本年最後の投稿。という事で「第九」の名を持つ書体を紹介(笑)。Nimbus という名で、ローマン以外にもサンセリフやモノスペースの書体が展開されているのだが、これは Roman No 9 という書体で、普通の Roman よりウェイトが若干軽く、またファミリー展開が豊富になっている。Time Roman に近い印象の、古いタイプのスタンダードなトランジショナルローマン。イタリックの小文字がアップライトより若干ウェイトが軽めになっていたりするのが、なんか通好み。コンデンスタイプもあり。それでは皆様、良いお年をば。よ~ろ~こ~び~の~うた~♪
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おもしろいグリフを多数持つジオメトリックサンセリフ。a と g に1階建て・2階建ての両方を持ち、一見可読性の良いジオメトリックだが、オルタネートが非常に豊富。バーのない A やエキスパンデッドな B、D、E(ほかにもいっぱい)、多数のリガチャーなどがあり、ディスプレイとしても重宝する。変わった所で、R のボウルが開いたものと閉じたものが用意されている。これ両方ある書体ってなかなかないんじゃなかろうか。数字も各種あり、あとギリシャ産らしくギリシャ文字の他、キリル文字もサポートしている。さらには9ウェイトとビッグファミリーである。75ページもあるPDFカタログも配布中。
すっきりして読みやすいジオメトリックサンセリフ。「1920年代ドイツのジオメトリック」にインスパイアされたとある(笑)。なぜ素直に名前を記さないのかよく判らないが、まぁ Futura だろうねとは言わないお約束(言ってるがな)。x-ハイトを大きく、アセンダーとディセンダーを小さくして可読性を良くしたとある。確かになんだか読みやすく、ジオメトリックにしてはサインとかに使っても問題なさそうな感じである。この微妙な差って何なんだろうか。この僅かな差に掛けた労力というのは多分相当なものだと思う(下町ロケット観てる?)。字種も大変豊富で、とても素晴らしい仕上がりである。オマケに10ウェイトもありながら全部セットでも$99と大変お買い得。筆者オススメの書体。
現代に制作されたヒューマニストサンセリフの中でも1、2位を争う傑作書体。FontShop というフォントレーベルの創始者である Erik Spiekermann 本人によって制作された。クセのない非常に読みやすい書体で、単語の長くなりがちなドイツ語ベースだからだろうか、ノーマル幅でもややコンデンス気味である。代わりに字間は少し広めに取られてるだろうか。ノーマル幅とコンデンスの2種の字幅があり、それぞれに7ウェイトずつ。ちなみに Spiekermann 本人は現在 FontShop には携わっておらず、デジタルからも離れ、 P98a という活版印刷工房を開いている。
使いやすいジオメトリックサンセリフ。あんまり幾何学的に寄り過ぎず、文字としての体裁がよく保たれており、長文の組版に十分耐えうる。Pro 版は字種も豊富で、役物はスモールキャップス用?と思われる小さなものや位置を若干下げたようなものも多数ある。とにかく組版に困ることはないだろう。6ウェイト。
名前の通り、あちこちカットされているディスプレイ。元々はローマンのようだが、セリフ部分を所々スパっと切り落としている。C や S など、セリフとステムがハッキリ分かれていないようなのは、ストロークの一部が結構大胆に切り落とされている。見た目に中々おもしろい。ファミリー展開がちゃんとしており、イタリックもあって4ウェイトある。しかもギリシャ文字とキリル文字もサポート。本文用としても使えそうだが、可読性的にどうかな…。偶然だが、2回続けて URW++ の書体になっちゃった。
コリッとしたヒューマニストサンセリフ。ステムの太細がほとんど差がなく人工的な感じがするが、骨格はヒューマニストで手書きの要素があり、その中間的な雰囲気があっておもしろい書体。所々ステムがポキっと折れるようなストロークがあるところもアクセントになっている。字間は広めで明るい印象。字種は非常に豊富で、組版に困ることはないだろう。7ウェイト。カタログのPDFも配布されている。ただいま50%オフセール中。一目見て気に入った書体。オススメ。
ボテッとした大きめのセリフが付いたローマン。本文用で字種が非常に豊富。イタリックはボウルとステムが離れ気味で、カリグラフィックな要素が強い。AタイプとBタイプがあり、サンプルにあるようにBの方がほんのちょびっとだけアセンダーやディセンダーが小さい。それぞれに Small, Text, Title, Display と4種類あり、Small が一番コントラストが弱めで小さいサイズに向いており、Display が一番コントラストが強くて大きなサイズに向いている。またそれぞれに4ウェイトずつあり、計64種の大ファミリーとなっている。でもAとB分ける必要…まぁいいか。
カッパープレート風味のあるローマン。アメリカのグラフィックデザイナー、ハーブ・ルバリンのスタイルに範をとったらしい。幅広で平べったく President などのような雰囲気があるが、こちらはずっとコントラストが強くてトランジショナルスタイルとなっている。x-ハイトはかなり大きいが、その分アセンダーとディセンダーは短い。レギュラーのスタイルが幅広だが、少し幅を縮めた Demi とさらに縮めた Slim があり、Demi が通常の幅に近いと思う。これらに加え小文字もあるので、カッパープレートだけで名刺を組む時に困るメールアドレスや URL なども組みやすくなるだろう。ウェイトはそれぞれ No.1 から No.5 まで5ウェイト。イタリックもあり。さらにモダンローマンタイプの Lust Didone も別にある。ただいま50%オフセール中。
スタンダードな本文用トランジショナルローマン。元は活字で古い書体だが、x-ハイトが大きくアセンダー・ディセンダー共に小さい、という最近の書体に多い特徴を持っている。長い文章を読みやすくするための工夫だろう。イタリックはなんかギリっとした堅く鋭い雰囲気がある。確か当時、ダンテ全集を出版する際に作られたとかなんとかいうのをどこかで読んだ気がするが、ちょっとソースが探せない。間違ってたらスンマセン。6ウェイト。2013年には Dante eText というパソコンのディスプレイでの表示に最適化されたバージョンも発表された。こちらは2ウェイト。