Monotype

Search Results

Ondine

Ondine

なんか年末感のある書体をと思ったが、欧米にとっちゃ年末とはクリスマスであり、それ以外には特にあるワケもないので(笑)、なんか王道感のあるものを紹介しようとしてこれに行き着いた。御大 Adrian Frutiger によるスクリプト。2~3世紀頃に使用されていた Uncial という書体がベースになっていて、一見カジュアルに見えるが、歴史の重みを感じる風格のある書体である。1954年とあるから、Frutiger 26 歳頃の作品だろうか。元はフランスにあった Deberny et Peignot という活字鋳造所から活字で販売されていた書体をデジタル化したもの。

さて、このブログの今年の更新はこれで終了である。数少ない(笑)読者の皆様、ありがとうございました。来年もほそぼそと続けていきますので、よろしくお願いいたします。皆様良いお年を。

Category(s)
Design Date
1954
Designer(s)
Publisher

Goldenbook

Goldenbook

アール・デコ調のローマン。1920年代にアメリカで発行されていた文芸誌、The Golden Book という雑誌のロゴにインスパイアされたものらしい。どことなく品があり、カッパープレート風味もあるので、社交用にいいんじゃなかろうか。オルタネートやリガチャーはないが、数字にライニングとオールドスタイルがある。3ウェイト。
※現在販売されていないが、Adobe Fonts で利用可能。

Category(s)
Design Date
2003
Designer(s)
Publisher

Marcus

Marcus

本日天皇誕生日、英語だと The Emperor’s Birthday らしいので、エンペラーにまつわる書体を。ローマ帝国五賢帝の一人に数えられる、トラヤヌス帝のファーストネームを冠するディスプレイローマン。洋書のタイポグラフィの教科書を開けば、まず最初にこのトラヤヌスの時代に建てられたダキア戦争の戦勝記念柱に刻まれた碑文が登場する。なぜなら、ここに刻まれた書体がすべてのローマン体大文字の基礎となっているからである(実際はこれに匹敵する美しさを持つ碑文は他にもたくさんあるようだが、これが一番使われている字種が多いそうである)。これを参考に作られた書体で代表的なものが Trajan なのだが、これは Adobe 製品を購入すれば自動的に付いてくるのであまり紹介する意味がない。なのでちょっと変わったこの書体を紹介する。碑文の書体はもちろん「のみ」で刻まれたものだが、下書きは平筆でもってされていたとされており、現在カリグラフィーでも最高難度の書体として受け継がれている(ちなみに筆者は2年以上練習してるがまだマトモに書けない)。この平筆で書いた感じをそのまま残した書体である。以前もこのテの書体で Stevens Titling とか紹介したことがあるが、こちらは通常はない小文字が付いている。大文字のプロポーションは大変美しく、小文字もそのテイストをキレイに受け継いでいる。リガチャーも色々あっておもしろい。スモールキャップスもあり。フォーマルな用途に。

Category(s)
Design Date
2012
Designer(s)
Publisher

TYPOGRAPHY 06

グラフィック社編集部 / グラフィック社 / 2014年
TYPOGRAPHY 06

年2回発行されているタイポグラフィ専門誌の第6号。今回はTypecacheによる最近の欧文書体カタログ的な特集。紹介されてる書体はこのブログとはほとんどカブってない(笑)ので買って損はなし。ほか、今年GoogleとAdobeから発表された話題の書体、Source Han Sansの記事など。毎号思うんだが、読者プレゼントって応募していいのかな。編集者は知らない方でもないので、ちょっと躊躇する(笑)。

PF Hellenica Pro

PF Hellenica Pro

ホントは同じファウンダリーの別のフォントを紹介しようと思ったが、同社のサイトにしかなく、紹介しづらいのでこちらを紹介(笑)。紀元前の古いギリシャの粘土板などからヒントを得て制作された書体。素朴で不揃いな形がユニークでおもしろい。小文字はないが、当時は大文字・小文字という区別はない、というか、そもそも別々の書体だった。大文字は大文字だけ、小文字は小文字だけで使っていたもんである。彫って書くかペンで書くかの違いであり、それぞれで書きやすい書体を使っていたのだが、混ぜて使い出したのは15世紀、活版印刷ができてから。似たような書体にSophiaやMacにも入っているHerculanumなどがあるが、これらにも小文字はない。話は逸れたが、このParachuteというファウンダリーは知らなかった。経済の問題ばかりがクローズアップされるギリシャにこんな素晴らしいファウンダリーがあったとは驚き(笑)。サイトもカッコイイ。

