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今より30年前の1986年の本日は、あの名作RPG『ドラゴンクエスト』が発売された日だそうだ。筆者はどこまで行っても『ファイナルファンタジー』派なのだが、まさかスクウェアとエニックスが合併することになるとは当時の筆者には思いもよらない事だった。てな事はさておき、それらのゲームに出てくるモンスターなどがアイコン化されたフォントを紹介。「紋章の」という名前が示す通り、ヨーロッパの紋章によく出てくる動物のシルエットがグリフ化されている。ライオンや鷲など実在するものと、ドラゴンやグリフォンなど想像上のものとが混在している。実際の紋章はシルエットではなく細かく描かれているので、これはそのまま使えないだろうが、まぁ雰囲気を楽しむにはいいだろう。ちなみにドラクエ30周年記念サイトが開設されている。
コントラストの非常に強いアップライトスクリプト。ブラッシュとカッパープレートの中間のような書体で、まったく傾きはない。一部の文字には結構ハデなスワッシュが付いたオルタネートがあるが、あまり種類は多くない。ヘアラインが細すぎて小さくは使えないが、Bold ウェイトがあり、こちらはヘアライン部分も太くなっているので小さく使うのに便利だろう。
みんな大好きジオメトリックサンセリフ。ちょっと変わっており、見ての通り b や u、 p など、曲線と直線がぶつかる所にキッと角が立っている。J や f はディセンダーにぐっと伸びてたりもする。全体的に若干ヒューマニスト寄りで、ジオメトリック特有の冷たい感じはだいぶ緩和されている。a は1階建て・2階建ての2種あり。字種はかなり多め。イタリックはオブリークタイプ。5ウェイト。
本日5月24日は、最近何かと朝ドラで名前が出てくる、平塚らいてうの命日である。1971年に85歳で亡くなったそうだ。らいてう=雷鳥=サンダーバード、というワケでその名を持つ書体を紹介する。サンダーバードというと例のSF人形劇が思い浮かぶだろうが、元々はアメリカインディアン(ネイティブアメリカン)の間に伝わる伝説上の大鷲の事である(だからトーテムポール)。なので日本の天然記念物のライチョウとも全然関係がない。単に名前が偶然一致しているから紹介したというだけである(笑)。結構古い書体で、20世紀前半、人形劇よりも先に作られた。その頃より少し前の19世紀後半、こういったぶっとくて目立つ書体が多数作られた時代があり、その影響があるのだろう。その頃に作られた書体やそれらを用いた組版を Victorian Typography(ヴィクトリア朝時代のタイポグラフィ)と呼び、これが人によってはかなり賛否が分かれるものとなっている。興味があれば調べてみて欲しい。これもまー読みにくいよね。使い道あるかなぁ…。
Didone なディスプレイ用モダンローマン。字形そのものはスタンダードなモダンローマンなのだが、それぞれの字のオルタネートに、ヘアラインのフローリッシュがこれでもかっていうぐらいに付いている。バリエーションも大文字は2種、小文字は5種ほど。なかなか変わった書体である。2ウェイトあるが、Bold は太いステムではなく、ヘアライン部分だけが太くなっており、小さく使うことを考慮していると思われる。ただいま30%オフセール中。
年2回発行されているタイポグラフィ専門誌の第9号。今号の特集は「美しい本と組版」。一線で活躍されているブックデザイナーへのインタビューや大手出版社の組版ルール、実践編の「組版の常識と非常識」などなど今回も文字好き垂涎の記事満載。各種和文書体の組見本帳(小冊子)が付録されている。これだけあってやっぱりお値段据え置き!
本日5月19日は「ボクシングの日」だそうである。1952年のこの日、白井義男が日本人初の世界チャンピオンになったとか。白井はフライ級だけども、ヘビー級のこの書体を紹介。スラブセリフのファットフェイス。これぐらい太いと普通はコンデンスにするものだが、細身のヘビー級などいないとでも言わんばかりにがっちりと力強い。現在では大きく使うとちとうっとうしいかもしれないが、ま、うまく使ってね。
カリグラフィーペンで書いたアップライトローマン。カリグラフィー業界(?)でいう Foundational Hand に近い書体で、Edward Johnston のそれよりはウェイトも軽く字幅もややコンデンス。全体的にややかっちりしつつも、エレガントさが漂う品格ある書体に仕上がっている。惜しむらくは字種がスタンダードで、オルタネートがまったくないのと、ファミリーもない事。大変綺麗な書体なので、できましたら拡張していただけませんでしょうか Stone 先生…。ちなみに筆者は、 Facebook にて Stone 先生に友達承認されている。へっへっへ。
新しい解釈でデザインされたヒューマニストサンセリフ。明らかにヒューマニストが原型にあるが、古い骨格をそのまま使用するのではなく、現代的なアレンジが付け加えられている。具体的には、字形が Eurostile のように全体的にやや長方形に近くなっており、カウンターはあくまで広く、可読性が良くなっている。イタリックはちょっとしたひねりのような手書き感が加えられている。字種も多く、ギリシャ文字やキリル文字もサポート。作者は同時に同じ骨格でローマンの Schuss Serif、スラブセリフの Schuss Slab、その中間のスタイル Schuss News も発表している。ただいますべて20%オフセール中。