本日は数字並びでかなり多くのなんとかの日が制定されてるが、まぁどれも商業的でどうでもいいので無視する。とゆーワケで全然関係ないこちらを。ローマンキャピタル系のサンセリフ。Trajan Sans などと比べると抑揚が弱くプロポーションもあまりかっちりしていなくて、若干カジュアルかなという感じ。字種はスタンダードでやはり小文字はないが、キリル文字がサポートされている。2ウェイトあって、Bold は Regular に比べ結構太め。
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ローマンキャピタル系ローマン。平筆を使い、カリグラフィーの手法で書かれデザインされた模様。通常この手の書体は小文字はないが、これにはある。またこれも普通は多めに用意されてるオルタネートも、K や R にあるだけで全然ない。代わりと言ってはなんだがファミリー展開が豊富で、イタリックは当然のことながら、ノーマル幅の他 Ext と Cond があり、またそれぞれに9ウェイトもあって、合計54種となっている。ただいま80%オフとかなり安くなっているほか、ノーマル幅のアップライト Regular だけ無料である。
ローマンキャピタルベースのフレアセリフ。紀元前15世紀頃のポンペイの碑文を参考に制作したそうな。こういう書体は小文字は省かれがちだがちゃんとあり、こちらはヒューマニストをベースにした模様。x-ハイトが大きめで字間は結構広め。字種は割と多めで、スモールキャップスと、数字はライニングとオールドスタイルが用意され、リガチャーもあまり見ない組み合わせが少し。ウェイトも7つと豊富。イタリックもあり。名前はアルゼンチンのグラフィックデザイナー、Roberto Rollie(2003年没)から取ったらしい。検索したけど探せなかった。有名?
可読性の良いブラックレター。なんでも日本ではあまり有名ではないゲームの世界観にインスパイアされたものらしく、「未来のブラックレター」をイメージして制作したそうな。曲線もなく装飾を極力排除しながらも、ブラックレターの雰囲気はよく保たれている。大文字は縦のステムが二重になったオルタネートがあり、そこにまぁちょっと装飾を残したかなという感じ。普通のブラックレターに比べ格段に読みやすいので、この辺の雰囲気は出したいけど読めないのは困る、という時に重宝するだろう。名前のヴァルナはブルガリアの都市の名前で、そのゲームのアートディレクター・Viktor Antonov の出身地だそうである。2ウェイト。
本日は William Morris の誕生日(1834–96)。毎年やってるとさすがにネタがないかと思ったが、まだあったので紹介する(笑)。Kelmscott Press でモリスがデザインして使用した書体をフォント化したもの。ゴシックローマンの Golden の方はアウトラインをラフにし、活版印刷の雰囲気をそのまま映し出しているのに対し、ロタンダ風味の Troy のアウトラインはスムースになっている。ほか、イルミネイテッドイニシャルが入った Ornaments がファミリーにあり。
本日は St. Patrick’s Day。毎年説明してるが、アイルランドの守護聖人・聖パトリックの命日にとんちき騒ぎをするという変わった日である。日本でも徐々に広まりつつあり、都内では今週末ちょいちょいイベントがある模様。詳しくはアイルランド音楽家協会のサイトを参照して欲しい。
てな事は置いといて書体の紹介。7世紀頃からアイルランドで使われだした Insular Majuscule という書体を現代風にアレンジしたもの。元はカリグライフィーペンで書かれており抑揚があるが、こちらは字形はほぼそのままにモノラインのサンセリフとなっており、扱いやすく読みやすくなっている。ちょっと変わった可愛らしいサンセリフ、ぐらいの感じで使えるんじゃなかろうか。3ウェイト。
コントラストの弱い本文用正統派オールドスタイルローマン。一見普通なのだが、拡大してみると細部にまで手を抜かずどこかしら手が入っており、単純な線がどこにもない。ボウルは繋がってない所が多い。イタリックはだいぶルネッサンス期っぽくなっており、d などは古いスクリプトの形をしている。字種は豊富で、ヨーロッパ各国をフォローしている他、オーナメント類も少々入っている。2ウェイトしかないが、とにかくとてもデザイン的に安心する書体である。Typekit に入っているので、Adobe CC な人は購入の必要なし。名前は「カササギ」という小鳥の事で、そのグリフが入っている。
カリグラフィックなローマンディスプレイ。ローマンキャピタルがベースになっていると思うが、ブロードペンで書いたように手書きのニュアンスが若干残っており、さらにはインラインとなって、荘厳さとラグジュアリー感を併せ持った書体である。元は20世紀前半にドイツで活躍した Herbert Thannhaeuser のデザインした書体をリファインしてデジタル化したものだそう。名前の Missale とはラテン語で「典礼」の事だそうで、詳しくは知らないがカトリックでミサを取り仕切る役の事だそう。古い装飾写本の典礼書から起こした書体である模様。Incana は調べた所、イエメンのソコトラ島に分布するソコトラムシクイという鳥の学名らしい。グリフに鳥のアイコンが入っているのはそういう事みたい。ソコトラ島というのは初めて知ったが、なかなか独特な生態系を持っていて世界遺産になってるらしい。おもしろそう。
ほとんどローマンに近い変わったスラブセリフ。説明文を読むと、1920年前後に使用されていた通称 Tory-Garamond と呼ばれていた書体を元にデザインしたそうで、ブラケットのない太めの直線的なセリフは確かにスラブセリフだが、プロポーションは Garamond の名が示す通り大変クラシックで、本文用としてまったく問題ないものとなっている。特徴的なのがイタリックで、あくまで活字なのだが手書き感が強く残っており、非常に魅力的。オルタネートやリガチャーも豊富で、スクリプトの代わりに十分使える。実は筆者は作者の Xavier Dupré の密かなファン。常に筆者のツボを的確に付いてくる書体を作る作家さんである。’77年生まれって俺より若いんだなぁ…脱帽。
非常にクラシカルな雰囲気を持つヴェネチアン。小さなx-ハイトとコントラストの弱いシルエット、e の斜めのバーなどヴェネチアンのお約束を供えた書体で、手書きのつたなさが残っており、黒みの統一が取れておらず文字によってウェイトがバラバラである(笑)。オマケに e には変な髭飾りが付いている(フランス語で使うセディラ記号ではない)。あとスペース(空白文字)がやたら広いのも特徴的。文を組むと単語間が空きすぎてパラパラした感じになるが、この辺もクラシカルな感じがして面白い。イタリックは一応あるが、なんか機械的に傾けただけな感じがするのが残念。ま、筆者的には結構好きな雰囲気ではある。