Category(s)
Design Date
2002
Designer(s)
Publisher
ITC Founder’s Caslon

本日はアメリカ独立記念日。いわゆるインデペンデンス・デイである。ウィル・スミスがトミー・リー・ジョーンズと宇宙人退治をした…あれ? どっちだっけ。まぁいいや。誰でも知ってる書体・Caslonはその汎用性からそりゃもお様々な文書に使われ、アメリカの独立宣言書もこれで組まれたとか組まれてないとか。そんなワケでCaslonを紹介したいと思う。Adobe製品をインストールすれば自動的に入ってくるAdobe Caslonが一番一般的だが、それを紹介してもおもしろくもなんともないので、18世紀当時の見本から印刷のかすれなどもそのままに再現したこの書体を紹介する。活字は、同じ書体でもサイズによって微妙にデザインが違っているのが普通で、このファミリーは12、30、42、96ptの4種類を見本に制作されている。96pt相当の ‘Poster’ を除いた3つについてはイタリックはあるが、当時はウェイトというものがなかったので、ボールド等はない。数字もオールドスタイルのみ。代わりと言っちゃなんだが、オーナメント類は揃っている。このかすれた書体を観ながら、歴史に思いを馳せるのもよろしいんじゃなかろうか。

Category(s)
Design Date
1998
Publisher
ITC

Essay Text

Essay Text

本文用ローマン。ルネッサンス期の活字を参考にデザインしているとあるクラシックでエレガントな書体。なんか太さが不安定なステムで、活版印刷でのかすれを再現している…のかな。アップライトは注意しないと判らない程度に右に傾いている。イタリックはそれよりもさらにちょっとだけ右に傾いていて、大文字だけだと違いが分かりにくいほどだが、小文字にはちゃんと手書き感が出ている。ウェイトのバリエーションはないが、字種が大変豊富でオーナメント類もちょろっとある。非常に筆者好みの書体ではあるが、多分これを使うような仕事はない(涙)。

※なんとAdobe Typekitで使えることが判明。Creative Cloudをご利用の方は要チェケラ。

Category(s)
Design Date
2014
Designer(s)
Publisher

Waters Titling

Waters Titling

昨日の記事で名前が出たのでついでに紹介。こちらはJulian Watersという人が書いた文字を自らがフォント化したもの。彼はかのヘルマン・ツァップに学んだという。Stevens Titlingに比べ、やや刺々しい印象。こちらはリガチャーが豊富で、「the」や「from」などの頻出する単語のグリフがいくつかある。ウェイトが4種ある他、字幅のバリエーションも3種。有名な女性カリグラファーにSheila Watersという人がいるけど、お身内かなぁ。この人の著書のタイトルもこの書体っぽいし。

Category(s)
Design Date
1997–2002
Designer(s)
Publisher

Bickham Script Pro

Bickham Script Pro

なんか飽きたので(笑)スクリプトを紹介。発表から10年以上経っており、メジャーどころから販売されてることもあって、カッパープレート系ではSnell RoundhandやShelleyなどと並んでもう結構定番なんじゃなかろーかと思うスクリプトのひとつ。若干太めでしっかりしており、字種が豊富で、優雅なスワッシュを持ったオルタネートが多い。Wedding Invitationsという本に掲載されていた作例で一目惚れした、お気に入りのスクリプト。オススメです。

Category(s)
Design Date
1997–2004
Designer(s)
Publisher

Cinzel

Cinzel

本ブログのロゴに使用している書体。Trajanと同じく、古いローマの碑文を元にデザインされた堂々とした美しいローマン。Trajanよりは手描き感が薄く、やや人工的。3ウェイトあり、ファミリーとしてややデコラティブなバージョンもある。元々Google FontでWebフォントとして自由に使用できるものだが、ダウンロードしてグラフィックにも使用できるようになっている。商用利用も無償。Adobeのソフトを買うとTrajanが付いてくるのでいらないとか思うかもしれないが、目先を変えてみるのもいいと思う。デキに関してはTrajanにも引けをとらない。名前はポルトガル語で工具の鑿(のみ)の意。

Category(s)
Design Date
2012
Designer(s)
Publisher
海外サイトでの欧文フォント(英語フォント)の購入方法
海外サイトでの欧文フォント(英語フォント)の購入方法 購入方法を note で解説しています。英語でもだいじょうぶ!
シンプルモダンでおしゃれな欧文ロゴをデザインします

シンプルモダンでおしゃれな欧文ロゴをデザインします

feoh design

シンプルモダンでおしゃれな欧文ロゴをデザインします

筆記体でおしゃれなサイン風英文ロゴをデザインします

feoh design