は小文字もあるという変わり種。リガチャーやオルタネートのある Pro と、ベーシックなグリフしかない Essential の2タイプがある。それぞれ Classic と Hand は4ウェイトずつ、Rough は Black のみ。ただいま75%オフセール中。この辺が大好物である筆者は買った(笑)。
ルネッサンス期のローマンを元にしたミクスドファミリー。15世紀イタリアの画家ピエロ・デラ・フランチェスカ Piero della Francesca(1412-92)が、トスカーナの人口約1700人ほどの小さな町モンテルキ(Monterchi)に残したフレスコ画をブランディング(=観光資源化?)するにあたり開発された書体との事。基本のフレアセリフとモノラインサンセリフ、ローマンの3種があり、フレアセリフには本文用の Text バージョンもある。全部同じローマンキャピタルとヒューマニストの骨格で、セリフの形にだけバリエーションを持たせている。見ての通り大変美しいローマンキャピタルで、遊び心満載なリガチャーも豊富。ウェイトも各6種(Sans だけ7種)もあり、イタリックも当然ある。ただいま85%オフで3,500円ほどと大変お得になっているので、ぜひこの機会に購入しておいて損はない。
モダンなようでクラシックなようでモダンなディスプレイ。骨格はローマンキャピタルを元にしてるとあり、よく見ればそうかなという感じだが、ストロークが直線的で、ジオメトリック風味もあってスッキリしており、パッと見ではあまりそうは感じない。K のステムとレッグが離れていたり、P や R のボウルが閉じてない所が明るさを演出している。R と Q にはレッグやテールが伸びたオルタネートがある。リガチャーもちょっとだけ。小文字はなくスモールキャップスだが4ウェイトあり、サンセリフだけではなくスラブセリフバージョンもある。ただいま77%オフセール中。
本日は日本のローマ字社が定めた「ローマ字の日」だそうな。というワケでローマンキャピタル系をと思ったが、目ぼしいものは大体紹介し尽くしてしまっていて(笑)ちと困る…。数少ないストックからこちら。やや字幅が細めでピッチがほぼ揃っているローマンキャピタル系セリフ。スタンダードで優雅な骨格をしていて、見ての通り大文字は字幅が大体一定で、多分組みやすい書体だと思う。小文字やイタリックもある所が親切かな。アップライトは Bold もある。
本日は紅茶でおなじみのトーマス・リプトン Sir Thomas Johnstone Lipton の誕生日(1848)。というワケで同じ名前のタイプデザイナーの書体を紹介。平筆によりデザインされた非常に美しいローマンキャピタル系のセリフ書体。ひと目見て「達人だな」と判るカリグラフィーの名手のようで、筆者が見た中でもトップクラス。通常このテの書体に小文字はないが、よく似合うヒューマニスト系の小文字が付いている。イタリックは完全にカリグラフィーのそれ。ただコネクションや派手なスワッシュなどはなく、活字っぽくしてある。フィルというかスタイルというか、バリエーションが4種あって、通常の活字然としたレギュラーとブロードペンで書いたようなアウトラインの Pen、平筆タイプの Brush と、それがかすれた Brush Open がある。それぞれに4ウェイトずつで計32種。
ちなみに紅茶王リプトンは「売る」方の才能に非常に長けた天才で、その手腕で様々な広告プロモーションを行い店を大きくした。例えば今では定番になっているクーポン券は、彼の発明とされている。
本日は『LPレコードの日』だそうなのでこちら。Trajan タイプのローマンキャピタル。ライトウェイトながら、大変堂々としており美しい。小文字はなく、スモールキャップスもない潔い仕様である。おかげでグリフ数が少なく、その分値段も安い。アメリカの名タイプデザイナー、フレデリック・ガウディ Frederic W. Goudy が1927年に Architectural Record という雑誌のタイトルのためにデザインしたものだそう。「建築記録」という雑誌なのでレコードとは関係ないけど(笑)、まぁ名前が一緒なので許してくれい。
堂々とした碑文系ローマンディスプレイ。コントラストが弱くセリフもウェッジ型とちょっと変わってるが、骨格は大変堂々としたローマンキャピタルである。大文字には多くのリガチャーがあり、様々な文字組みが楽しめるだろう。ウェイトは本文サイズが5つで、他に見出し向きの Display と Poster がある。かなりカッコいいプロモーションサイト majesty-font.com も公開されているので、興味のある方はまず見て欲しい。ちなみに本投稿が1111件目(笑)。