新しい解釈でデザインされたヒューマニストサンセリフ。明らかにヒューマニストが原型にあるが、古い骨格をそのまま使用するのではなく、現代的なアレンジが付け加えられている。具体的には、字形が Eurostile のように全体的にやや長方形に近くなっており、カウンターはあくまで広く、可読性が良くなっている。イタリックはちょっとしたひねりのような手書き感が加えられている。字種も多く、ギリシャ文字やキリル文字もサポート。作者は同時に同じ骨格でローマンの Schuss Serif、スラブセリフの Schuss Slab、その中間のスタイル Schuss News も発表している。ただいますべて20%オフセール中。
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本日5月13日は「カクテルの日」。カクテルと言えばこれ、マティーニの名を持つ書体を紹介する。その名も CocktailDay.com によれば、1806年に世界で初めてアメリカの新聞でカクテルが紹介された日だそうで。王様と呼ばれ、シャープさがウリのこのカクテルには似つかわしくないずんぐりとしたスラブセリフなのがとても残念。なので書体の紹介は早々に切り上げ(笑)、カクテルについて。
カクテルは大きく分けてショートとロングがあり、見た目の違いは氷が入っているか否か。ショートは氷なしで温くなるのが早いので、3口で飲めと言われることからショートと呼ばれる。三角のいわゆるカクテルグラスに入っている事が多く、アルコールも強いものが多い。マティーニはショートの代表格で、みんな知ってて一度は頼むが、強くて飲めない人が多数続出という(笑)ハードルの高いカクテルである。日本ではジンベースでステアがスタンダードレシピだが、海外ではウォッカベースでシェイクが普通らしい。なんでこんな違いが出たかは不明。
バーは誰でも最初は緊張するし、カクテルも知らないので何を頼んでいいか判らない事が多いが、「フルーツを使った甘くて軽めの」「炭酸でスッキリした」「ガツンと強い」みたいな頼み方でいい。バーテンダーはそれぞれの好みに合ったカクテルを作ってくれる。必ずカクテル名も教えてくれるので、気に入ったのがあれば覚えておけばどこへ行ってもそれを頼む事ができる。ジュースや炭酸だけを混ぜるノンアルコールのカクテルもたくさんあるので、酒が飲めなくても安心だ。本日は金曜だし、バーに行ったことがない人はデビューしてみてはいかが。って酒が飲めない筆者が言うのもなんですが(笑)。
太めでコンデンスながら可読性が良いスラブセリフ。これぐらい太いと通常カウンターが潰れたり字形がぼやけたりするものだが、どうしてどうして結構読める。圧が強いので、ドリンク剤とかスポーツ、あとは軍関係(ここは日本です)などで重宝するだろう。残念ながらイタリックはなし。3ウェイト。ただいま46%オフというハンパなセール中。
柔らかい雰囲気を持ちながらかっちりした字形で読みやすいスクリプト。平筆のスクリプトがベースになっているが、スワッシュ等はごくごく控えめ、太くて可読性はすこぶる良好。優雅さと読みやすさ、そして強さを非常にバランスよく兼ね備えており、アイス等のパッケージでの利用を想定していると思われる。目立ちながらも美味しそうな雰囲気を持たせることができるだろう。大変オススメな書体。沖縄はもう梅雨を通り越してセミが鳴きそうな陽気である。あーアイス食べたい。
ナチュラルで当たり前で非常に読みやすいサンセリフ。字間がやや広めといった以外にこれといったクセがなく、目にすっと入ってくる優しい書体である。8ウェイトあり、レギュラー幅の他細いのが2種。Narrow と Condensed にはイタリックはなく、ウェイトも7つとちょっと減っているが、そんなに困らないであろう。字種はヨーロッパ全言語をカバーし、なおかつキリル文字もサポート。名前は「仲介者」の意。ただいま70%オフセール中。
可読性の良い明るいヒューマニストサンセリフ。和文で言う「新ゴ」のように全体的にカウンターをかなり大きめに取ってあり、ストロークは普通のサンセリフに比べてコントラストが強め。字種が大変多く、普通のアクセント記号はもちろん、記号が2つ付いている他では見ないものもある。これなんの言語で使うんやろ…。とてもユニークな字形のオルタネートやリガチャーも多く、キリル文字もサポート。7ウェイト。ただいま50%オフセール中。
最近やたら Monotype が推してくるサンセリフ。いわゆるネオグロテスク系の何の変哲もないサンセリフで、1926年に Frank Hinman Pierpont という人がデザインしたものを、4年がかりでデジタライズしたものだそうである。もちろんそのままトレースしたわけではなく、字種は大幅に増えている。字幅にもレギュラー以外に3種、それぞれ7ウェイトで56種と大ファミリーである。正直目新しさはない(なにしろクラシックなので)が、それだけに何にでも使える普遍的な書体である。ただいま全ファミリーパックで $199 セール中。が、月額 $14.99 の Monotype サブスクリプションでも利用可能なので、そちらがいいかもね。
どれだけ削っても削りカスが途切れない、高性能な鉛筆削り「だけ」を作っているという中島重久堂のWebサイトで見出しに使われていてキレイだったので紹介する。スラブセリフとしては珍しく本文用に設計されており、伝統的なローマンの骨格を持っている他、サイズによって視覚的調整がなされたオプティカルファミリーであり、通常の本文用と、キャプション用(Caption)、見出し用(Display)、小見出し用(SubHead)がある。Adobe CC に入っていればインストールされる…のかな。筆者のPCには入っており、また Adobe Typekit でも配布されているので購入の必要はないかも。作者の Twombly は Adobe にてその才能を遺憾なく発揮しており、他に Adobe Caslon や Trajan、Myriad、Lithos などもデザインしている。
柔らかい印象のサンセリフ。水平・垂直のバーやステム以外の線はすべてカーブしており、にゅよっとしたオーガニックなラインとなっている。加えてすべての角が落とされて丸くなっており、目に優しい。可読性もよく、日本で言う丸ゴシックに近い雰囲気を持っており、食品パッケージや子供向け商品などに重宝すると思われる。字種もかなり豊富で、a や g は1階建て・2階建て両方のグリフがあり、ウェイトも8つと大ファミリー。なのに全部で$150と大変リーズナブルな上、ただいま70%オフとかなりお買い得。
スタンダードな正統派ローマン。ベルギーはアントワープにある、プランタン=モレトゥス博物館に眠っていた Robert Granjon(16世紀のパンチカッター)の校正刷りから起こした書体だそうで、その「プランタン」の名が付けられた。ややエクステンド気味でアセンダーやディセンダーは短く、結構ずんぐりしたシルエットである。イタリックは古い書体によく見られるように、カリグラフィック風味が強くエレガント。ベルギー、ね。ワッフルおいしいし、ピエール・マルコリーニとか素晴らしいショコラティエもあるし、ビールはものすごい種類があることが有名だ。フランボワーズ、桃、カシス、オレンジ等々いろいろフルーツを漬け込んだ(あるいはシロップを足した)ものがあり、中でもクリーク(さくらんぼ)を漬け込んだヤツは筆者お気に入り。負けるなベルギー。