御大 Gerald Unger のフレアセリフ。氏のデザインの特長がよく出ている書体である。通常のレギュラーの他、Informal と Irregular というバージョンがあり、レギュラーと Informal の違いがちょっと不明瞭だが、大きくは a と g が2階建てと1階建てになっている。Irregular はカリグラフィーでいう Insular に寄せたデザインとなっているとの事。ギリシャ文字とキリル文字もサポートした PanEuropean というバージョンもあり。各6ウェイトで、Informal と Irregular にはイタリックはない。ただいま20%オフセール中。
Archive: 2016
本日は中世の天文学者で、惑星の運行に関する『ケプラーの法則』を発見した事で知られるヨハネス・ケプラーの命日。という事で、その名を持つ書体を紹介。168ものバリエーションを持つスーパーファミリーのトランジショナル(モダン?)ローマン。オプティカルになっており、本文用とキャプション用(Caption)、見出し用(Display)、小見出し用(Subhead)とあり、それぞれにアップライトとイタリックがあって、6つのウェイトと4種類の字幅を持つ。計算上は全部で192になるが、一部何か無いのだろう(何が無いのかは自分で調べてくれ)。Std とはあるが字種は豊富で、これ Pro なんじゃね? とちょっと思う。17~18世紀風味のオーナメント類もちょろっとあり。非常に使いごたえのある書体。我こそはタイポグラフィの鬼なりという自負のある方はどうぞ。
以前に紹介した Merlo Grotesque が1年足らずでリニューアルしたので改めて紹介。これに伴い、Merlo Grotesque の方はもう販売してないようなのでご注意を。旧版が見当たらないので比較ができず、どこがどうリニューアルしたのか不明だが、サンプルを見る限りは M の形が随分変わってるのが判る。正直変更前の方が筆者の好みではあるが、全体的な雰囲気は変わってないのでまぁいいかなと思う。9ウェイト。
本日は 1111 というキャッチーな見た目のせいか、すごい数の「なんとかの日」が制定されているが、代表格の「ポッキー&プリッツの日」(代表か?)にちなみ、見た目がポッキーっぽいこの書体を紹介。ウルトラコンデンスなサンセリフ。映画のタイトルやエンドロールで、こんな感じに凄まじく細い書体を見たことがあるだろう。あの辺を狙ってデザインされたもののよう。ファウンダリーはインドにあるらしく、映画大国だけあって、こんなのも需要があるのだろう。大文字だけかと思いきや、小文字もちゃんとある。g は1階建てと2階建ての2種類。5ウェイト。
スクリプトとフレアセリフのミクスドファミリー。マリー・アントワネットにヒントを得たとあり、スクリプトの方はロココ調のかなりデコラティブなアップライトで、総グリフ数は900弱と最近のスクリプトにしてはやや少なめ(それでも多いわ)。フレアセリフは大文字のみで、コントラストが強く、通常のソリッドなものの他、インラインタイプが別にある。この辺の書体は使いこなしが難しいが、MyFonts にはかなりの数の作例が載っているので、参考にするといいだろう。ただいま70%オフセール中。
アメリカ大統領選挙がなんかとんでもない事になってるんで、渦中の人物にちなんだ書体を。Trump といえば Trump Mediaeval だろうと思った方は残念。そんな当たり前を紹介してもおもしろくないのでこちらを。古い活字書体のリバイバルを得意とする RMU の書体である。説明書きがなーんにもないのでオリジナルが何かは知らないが、まぁ見ての通りのブラックレターである。名前の通りドイツ風で、s は長い s で、ck, ch, tz のリガチャーがあり、heavy ウェイトの方には長い s のリガチャーもある。あと数学記号はなく、それらのグリフには代わりに黄道十二星座のアイコンイラストが入っている。こういう書体に数学記号をムリに付ける必要はないので、いいオマケだと思う。ただいま5%オフセール中。世界が平和になればいいなぁ…。
本日は「いい歯の日」だそうなのでこの書体を紹介。練り歯磨きをモチーフにしたモノラインスクリプト。チューブから出した歯磨きで書いたようにしてあるので、意地でも一筆書きにこだわっている所が特長。i や j のドットと t のバーに妥協が見えるが(笑)、それらとアクセント記号以外はホントに一筆書きである。A とか相当ムリがあるが、小文字の字形にしなかった作者の執念には拍手を贈りたい。ところで今でも「歯磨き粉」っていう人いるよね? もはや「粉」ではないんだけども。
本日は立冬だが、それにちなんだ書体などあるはずもないので普通に書体を紹介する(笑)。よく筆者が「分類不明」と称しているタイプのスクリプト。説明文をよく読むとだいたいこの辺は「continental face」と呼ばれるようで、意味的には活版印刷時代にヨーロッパで広く使われた作者不明の書体、という感じらしい。この書体も複数の名前を持っているらしいが、ちょっと詳しく調べたら、ライプツィヒにあった Wagner & Schmidt という所が1926年頃に発表した Troubadour という書体がオリジナルらしいとの事。その後、より細くなって1930年代後半にオランダで Gracia という名前で出回り、香水やワイン、チョコのパッケージなどに使われたらしい。それその通り、そっち方面に重宝するだろう。結婚式の招待状などにも。ちょろっとオルタネートもある。
今年も出ましたフォント日めくりカレンダー。今年はどこぞのバイラルメディアで紹介されたせいか、Amazon でも欠品が続いており、まだ筆者の手元に届いてない。が、まぁ多分例年通りだと思うので特筆すべき事も特にない(笑)。版元のサイトでちょろっと中身が見られるので、興味のある方はドウゾ。
Monotype の日本人タイプディレクター・デザイナーである小林章さんの新作。タイプが 1 から 3 まであり、Between 1 はモダンなヒューマニストサンセリフ、2 は同氏が以前に制作した Cosmiqua というローマンの骨格をベースにしたとあり、見ての通り g に2階建てを採用したりするなど、よりオーガニックな雰囲気を持っている。3 は手書き感がやや残るダイナミックなタイプで、特にイタリックはその傾向が顕著である。という具合に 3 タイプありはするものの、全体的には統一された雰囲気を持っている。それぞれ8ウェイト。ただいま50%オフセール中だが、Monotype サブスクリプションにも入っているので、契約している方は購入不要。