本土の方はまだだろうが、沖縄は梅雨まっただ中。なので「雨の前に」なんていう名前の書体を紹介。大文字と小文字のサイズの差が大きく、大文字はカウンターを広めに取っているのが大きな特徴。リガチャーやスワッシュなども割と豊富。作者はスウェーデン人の模様。全体的に女性性が強く出ているように感じるが、北欧系の名前に疎いので、名前だけでは男性か女性かさっぱり判らん。
Category: Script
久々の投稿。皆様GWはいかがお過ごしでしたでしょうか。俺は仕事だよ!(激おこ)
まぁそんな事はさておき、能書家が専用のペンを使って書いたのではない、普通の人の普通のペンによるガチな手書き感のあるスクリプトを紹介する。何年か前、とある高級車のCMで、チャールズ・イームズの言葉を手書きしてるようなアニメーションが流れていたが、使われていた書体が非常に優雅なカリグラフィー書体・Zapfino で、ものすごく違和感があったのをよく覚えている。ラストのイームズのシグニチャーともまったく合っていなかった。ああいう用途にはこの Quickpen のようなスクリプトを使ってもらいたいもんである。まったく激おこぷんぷん丸。
昨日某デパートのイタリアンフェアに行ったのでイタリアンな書体を(笑)。男性的で力強いカリグラフィックイタリック。見ての通りオルタネートが非常に豊富で、スワッシュやフローリッシュが死ぬほど入っている。使用の際はついついやり過ぎてゴテゴテになりがちなので、控えめにするのがコツだろう。ファミリーが異様に分かれているように見えるが、実はオルタネートがTrueTypeフォーマット用に分かれているだけ。OpenTypeフォーマットのPro版には全部入っているので、Illustratorなどの異体字切り替え機能があるアプリで使うなら、これひとつで事は済む。ウェイトは2種。
日めくりフォントカレンダーTypodariumの本日の書体なので紹介(笑)。一応スクリプトに分類してるが、こういうのってどう分類したら良いのやら。普通のイタリックとスクリプトの中間のような書体である。’40年代のスタイルと解説されている通り、このような書体は昔は結構あった。私の好きな古い活字書体にTraftonというのがあって、これに似てるなぁと思ったらちゃんとこれも参考にしたとある。活字では難しかったスワッシュがいっぱい入っており、より表現力が豊かになっている。3ウェイトで、ほか字幅の狭いCondensedがある。カジュアルな結婚式の招待状などに。そういえば今の筆者の名刺でもこのタイプのフォント使ってるなぁ…。
精神分析学の権威・フロイトの筆致をフォント化したスクリプト。クラウドファンディングのKickstarterで資金を集めて開発したらしく、ウィーンやロンドンのフロイト博物館などに通って調査したそうだ。#1から#4はそれぞれ異なる字形を収めたもので、Proはスペリングによりこの4種から自動で字形を選んでくれる。ドイツには非常に独特な筆記体(Kurrent)があって、フロイトはそれも用いていたようで、それもフォント化されている。デザインがどうとかいうより、その行動力と調査力に頭が下がる書体である。
おもしろいファミリー展開をしているモノラインスクリプト。見ての通りボールペンで書いたような抑揚のないスクリプトだが、文字の傾きが0°、20°、40°と3種類あり、それぞれに3ウェイト。加えて字幅にもバリエーションがあり、字幅の狭い順からExtra Condensed、Condensed、Semi Condensed、Semi Expanded、Expanded、Extra Expandedと6種類。これらにも先に上げたように角度とウェイトがそれぞれあって、計63種もの大家族となっている。字幅の広いものとかは結構新鮮でおもしろい。実際にサイトに行って確認して欲しい。あとイラストの人はのび太ではない。と思う。たぶん。初売りセールしないかな。
なんか飽きたので(笑)スクリプトを紹介。発表から10年以上経っており、メジャーどころから販売されてることもあって、カッパープレート系ではSnell RoundhandやShelleyなどと並んでもう結構定番なんじゃなかろーかと思うスクリプトのひとつ。若干太めでしっかりしており、字種が豊富で、優雅なスワッシュを持ったオルタネートが多い。Wedding Invitationsという本に掲載されていた作例で一目惚れした、お気に入りのスクリプト。オススメです。
ホワイトデーの本日はスクリプトをご紹介。非常に優雅なスクリプト。カッパープレート系では筆者が見た中では最高峰。慣れないと使いにくいが、使いこなせれば差をつけらますよ。苦手な方のために、使用例のPDFが配布されている。$120とファミリーがない単体としてはお高めの書体だが、買って損はないだろう。ちなみにメデューサと言えばギリシャ神話の蛇女、石化能力を持つ厄介な敵としてRPGで有名だが、地中海沿岸ではかなり古くから崇められていた地母神らしい。トルコのお守り・ナザールボンジュウはメデューサの目がモチーフとか。
とてもいいスクリプトを見つけたので、本文用書体をちょっと休んで紹介する。見ての通り、奇をてらった所が何もない、至極正統なカリグラフィックイタリック。この系統では、私が見た中ではおそらく最高品質。最近カリグラフィーの展示会のために作品をひーこら制作しているが、偉大な作家たちに倣い、アクロバティックな事をしようとしてことごとくつまずいている。しかしそんな事をせずとも、正統なものをただ正統に書くだけで十分美しいのだという事をこの書体は教えてくれているようだ。ゴメンナサイ。普通に書きます。このスクリプトにマッチする、細身のローマンキャピタルもファミリーにある。
日本人デザイナー・立野竜一氏によるスクリプト。2003年、Linotype主催のタイプデザインコンテストのディスプレイ部門で1位を獲った書体である。大文字の重なりあう二重線が美しい。カリグラフィーにも造詣の深い氏ならではである。大文字の二重線を除き、スワッシュを抑えた Text というバージョンと、二重線を分割した Separate がある(色違いで重ねるのに便利)。ちょっとしたオーナメントもあり。ちなみにピルエットとはバレエのターンの事。