本日は真珠記念日だそうな。ミキモトの創業者が1893年、真珠の養殖に初めて成功したとか。というワケでパールの名の入ったこちらを。古い書体のリバイバルに定評のある RMU による、18世紀バロック調のデコラティブなディスプレイ。全体的には植物的オーナメンタルな書体だが、所々に丸が入ってるのがパールっぽい…のかな? そう思って名付けたのだろう。使用の際はページ全体をこれで組むのはちと読みづらくてシンドいので、要所のみに留めた方がいいだろう。1ウェイト。
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本日は英国では Bank Holiday といって休日らしい。毎年5月と8月の最終月曜日がそうなっているそうだ(プレミアムフライデーとかやるよりこの方が良さそうな気がする)。最初は名の通り銀行だけが休む事にしてたらしいが、銀行が休むなら仕事にならんという事で他の企業も休むことにしたらしい。由来についてはググってくれたまい。でまぁ、こんなにピッタリな書体もないという事でこちらを紹介。2007年に改定された20ポンド紙幣にある書体をベースにしたブラックレター。実際のものはハデなスワッシュが付いているので、それそのままというものではない模様。ドイツのチャンセリー体と、17世紀英国のカリグラファー、John Ayres と George Bickham の筆致を参考にしたとある。1ウェイトしかないが、大文字には優雅なスワッシュオルタネートがある。可読性もよくカッパープレート風味も強いので、招待状などにも使用できるだろう。$20 と価格も安い。
久しぶりに見たような気がする、正統派カリグラフィーイタリック。3年前に紹介した Dream Script に近いだろうか。スワッシュ等も含めて教科書のお手本に出てくるような真面目な書体である。ウェイトは教科書でよく紹介されてるようなものよりはやや軽めで、傾きも弱い。特に奇をてらった所はないが、ローマンキャピタルもグリフに入っている。ファミリーは多く見えるが、実は Pro 版に入ってるグリフを Std 版に分けただけなので、Illustrator 等異体字切り替え機能を持つアプリケーションを持っている場合は Pro 版ひとつで済む。1ウェイト。ただいま25%オフセール中。
アセンダーとディセンダーが極端に長いカリグラフィックイタリック。サンプルでは文字が結構上下に伸びているが、これはオルタネートではなく、デフォルトでこんな感じの書体である(横に伸びるスワッシュはさすがにオルタネートだが)。キャップハイトもかなり大きい。傾きは弱く、アップライトに近くなっている。1ウェイトでファミリーがないが、グリフ数は1884とかなり多めで使いごたえがあるだろう。ちなみに「ファド」とはポルトガルの民族音楽の事。でも作者はロシア人。
少々ラフで男性的な雰囲気のあるカッパープレート。19世紀アメリカの方でよく見られたスクリプトを参考にしたとある。やはりスワッシュオルタネートはあるが、それよりはリガチャーがかなり豊富。3文字以上のものも多数あって、どの字形を選ぶか悩みがちな人には楽でいいだろう。1ウェイト。名前は「無知」と「不知」とかいう意味らしい。なんででしょ。ただいま50%オフセール中。
ガーリーでかなり派手な装飾の付いたカリグラフィースクリプト。見ての通りくりんくりんのスワッシュがこれでもかと入ったスクリプトで、可読性よりも装飾に重きをおいたスタイルとなっている。華やかさの演出には持ってこいだろう。字種は Pro 版で385と意外にも少ないが、これは制作年がまだ OpenType が一般的に広まる前だったからだと思われる。1ウェイト。名前はフランス語で「私の愛する人」の意。
柔らかく優雅なスクリプト。一見カッパープレートのようだが、どうも幅のごく細いブロードペンで書いてデザインされているように見える。傾きはほとんどなくアップライトに近い。スワッシュオルタネートはあるもののごくごく控えめで、ダイナミックさはあまりない。リガチャーは60種ほどとほどほど。ウェイトも1ウェイトと、とにかく全体的に「やり過ぎてない」スクリプトである。それだけに可読性もよく、シックで上品な印象がある。値段も $28 とお手頃。ただいま25%オフセール中。
本日はスコットランドの詩人、Robert Burns ロバート・バーンズの誕生日。彼が作詞した民謡 Auld Lang Syne は日本でも非常に有名で、「蛍の光」として卒業式や紅白歌合戦で歌われるなどして定着している。この日はスコットランドでは Burns supper と呼ばれ、ハギスという料理をつつきながら彼の生誕を祝うようだ。書体名の Afton とはバーンズの故郷・スコットランドのサウス・エアシャーを流れるアフトン川の事で、彼はこの川の事を Sweet Afton という詩に残しており、これに後に曲がついて Flow gently, sweet Afton (邦題「アフトン川の流れ」)という歌になっている(全部さっき調べました)。
書体は一応スクリプトと分類してあるが、活字のイタリックとしても差し支えないだろう。とても品のあるイタリックで、多少だがオルタネートもある。「メニューや賞状、詩の組版などに」オススメだそうだ。実際サンプルは Sweet Afton が組まれている。
ほとんどローマンに近い変わったスラブセリフ。説明文を読むと、1920年前後に使用されていた通称 Tory-Garamond と呼ばれていた書体を元にデザインしたそうで、ブラケットのない太めの直線的なセリフは確かにスラブセリフだが、プロポーションは Garamond の名が示す通り大変クラシックで、本文用としてまったく問題ないものとなっている。特徴的なのがイタリックで、あくまで活字なのだが手書き感が強く残っており、非常に魅力的。オルタネートやリガチャーも豊富で、スクリプトの代わりに十分使える。実は筆者は作者の Xavier Dupré の密かなファン。常に筆者のツボを的確に付いてくる書体を作る作家さんである。’77年生まれって俺より若いんだなぁ…脱帽。
カリグラフィーで使うブロードペンで書いたローマン。レタリングではなく、ほぼペンで一発で書いていると思われる(フォント化にあたって多分修正はしているだろうが)。カリグラファーならば結構簡単に再現できるだろう。筆者は割と自信がある(笑)。アップライト、イタリック共にちょっとしたスワッシュオルタネートがある。イタリックの方はだいぶカリグラフィー寄りになっているが、コネクションは取らず、あくまで活字っぽくしている。オプティカルファミリーで、レギュラーと Caption、Display、SubHead がそれぞれ5ウェイトあって、それとは別に Poster という極細のものが1つある。優雅さを保ちながらも、普通のカリグラフィー書体より可読性がかなり良くなっているので、色々使い勝手の良い書体となっている。ただいま30%オフセール中。でも $1,000 超えるけどね…。