読みやすいスッキリしたブラックレター。通常ブラックレター(ゴシック)というとゴチャゴチャして読みづらいものが多いのだが、これはかなりギリギリまで装飾を省きながらもちゃんとブラックレター風味を残しており、ヴィンテージ感はしっかりある。古き良きアメリカンなテイストも感じられるものとなっている。ビアパブのほか、野球チームのロゴなどにいいだろう。1ウェイトなのがちょっともったいない。太いのも欲しいかも。
Category: Blackletter
ストリート風味のある近代的なブラックレター。タトゥーとかに使われるタイプと言えばいいだろうか。ペンというよりはちょっと筆っぽいストロークで、大文字は割とハデでデコラティブ。オルタネートは皆無だが、スワッシュだけのオーナメントが付属。名前は「死の爪」というなかなか中二病チックなものである。1ウェイト。
クラシカルなブラックレター。そもそもブラックレター自体クラシカルなんだけど(笑)、こちらは中でも古いスタイルで、大文字がロンバルディック・キャピタルになっている。なんでこれが古いかというと、手書きのブラックレターにはそもそも大文字がなく、近代にフォントになった際に小文字と同じスタイルで大文字がデザインされた、という経緯があるので、大文字がないのが当たり前。そういう意味でこの書体はクラシカルなのである。グリフは結構手書き感が残っている。あとクリスマスにふさわしいアイコン類もあり。
近代的で割と真面目なブラックレター。スタイルとしてはだいぶ時代が下った18~19世紀ぐらいのもので、スワッシュオルタネートが豊富にある。画像のように細いものから太めのものまで様々で、総グリフ数は760ほど。カリグラフィーをやっている者にはお馴染みの書体だが、フォントとしては最近じゃあまり需要もなく、新しく作られる事も少ない。なのに作った事は評価したい。元々2,000円弱だがただいま30%オフセール中。日本ではヘビメタやゴスロリのイメージが付いてしまっているが、欧米ではクリスマス向けによく使われる書体なので、今のうちに買っておくと良いだろう。
ブラックレターとローマンのハイブリッドディスプレイ。20世紀初頭のドイツ人タイプデザイナー Carlos Winkow がスペインで制作した活字書体のデジタル版で、大文字がブラックレター、小文字がセリフというハイブリッド(雰囲気がブラックレターなのでそれに分類しておく)。言われないと分からないぐらい違和感なくデザインされているのがすごい。Regular と Black の2ウェイトの他、Black のアウトラインのみの White、フィルが斜線になった Gris(スペイン語で灰色)、フィルのみの Multi があり、White と Gris の下に Multi を重ねて色付けができるようになっている。
奇をてらったところがない、正統派のフラクトゥール(Fraktur: ドイツでよく用いられていたブラックレターの一種)。15世紀ドイツのカリグラファー、Johann Neudörffer(ぜひリンク先をご覧あれ)と Leonhard Wagner の書体を参考にしたとある。大変真面目な感じのするフォントで、すごくかっちりしていてカッコいい。スワッシュオルタネートはあるが、それでさえ遊んでいる感じは薄く、作者はマジメなんだろうなぁと思う(笑)。普通にカリグラフィーの手本になる素晴らしい出来。1ウェイト。
デコラティブなゴシック(ブラックレター)。クリスマスにぴったりな装飾を施されたゴシックで、非常に派手で大変見栄えがする。画像には大文字しかないが、小文字もちゃんとあるのでご心配なく。ところでこんなに色分けされてるということは SVG フォントなのかと思いきや! これはなんと! フォントではなく画像です!(笑)。EPS と JPEG しかデータがありません。5年ぐらいこのブログをやっているが、画像データの紹介は初めてかもしれない。ま、たまにはこんなのもいいでしょう。皆さんメリクリ~。
かなり古典的なブラックレター。15世紀ドイツでヨハン・フスト Johann Fust とペーター・ショッファー Peter Schöffer らによって印刷・出版された『マインツ詩篇』などに用いられた書体を元に制作されたものとの事で、往時の雰囲気を大変よく再現している。この頃のブラックレターは紙面節約のために多くのリガチャーや略字を用いていたが、活字はそれをほぼそのまま再現しており、このフォントもそれを多く取り入れている。ロンバルディックキャピタルのグリフも入っているというお得な書体。現代人にとっては読みづらく、またカリグラフィーの知識がないとなかなか扱いづらいが、解る人にとっては大変魅力的な書体である。ブラックだって生きてるんだ! ね!
クラシックなゴシックローマン。見ての通りゴシック(ブラックレター)とローマンのハイブリッドのような書体で、15世紀に活版印刷が実用化された頃はこういう書体がぽつぽつあった。現代では新たにデザインされることはほぼなく、だいたいリバイバルになる。これもその類。筆者はこういうクラシカルな書体は大好物だが、使える場面が限られる所がちょっと悲しくはある。18世紀頃に流行ったオーナメントも多数付属。1ウェイト。
珍しくブラックレターの新作が出たのでご紹介。そんなにゴシックゴシックしておらず、割と読みやすいグリフをしていて、かつアクセント記号もかなりフォローしており実用性が高い。大文字にはロンバルディック・キャピタル Lombardic Capitals を採用しているのがちょっと変わってる。普通のグリフの Regular の他、大文字に植物的な装飾を施した、いわゆるイルミネイテッド・イニシャル Illuminated Initials を持つ Deco というタイプがある。これはドロップキャップとして大きく使う方が効果的だろう。できれば装飾のみのグリフを用意して文字本体と色分けできるようにして欲しかった所。