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Plantin

Plantin

スタンダードな正統派ローマン。ベルギーはアントワープにある、プランタン=モレトゥス博物館に眠っていた Robert Granjon(16世紀のパンチカッター)の校正刷りから起こした書体だそうで、その「プランタン」の名が付けられた。ややエクステンド気味でアセンダーやディセンダーは短く、結構ずんぐりしたシルエットである。イタリックは古い書体によく見られるように、カリグラフィック風味が強くエレガント。ベルギー、ね。ワッフルおいしいし、ピエール・マルコリーニとか素晴らしいショコラティエもあるし、ビールはものすごい種類があることが有名だ。フランボワーズ、桃、カシス、オレンジ等々いろいろフルーツを漬け込んだ(あるいはシロップを足した)ものがあり、中でもクリーク(さくらんぼ)を漬け込んだヤツは筆者お気に入り。負けるなベルギー。

Category(s)
Design Date
1913
Publisher
ITC Avant Garde Gothic

Futura と並び非常に有名なジオメトリックサンセリフ。アメリカのグラフィックデザイナー、Herb Lubalin が1968年に Avant Garde(アバンギャルド)という雑誌を立ち上げた際に制作されたもの。元々は画像のように手描きのレタリングで非常に個性的な組み方をしていたのだが、従来のフォント技術ではこれが難しく、普通のジオメトリックとしてしか存在していなかった。近年の OpenType 化により多数のオルタネートが扱えるようになり、この組み方が再現できるようになっている。Std 版と Pro 版があり、Pro 版のリガチャーの数はハンパではない。いろいろと組版を楽しんで欲しい。コンデンスタイプもあり。5ウェイト。

 

Category(s)
Design Date
1970–7
Publisher
ITC

FF Meta

FF Meta

現代に制作されたヒューマニストサンセリフの中でも1、2位を争う傑作書体。FontShop というフォントレーベルの創始者である Erik Spiekermann 本人によって制作された。クセのない非常に読みやすい書体で、単語の長くなりがちなドイツ語ベースだからだろうか、ノーマル幅でもややコンデンス気味である。代わりに字間は少し広めに取られてるだろうか。ノーマル幅とコンデンスの2種の字幅があり、それぞれに7ウェイトずつ。ちなみに Spiekermann 本人は現在 FontShop には携わっておらず、デジタルからも離れ、 P98a という活版印刷工房を開いている。

Category(s)
Design Date
1991
Designer(s)
Publisher

Big Caslon CC

Big Caslon CC

本日J-Waveが007特集で、それ関連の重た~い音楽ばっかり流れてるので、それに似合う(と個人的に思う)書体を紹介。有名定番本文用書体・Caslon のディスプレイ特化版。コントラストが強く、雰囲気的にはモダンローマンに近い。どっしりとしていながらラグジュアリー感もあり、真っ黒で使うとタキシードでキメた英国紳士のような雰囲気がある(強引か?)。Mac にも標準搭載されてるが Medium ウェイトしかなく、こちらの版では3ウェイトあり、イタリックまである。…実を言うと筆者は007を一本も観たことがない(笑)。わははは。
※2025年現在 Adobe Fonts でも利用可能

Category(s)
Design Date
1994

Dante

Dante

スタンダードな本文用トランジショナルローマン。元は活字で古い書体だが、x-ハイトが大きくアセンダー・ディセンダー共に小さい、という最近の書体に多い特徴を持っている。長い文章を読みやすくするための工夫だろう。イタリックはなんかギリっとした堅く鋭い雰囲気がある。確か当時、ダンテ全集を出版する際に作られたとかなんとかいうのをどこかで読んだ気がするが、ちょっとソースが探せない。間違ってたらスンマセン。6ウェイト。2013年には Dante eText というパソコンのディスプレイでの表示に最適化されたバージョンも発表された。こちらは2ウェイト。

Category(s)
Design Date
1957
Designer(s)
Publisher

Joanna Sans Nova

Joanna Sans Nova

英国のタイプデザイナー、Eric Gill (1882–1940) がデザインした書体のサンセリフ版。元は Joanna というローマン書体だが、それのサンセリフ版である。Gill らしい碑文のプロポーションを持ったヒューマニスト。オリジナルよりx-ハイトが大きくなり、可読性が良くなった。リニューアルにあたり字種が大幅に増え、中央ヨーロッパは元よりギリシャ文字やキリル文字もサポートするようになった。もちろん元の Joanna も Joanna Nova としてリニューアルしている。8ウェイト。ただいま全ファミリーパックで $99 セール中。

