本日『シーサーの日』らしいのでこちら。可読性の良い現代的なオールドスタイル(?)ローマン。セリフがちょっと太めでブラケットがなく、セリフも反るのではなく膨らんでいるのが特徴的。なんとなく Gerald Unger 氏の作る書体に似ており、オランダ風味がする気がするのは筆者だけだろうか。本文用に設計されており、スモールキャップスはもちろん、各種アクセント記号や数字類も網羅し、グリフ数は700を超える。クラシックな指差し矢印アイコン ☞(英語では index, manicule, printer’s fist などと呼ぶらしい)が数種ある。6ウェイト。ちなみに「シーサー」は抑揚をつけずフラットに発音するのが正しい。「シー↑サー↓」と発音するのはとても変なので直すように。
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『令和』ネタ第二弾。といっても名前がレイっていうだけの、システマチックなモダンローマン。手書きの柔らかさを極力排除したような、ややジオメトリックと呼んでもいいようなカッチリした骨格とアウトラインで構成されてはいるものの、そこまで幾何学的でもなく、字としての破綻はない。b や q のボウルが閉じてない、f のアセンダーがえぐれている、y の左のストロークがベースラインで裁ち落とされてる、i のドットが真四角などなど、所々ちょっと変わったグリフが特徴的。アセンダーとディセンダーは短く、行間を詰めてもさほど問題ない。コントラストは弱く、本文向きだろう。名前の頭のハイフンは必須(笑)。5ウェイト。ただいま50%オフセール中。
本日発表になった新元号『令和』が、海外では order and harmony とか紹介されてるようなのでこちら。ジオメトリックとネオグロテスクの中間のようなサンセリフ。ジオメトリックのような軽快さやシステマチックさを持ちながらも可読性を考慮された字形になっており、非常に読みやすくなっている。ウェイトも9つと豊富。ただグリフ数は Std 程度しかなくアクセント記号をカバーしてないので、東欧とかではちょっと困るだろう。数字もバリエーションがないのが残念。関係ないけど新社会人の皆さんがんばって~。
昨日2月24日は Apple 創業者のスティーブ・ジョブズ Steve Jobs の誕生日だった(1955)そうなのでこのフォントを紹介。ジョブズといえば Mac、Mac といえば筆者世代にはこの Chicago がお馴染みだろう。MacOS X からは搭載されなくなったが、以前はこれがシステムフォントで、iPod も当初はこれだったので、古いユーザーはよく目にしていたと思う。縦線が太く横線が細いスタイルで、アール・デコ風味があるだろうか。今となってはレトロ感が否めないが、このフォントにレトロ感が生まれるほどの月日が経ったのだなぁと思うと感慨深いというか恐ろしいというか(笑)。ぶっちゃけると現在でもあちこちでダウンロード可能だったりするが、全部違法だと思われるので取って来ないように。
優しめな雰囲気の本文用フレアセリフ。このテの代表といえば Optima だが、それに比べて威風堂々という感じはかなり弱く、また角が落とされてやや丸くなっており、目に優しく読みやすい書体となっている。A と B という2種のタイプがあり、B の方が若干ウェイトが重く、より小さく使うのに向いている。それぞれに Title という見出し用があり、またそれぞれにレギュラーとボールドの2ウェイトとイタリックがある。
ややx-ハイトが小さめでコンパクトな本文用ジオメトリックサンセリフ。小さいのに小さく使って読みやすいとうたっており、組んだ時の字の並びのリズムが一定で、確かにその通りかなという感じがする。字種が大変豊富で、なんと1000を超えている。数字や矢印が豊富にあり、サインとして使ってもいいのかもしれないが、ちょっと字幅や字間があるので個人的にはあまり向いている気はしない。イタリックもあって10ウェイトとビッグファミリー。ただいま50%オフセール中。
「2月4日」という名のファウンダリーがウクライナにあるので、そこの書体を紹介。幅広なヒューマニストサンセリフ。縦のステムがわずかにカーブしオーガニックな雰囲気を持っており、イタリックはさらにその傾向が強い。まためずらしくインクトラップ(ストロークが食い込む部分が欠けている)があり、小さく使っても潰れるのを軽減している。4ウェイトあるが一番太いウェイトが Regular で細いウェイトしかなく、また書体名に Wide が付いてる事から、ひょっとしたらこれからファミリー展開をしていくつもりなのかもしれないが、すでに発表から8年経っているのであまり期待はできない(笑)。
ちょっぴり変わったジオメトリックサンセリフ。基本的には読みやすい現代的なサンセリフだが、A や W などの斜めのステムを持つ字に、片方のステムがほぼ垂直になったようなオルタネートがある。普通は右方向だけに傾くものだが、逆の左方向に傾いたグリフもあるのが変わってる。R のレッグがステムに寄りすぎてる所も特徴的。レギュラーと Display があり、Display の方はステムの上端や下端が鋭くテーパードになっている。サンプル画像の白い部分が共通、シアンの部分がレギュラー、マゼンタの部分が Display の字形なので、参考にして欲しい。ギリシャ文字やキリル文字もサポートしている。イタリックはオブリークタイプ。レギュラー・Display それぞれ10ウェイトで計40種とビッグファミリー。本日まで50%オフセール中。
本格派本文用ローマン。ヘルマン・ヘッセやオルダス・ハクスリーの小説で使用されていた Garamond や Sabon を参考にしたとあり、骨格はオールドスタイルながらコントラストがやや強めで、印象的にはトランジショナルっぽくなっており、x-ハイトは最近の書体としてはやや小さめで、アセンダーが長くて品がある。イタリックはカリグラフィー風味が強い。ちょっと MyFonts の調子が悪くてグリフが確認できないが、アップライトは大文字に変わったリガチャーを含み1300、イタリックはスワッシュオルタネートも含め1600ほどの字種があり、使いごたえがある。可読性はもちろん大変良好。イタリックは大変優雅で、それだけで招待状などが組めるだろう。名前はヘッセからとったものと思われる。5ウェイト。ただいま75%オフセール中。
去る11月23日、オランダのグラフィックデザイナー・タイプデザイナーの Gerard Unger さんが亡くなられたとの報が入った。氏を偲んでこの書体を紹介。「オランダ」の名を持つ、ガッチリカッキリクッキリした工業製品を思わせるスラブセリフ。オランダの印刷機メーカー Océ のためにデザインされたものとの事。セリフが膨らんでいるのが特徴で、ややコンデンスでx-ハイトが高く読みやすい。この「ややコンデンスでx-ハイトが高い」のが氏の書体の特徴で、他のデザイナーは書体で作者を判断するのは難しいが、氏の書体、特にローマンはこれらの特徴に加え「キリッとしたセリフ」を持ち、筆者はなんとなく判る。良い書体を作る良いデザイナーであったなと思う。5ヶ月ほど前に奥様を亡くされたばかりであったとか。76才、筆者の母も同じ歳で亡くなった。Rest in peace.