ローマンの骨格を持ったOptima風味のディスプレイサンセリフ。Optimaに比べてより女性的で柔らかい雰囲気を持っている。作者のDoyald Young氏は日本の企業とも仕事を行っていたようで、氏の著書にはかなりの数の日本向けにデザインしたロゴが掲載されている。大変優雅なスクリプトが多く、カリグラフィー作品は見たことがないが、そちらの方の腕もかなりのものだったと推察される。氏の著書はなぜかAmazon等で取り扱いがなく、直接連絡して取り寄せたことがあるが、当時82歳のご本人がメールで直接やり取りしてくれてちょっとびっくりした。氏は残念ながら2011年にご逝去されたが、これだけの腕を持ちながら、フォントはこれを含めて5つほどしか作ってない。もっと作って欲しかったなぁと悔やまれる。
Tag: #elegant
フレンチ風味のスクリプト。このブログではスクリプトを多数紹介してきたが、このテは初めてだと思う。サンプルイメージのMを見てもらえれば判るが、他の国ではあまり見ない書き方をしていて特徴的。正直言うとファミリーもオルタネートもないし、1字1字はあまり質は良くないかなーと思うが、組んでみるとそんなに悪くはない。でもちょいーと字間が広めかな。名前は超有名高級ワインのシャトー・マルゴーから。
大御所Sumner Stoneデザインの書体。インペリアルキャピタルとBodoniにインスパイアされたとあり、その通り堂々とした骨格でありながら繊細なセリフを持っている。大文字はややコンデンスで、多分大文字だけで組まれることを想定している。イタリックにはスワッシュバージョンもあり。本来はステムにラインが入ったInline というバージョンもあるはずだが、なぜかMyFontsでは扱ってない。完全なファミリーのサンプルは、Stone Type Foundryのサイトで見ることができる。
スワッシュが豊富なモダンローマンディスプレイ。もうこのテは飽きたとか言わないで(笑)。好きなんだからしょうがない。ヘアラインが非常に繊細で、ウェイトが細かろうが太かろうがヘアラインの方は変わらないというディスプレイ専用書体。その分x-ハイトやカウンターは大きめで、可読性は確保している。イタリックのみならずアップライトにもスワッシュが非常に豊富。キリル文字のグリフもあり。よく似合うオーナメントも揃っている。販売サイトには68ページに及ぶ使用マニュアルがPDFで配布されているので、先にそれを見てみるのもいいだろう。名前はスペイン語で「空気(air)」の意。投稿時点でMyFontsベストセラー12位。3ウェイト。
で、前の投稿で出た書体の紹介。20世紀前半に活躍したアメリカのタイプデザイナー、Frederic W. Goudyのデザインした書体。一見普通の書体のようだがエレメントが特徴的で、特に Q や g、 z などは他ではあまり見られない形をしている。こんだけ珍妙だとうるさそうだが、骨格がスタンダードなため、さほど違和感はない。全体的にクラシックでありながら可愛らしい書体。元々アップライト1ウェイトのみだったが、デジタル化にあたり、イタリックとボールド、それとオープンフェイスを新たにデザインしてファミリーに追加している。
130以上の豊富なリガチャーを持つジオメトリックサンセリフディスプレイ。このテのものはITC Avant Garde Gothicという偉大な先達があるが、意識されてるのは間違いないだろう。こちらはより女性的になっている。3ウェイトあるが、一番太いものでさえ普通の書体だと Thin 相当なので、小さく使うのは危険。オールキャップスで小文字はない。女性ファッション誌などにどうぞ。読み方は [sey-vee-nyey] らしい。カタカナにすると「セヴィーニェ」かな。
書体そのものより、サンプルイメージがカッコ良かったので紹介する(笑)。Big Caslonのようにコントラストの強いディスプレイローマン。ヘアラインがあるので小さく使うには不向きで、タイトル組に適している。AやHのバーに中折れがあるオルタネートがある。こういう処理は英国やアイルランド方面でよく見るが、名前はなぜかイタリア語。小文字 f にまつわるリガチャーが豊富。全体的にアップライトは良いが、イタリックはちょいイマイチな気がする。ラグジュアリー感はあるので、高級女性誌などに。
ドイツ優勝おめでとう!ということで、準優勝のアルゼンチンの名を持つ書体を紹介する(なんでや)。アメリカ活字鋳造所(ATF)が1920年代に販売していたSterlingという書体をベースに、同じ作者がデザインしたArgentinaという書体があるのだが、それのスワッシュイタリック。Morris Fuller Bentonのデザインを参考にしたとある。ヘアラインが繊細で優雅。オルタネートがさほどあるわけじゃないが、このテの書体にしてはカウンターが広めで、小さくしても読みやすく、使いやすいと思う。ちなみにだが、英語ではArgentina(アルゼンチーナ)の方が国名であり、Argentine(アルゼンチン)の方が「アルゼンチンの」もしくは「アルゼンチン人」である。ややこしや。
2日続けてスクリプトになってしまったが、セール期間が短いので。デコラティブなカッパープレートスクリプト。こちらもやはりスワッシュが多いが、ただのスワッシュではなく、それに更に装飾が施されていて、ちょっと注意して使わないとかなりうるさくなってしまう書体である。華やかさではトップクラスなので、ゴージャス感を演出したい場合にドウゾ。ドンペリとか多分似合います。ただいまアメリカ独立記念日キャンペーン中で、7/11(東部時間)まで50%オフ。急げ!
非常に優雅なスペンサリアン・カッパープレート。ご多分に漏れずスワッシュの付いたオルタネートが豊富。カッパープレート系は小さく使うのが基本だが、この書体はあまりにヘアラインが細いので、あまり小さすぎるとかすれてしまうかも知れない。背景もあまりごちゃごちゃしてると埋もれるだろう。使用にはちょっと注意が必要。まぁ白地に黒で使うのが一番かも。レディーハンドスタイルとあるが、個人的にはあまり女性が書いたような雰囲気は感じない(笑)。