Category(s)
Design Date
2015
Publisher

Proxima Nova

Proxima Nova

今日現在 MyFonts のベストセラー第1位の書体。かなりジオメトリック寄りなサンセリフだが、コロコロしすぎず読みやすくなっている。字種やファミリーも豊富で、キリル文字もサポートしている。a が結構特徴的。実は Adobe の Typekit でも配布されており、しかもほぼ全ファミリーが同期して使えるので、Creative Cloud に加入していれば購入の必要はない。そこの CC なあなた、あなたはすでにこの人気書体を持っている。さぁ、すぐに Helvetica を捨てよう(いや捨てんでも…)。ちなみにベストセラー2位は Helvetica なのだけど(笑)。

Category(s)
Design Date
2005
Designer(s)
ITC Berkeley Old Style

最近購入した A Guy’s Guide to Shoes という靴の本の本文がこの書体で美しかったので紹介する。Goudy らしいちょっと変わったオールドスタイルローマン。元はカリフォルニア大学バークレー校(UCB)のためにデザインされた California Old Style という書体だそうで、それを1983年にリファインしたものらしい。欧米ではこのように大学で書体を制作することがあるようで、最近では Matthew Carter さんがデザインしたイェール大学の Yale がある。Yale は残念ながらイェール大学関係者しか使えないようだが、この Berkeley は一般販売されている。大きく使って品が良く、小さく使って読みやすい。この書体の存在はもちろん知っていたが、こんなにいいものだとは思わなかった。長く残る書体というのはやはりそれなりの良さがあるなぁと思った次第。ちなみにアメリカ最高の巨匠と言われる Goudy が書体制作を始めたのは、40歳を過ぎてからだそうである。人間いくつになってからでも挑戦できるね。

KIMG0081
Category(s)
Design Date
1983
Publisher
ITC
Alternate Gothic Pro EF

超絶有名なディスプレイサンセリフ。紹介するつもりもなかったがちょうど目に入ったので紹介する(笑)。もう100年以上も前にデザインされた書体だが、このコンデンスでぶっといサンセリフは非常に有名で、黒々としてインパクトも強いため現在でもあちこちでお目にかかる。字幅により No.1, 2, 3 とあり、No.3 が一番字幅が広い。あちこちから販売されているが、今回はサンプルイメージがあった(笑)Elsner+Flake 版を紹介する。
実はこの書体、日本で「サンセリフ」にあたる書体が「ゴシック」と呼ばれるようになってしまった原因とする説がある。「ゴシック(=ブラックレター)の代用品」という名前なのに、それを解らない日本人が勘違いしてこのタイプ(サンセリフ)の書体を「ゴシック」と呼ぶようになってしまった、というのだが、どうもこの書体の登場以前から日本では「ゴシック」という呼び方があったようなので、現在では否定されている模様。興味があったら調べて欲しい。ここではこれぐらいにとどめておく。君子危うきに近寄らず…。

Category(s)
Design Date
1903
Designer(s)
Publisher

Univers Next

Univers Next

9月12日、タイプデザイン界の巨匠、Adrian Frutiger アドリアン・フルティガー氏が亡くなられた。享年87。6月に Hermann Zapf ヘルマン・ツァップ氏が亡くなられてから3ヶ月、今年は2大巨頭が相次いで亡くなられるという忘れられない年となった。
フルティガー氏は数多くの書体をデザインされたが、もっとも有名なのはこの Univers だろう。この書体は皆さんご存知の通り、初めてナンバーシステムが導入された(*)書体である。55というのをレギュラー・アップライトとし、10の位をウェイト、1の位の奇数が字幅、偶数をそのイタリックとしてシステム的に体系化してファミリー展開を行った。2010年に改定されたこの Univers Next では数字が3桁になり、100の位がウェイト、10の位が字幅、1の位の0がアップライト、1がイタリックとなっている。ファミリーも71と増えており、他、セリフの付いたモノスペース版の Typewriter とアラビア文字バージョンも作られている。フルティガー氏は亡くなられたが、氏の書体は今も世界中で使われており、その内のいくつかはまた改定されてファミリーを増やすかもしれない。氏が生み出したその宇宙(Univers)はまだまだ限りなく広がり続けていくだろう。今頃はツァップ氏と何を語り合っておられるだろうか。それを想像すると何となく微笑ましく感じさえする。ご冥福をお祈りいたします。

*ナンバーシステムはこれが初ではないという指摘をいただいたので訂正します。

Category(s)
Design Date
2010
Publisher
海外サイトでの欧文フォント(英語フォント)の購入方法
海外サイトでの欧文フォント(英語フォント)の購入方法 購入方法を note で解説しています。英語でもだいじょうぶ!
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