傾きの弱いブラッシュスクリプト。一見カッパープレートにも見えるが、多分丸筆でデザインを起こしたものと思われる。柔らかくぬちょっとした感じが特徴で、この書体で「Milk Chocolate」と書けばそれだけで美味しそうである。やっぱりというかなんというか、スワッシュとリガチャーが豊富に揃ってる。一応 Italic と名のつくファミリーがあるが、やっぱりほとんど傾いていない代わりに、スワッシュが少々ハデにぐるぐるしている。作者はフィンランドの若い男性だが、このようにちょっと女性的な雰囲気を持ったスクリプトを多数発表している。ただいまクリスマスセールで10%オフ。元々$45しかしないので値引きはちょこっと(笑)。
Category: Script
ややぎこちない感じがするカッパープレート。サンプルイメージの書体が大きめなので判ると思うが、カーブが滑らかになっていない部分がある。どうも意図的にそうしているようで、かつスワッシュも控えめなのでそれが通常のカッパープレートよりゴツゴツした印象を生んでいる。大文字にはほぼすべてにフローリッシュが付いているが、小文字にはない。代わりと言ってはなんだが文字とは別にフローリッシュが多数用意されている。変わっているのが数字にもスワッシュが付いている事。ファミリーはない。投稿時点で50%オフセール中。
線に抑揚がない、いわゆるモノラインのスクリプト。例に漏れずオルタネートがそこそこあり、組み応えがある。4ウェイトあって、リボン型のオーナメントがちょっと。この書体は南米のスクリプトの名手、Maximiliano Sprovieroの作品。このブログではもうかなりの数のスクリプトを紹介しているが、気付かずに彼の作品だったりするのが結構ある。右の作者名をクリックすれば一覧が出るので、興味のある方はドウゾ。ちなみに selfie とはいわゆる「自撮り」の事。まぁ今年流行った単語らしく、それで付けたとの事。ただいま25%オフセール中。
最近流行りのマルチスタイル…にはちと種類が足りないフォントファミリー。一応メインはサンプルイメージにある Brush という名のスクリプトのようだが、この他に傾きの違うモノラインのスクリプトが2種と、同じくモノラインの手書き感の強いサンセリフが付属する。Brush にはステムの端がくるんくるんになった Spiral というバリエーションもあり。ちなみに hoofer とは「プロのダンサー」という意味らしい。初めて聞いた。
カッパープレートスクリプト。…なのか、な? にしてはかなりダイナミックな書体である。実際、カッパープレートに使うポインテッドニブではなかなかこんな風に書けないが、レタリングならカッパープレート風味を持たせつつダイナミックに書くのは十分可能なので、デジタルならではとも言える。んーでも、ブロードニブでも角をうまく使えばヘアラインは出せるので、それかも知れない。とにかくイタリックとカッパープレートをうまく融合させたような書体である。作者はオルタネートが豊富で優秀なスクリプトをいくつも発表しており、これはそれらに比べると字種は少なめではあるが、それでもカリグラフィーの世界を楽しめる。ウェイトは2種。
日常手書き風のポインテッドニブスクリプト。線にかすかに抑揚がある程度で、ほとんどボールペンで書いたような書体である。19世紀アメリカの女流詩人、Emily Dickinson という人の筆致から起こしたものらしい。本人は自分の書いたものはすべて燃やして欲しいと遺言したそうだが、妹のLaviniaはそうしなかったそうだ(ひどい)。まぁでもそのおかげで生前無名だった彼女は有名になり、一方でこんなステキなスクリプトが出来上がったのだから、人生何が起こるか分からない(死んだ後だけど)。かなり傾斜しているものの、繊細でかわいらしいスクリプトになっている。スワッシュよりもリガチャーが大変豊富。1ウェイトのみ。33%オフセール中。
カッパープレートスクリプト。このブログではこのタイプの書体をもう何度も紹介しているが、これはこれまでのものとは少し毛色が違う。普通のカッパープレートより少し骨太という程度で、一見違いはないようには見えるが、変わってるのがスワッシュ。普通のカッパープレートのそれよりも少々勢いと太さがあり、どちらかというとブロードペンで書いたような形になっている。いわば両方のコンバインといった感じ。カリグラフィーをやってない人にはちょいーと判りづらいと思うが、筆者の目には結構新鮮。少ないながらオーナメント類があるが、ロープを模していたりコンパスがあったりと、「海」を想起させるものとなっている。3ウェイト。
ラフで勢いのあるカリグラフィックスクリプト。最近アイルランドのカリグラファー、Denis Brownさんの教材DVDを観ながらダイナミックなイタリックばかり練習していたので、こういう書体に目が行ってしまう。やってみれば判るが、こういうラフな感じでちゃんと「見られる」文字を書くのは結構難しい。この書体はよく書けてると思う。惜しむらくはオルタネートやリガチャーがない事。この作者は他にもたくさんスクリプトを発表しており、中にはそれが豊富なものもちゃんとある。これも拡張して欲しいな。ただいま10%オフ。元々安いんでね…。
やや鋭い感じのするスペンサリアンカッパープレート。ご多分に漏れずスワッシュの付いたオルタネートやリガチャーが豊富だが、変わってるのがファミリー展開。サンプルイメージにあるモノラインのスラブセリフやその近くにあるオーナメントも実はファミリーである。スクリプトだけで組むとやや華美になりすぎるきらいがあるが、このスラブセリフを組み合わせればモダンな組版ができるだろう。何より読みやすいしね(笑)。ウェイトは2種。名前は19世紀アメリカの能書家、Elmer Ward Bloserから取ったそうだ。
お気に入りなのにすっかりその存在を忘れてたスクリプト(笑)。なんというか「丸み」が強く、エレガントというよりは可愛らしい印象がある。元々あるレギュラーウェイトのAphroditeをスリムにし、グリフを増やしたものだそうで、その数は1000を超える。なかなか使い応えのある書体。何度も言うが、こういう書体はどうしてもアレコレやりたくなるが、なるべく飾りは抑え気味に。名前はギリシャ神話の愛と美の女神(ローマ神話のヴィーナスと同一視される)から。サンプルイメージがクリスマスなのはご愛嬌。I’ll be cryin’ Christmas in Summer~♪