悩んだ挙句、ローマンに分類したクラシックな書体。セリフというには微妙すぎるものがちょろっと付いてるが、と言ってサンセリフに分類するのもなんだかなと思ってこうなった。1951年頃にドレスデンのTypoartという所から発表された書体のリバイバルだそうだ。小文字の縦のステムの下部が右に折れており、ブラックレターの影響が見て取れる。ステムに抑揚があり腰高で、x-ハイトも小さく、全体的にクラシックな雰囲気が漂っていて筆者好み。デジタル化にあたり、イタリックにスワッシュを追加したらしい。このRMUというファウンダリーはよく古い書体のリバイバルを行っており、結構好みである。ただいま20%オフセール中。
Archive: 2014
非常にコントラストの強いカッパープレートスクリプト。通常こういう書体は結構フォーマルな印象があるのだが、コイツは名前の通りとてもセクシーでエロい(笑)。とても招待状なんかには使えない(偏見)。この系統の書体ではもう当たり前だが、非常にオルタネートが豊富で飾り付けし放題である。通常の Big と、小さなサイズでヘアラインがすっ飛ばないようコントラストを若干弱めた Small、サンプルイメージのように線の入った Inline があり、またこの書体に似合う細めのスラブセリフが2ウェイトある。オーナメントもあり。
可読性の良いジオメトリックサンセリフ。ジオメトリックながら a には2階建てを採用したり、I にはセリフをつけたり、g や s などをムリに幾何学に当てはめずに自然な形にしたりと色々と可読性に配慮がなされている。小文字に手書き感を強く加えた Alt と、小文字のグリフに大文字を入れた Caps というファミリーがある。Caps は何に使うんだろう…まぁテキストを変更せずにすべて大文字に切り替える事はできる。6ウェイトあり、コンデンスバージョンもある。一番太い Black にはインラインバージョンもあり。キリル文字もサポート。
クラシック、と呼べるほど古いかどうかはともかく、とにかく古いスタイルのディスプレイ。ステムにメリハリがハッキリしており、幾何学的である。アール・デコ調ってんですかねこーゆーの。大正ロマンというか、その辺りの時代を思わせる書体である。むかーし、MacにはChicagoというフォントが入っていたが、アレと似たスタイルである。サンプルイメージにはないが、Y の形が小文字型で非常に変わってる。大文字のみで小文字はないが、作者はベラルーシ在住のようで、キリル文字をサポートしている。イタリックもあり。
コントラストの強いトランジショナルローマン。全体的にクラシックな雰囲気を持ち、大文字はかなり堂々としていて、これだけで組んでも見栄えがする。x-ハイトが小さく、ステムも一部ヘアラインに近い細さになっているのでディスプレイ向き。イタリックも手書きの雰囲気が出ていて美しいが、ディセンダーがややせせこましいのがちょっと残念。1ウェイトしかないが、コントラストをかなり強めにし、ヘアラインがほとんどかすれてしまっている Throhand Pen、反対にコントラストを弱めて小さなサイズでも使いやすくした Throhand Ink というバージョンがある。
一応サンセリフには分類してみるものの、それでいいのかどうか判らない書体。筆でもって書かれたかのように線に伸びや抑揚があって、かわいらしく柔らかい雰囲気を持つ。という事以外、他にこれといった特徴はないが(笑)、とても筆者好みである。Palatino Sans Informal と似てるかなという感じ。5ウェイト。名前は多分カプチーノかと思ったら「キャプシーヌ」と読むっぽい。
コンデンスで字形にやや奇抜さが目立つサンセリフ。波をモチーフにしたとあり、確かに所々にかなり微妙にへにゃっとしたカーブが付いているが、全体的にはコリっとした印象。x-ハイトやカウンターはかなり大きく、読みやすくはあるだろう。一応本文組にも使えるが、細いウェイトを大きく使う方がいいかな。名前はドイツ語で「航法(ナビゲーション)」を意味し、ブランドは Sea Types。徹底して「海」に関連付けられてる。5ウェイトあるが、Normal と Regular ってネーミングはどうなんだろう(笑)。ここまで書いてて気づいたが、これも南米のデザイナー。やはり来てるな南米。ただいま50%オフセール中。
本日11月第3木曜日はボジョレー・ヌーボー(新酒)の解禁日、という事でなんかしらワインにちなんだものを…と探したが特に見つからなかったので、ブドウのツタなんかをモチーフにしたオーナメントを紹介する(強引?)。20世紀初頭ぐらいまでよく用いられていた装飾活字(字?)である。写真の普及で装飾があまり必要でなくなった事や、そもそも時代が下るにつれ過剰装飾が好まれなくなったりして廃れて行ったが、まぁこんな感じでちゃんとデジタルで残っている。画像は筆者が持っている古い書籍で、1928年にMonotypeが発行したこのオーナメントの作例集である(ちなみに文字部分は確か Fournier だったかな)。Rococo Ornaments と一緒に使用した作例がふんだんに掲載されており、見ているだけで楽しい。今入手できるものとしてはパイインターナショナルの『装飾活字』があるかな。付属のCD-ROMには、フォントではないがEPS画像としてこれらのオーナメント類が入っている。コチラのブログでも条件付きで色々配布している。字が小さくて読みづらいがなかなかおもしろい。
ぐねんぐねんのスワッシュが付いたアップライトローマンディスプレイ。スワッシュが付いてるというか、大文字に関してはむしろ付いてないヤツがないぐらいの勢いである。だがあんまり種類はない。代わりに書体のテイストにバリエーションがあり、影が付いたもの、インライン、インライン+影、かすれたものと全部で5種類あって、それぞれのタイプのオーナメントも付属している。小文字はなくスモールキャップス。以前紹介した Desire とカブってる感はあるが(笑)、まあお好きな方をどうぞ。
傾きのないアップライトスクリプト。線の抑揚も弱く、ヘアラインというほどのものもない。リボンをのたくらせたかのような、ちょっとアメリカンなイメージのある書体である。エレガントというよりはガーリーという感じ。なんでしょう、honey mi honey とかああいう路線に似合うんじゃないでしょうか。よく知らないけど(笑)。やはりご多分に漏れずスワッシュやリガチャーが豊富だが、リガチャーには3文字以上、中には punish とか6文字、ていうか単語がそのままひとつのグリフに収まったものまである。頑張って使いこなして欲しい。2ウェイト+オーナメント。ただいま35%オフセール中。