繊細で美しいスペンサリアンカッパープレート。以前に紹介した Burgues Script と同じ作者で、その続編との事。Burgues と比べると傾きもコントラストも弱めである。このテの書体はもうたくさん紹介していて、「一体何のためにこんなに微妙な差でいろいろ作るの?」という意見もあろうが、同じように見えるAKB48の女のコも(笑)よくよく見れば当然ながら違いがあり、これらのスクリプトも字形はもちろん、スワッシュオルタネートもかなりバリエーションがあるので、それらを見比べてみてまぁ好みで選んでねという感じである。バレンタインとかにどうぞ。1ウェイト。
Tag: #copperplate
一風変わったカッパープレートスクリプト。ストロークを見るとカッパープレートなのだが、字形はどっちかというとイタリック風味が強い。大文字はベースラインの下にはみ出しており、小文字を囲い込むような形をしている。大文字のオルタネートにはローマンタイプもあり。これからバレンタインに向けて、こんなスクリプトもいかがだろうか。
フレンチ風味のカッパープレートスクリプト。17世紀フランスの彫工、Claude Duflos という人の筆致(?)を書体化したものだそう。説明によれば、この人のこの辺りの書体が後に英国でカッパープレートになったとある。つまり元祖という事になる…のか? そのせいなのか、現在の様式化されたカッパープレートとは違い、そういう形になりきっておらず、イタリックとの中間のような字形になっている。優雅さはありつつ、キメ過ぎてないカジュアルさが持ち味。T がフランス独特の字形になっているのが特徴。Std 版と Pro 版があり。1ウェイト。
手書きの拙さをそのまま残したカッパープレートスクリプト。一見普通のスクリプトのようだが、拡大してよく見ると、ペンで手書きしたブレをそのまま整理せず残している。カッパープレートは優雅で華やかな一方で冷たさが出てしまうが、これは手のぬくもりが残っている。とはいえスワッシュやフローリッシュは豊富で、華やかさも忘れていない。結構いい書体だと思うし、カリグラファーは結構参考にできると思う。クリスマスやウェディングにどうぞ。
拡張されたカッパープレート風ゴシック。どこが拡張されたかというと、通常はない小文字があるのと、ウェイトが増えている事。a や g は1階建てと2階建てが用意されている。やや平べったい Copperplate Gothic に比べ、プロポーションは普通。セリフも細めになっているだろうか。名前は「ガーコン」じゃなくて「ギャルソン」とフランス語読みにする。ちなみにフレンチレストランでは給仕係(ウェイター)の事をギャルソンと呼ぶが、意味は「少年」である。英語で言えば boy。要するにボーイさんって事である。昔はウェイターのことをボーイと呼んだ。日本ではもう筆者の世代でもギリギリ覚えてるかというぐらいの古い習慣だが、フレンチの世界ではまだ残ってる模様。英語圏ではまだ boy っていうのかな? ただいま75%オフセール中。
繊細でスピード感のあるスクリプト。カッパープレートペンでデザインしたとあるが、雰囲気的にはブラッシュに近い。ストロークが非常にダイナミックでありながら線が細いので、エレガントさも持ち合わせている。スワッシュの付いたオルタネートも豊富。名前は「星の爆発」かと思いきや、消滅ではなく、逆に「星が同時期に爆発的に多数発生する現象」(スターバースト銀河)の事らしい。ただいま20%オフセール中。
ところで、サンプルイメージ下部にある書体名を大文字だけで組んだヤツはいかがなもんだろう。うーん(笑)。
カッパープレート風味のあるローマン。アメリカのグラフィックデザイナー、ハーブ・ルバリンのスタイルに範をとったらしい。幅広で平べったく President などのような雰囲気があるが、こちらはずっとコントラストが強くてトランジショナルスタイルとなっている。x-ハイトはかなり大きいが、その分アセンダーとディセンダーは短い。レギュラーのスタイルが幅広だが、少し幅を縮めた Demi とさらに縮めた Slim があり、Demi が通常の幅に近いと思う。これらに加え小文字もあるので、カッパープレートだけで名刺を組む時に困るメールアドレスや URL なども組みやすくなるだろう。ウェイトはそれぞれ No.1 から No.5 まで5ウェイト。イタリックもあり。さらにモダンローマンタイプの Lust Didone も別にある。ただいま50%オフセール中。
傾きとコントラストが強いカッパープレートスクリプト。非常に華やかなフローリッシュが多数あり、ラグジュアリー感満載な組版が可能。太い部分が結構強いので、そこそこ小さくても存在感を放つと思う。19世紀のアメリカのカリグラファー、Louis Madarasz という人の筆致を書体化したものらしい。Madarasz についての書籍、The Secret of the Skill of Madarasz という本が Internet Archive にて公開されていて、誰でも読める。見てみると、なるほど素晴らしい才能の持ち主だったようである。このスキャン画像はブラウザではもちろん、Kindle や PDF フォーマットでもダウンロード可。IAMPETH が投稿したらしい。ありがたや…。名前はスペイン語で「ブルジョワ」という意味だそうである。
古き良き時代をホウフツとさせるカッパープレートスクリプト。最近のカリグラフィーベースのスクリプトではなく、活字にデザインされた風のスクリプト。活字の制限ゆえに派手なスワッシュなどはないが、統制のとれた均質な行儀良さがあり、社交用としては最適だと思う。小文字の t が古い字形で、おそらく初めて見るという人も多いだろう(サンプルイメージの最下行、cartoonist を参照)。こういう t もあると覚えておくとモテるぞ(ウソ)。2ウェイト。
ヘアラインの繊細なカッパープレート。久々にこう、何というか正統派なカッパープレートを紹介する。i とかをよく見ると判るが、一方が針のように鋭くなっていくスタイルで書かれており、こういうのを「Italian イタリアン」と呼ぶらしい。スペンサリアン Spencerian ともまた違うので、この微妙な違いが解るようになったらツウかもしんない。かなりデコラティブなオルタネートが豊富で、非常に華やかな雰囲気がある。…年末に紹介すべきだったかも(笑)。