本日は紅茶の日。という事で、英国で午後に紅茶を飲む習慣である「アフタヌーンティー」をそのまま店名にしている某店(バレバレ)のロゴ、に近い書体を紹介。近いというか多分これじゃないかと思う。20世紀前半に活躍したアメリカのタイプデザイナー、Morris Fuller Benton がデザインしたベネチアン書体のオープンフェイスタイプである。クラシックで優雅な雰囲気があり、英国の貴族趣味を表現するのにもってこいだろう。Linotype はこのオープンフェイスしか書体にしてないみたいだが、当然ノーマルタイプもあり、それは URW++ と Lanston Type Company (LTC) が書体化している。筆者は LTC の方が好みかな。スワッシュイタリックが優雅である。
Archive: 2016
本日はダーク・シュナイダーの最強呪文(当時)の日、もといハロウィン。というワケでこの書体(?)を紹介。説明不要のハロウィンイラストアイコン集。大した数が入っていない割にはの値段だが、ただいま25%オフセール中。アイリッシュ好きとしてはケルト起源のこの祭りが流行るのは歓迎だが、渋谷を見てるとあーあと思よねホント。沖縄の成人式みたいでね…。ま、今日はかぼちゃでも煮ようかな。Trick or Treat!
セリフの付いたゴシック(?)。なんのこっちゃだが、要はサンセリフにちょろっとセリフを付けたものである。ならセリフ書体じゃんというツッコミはこの際無視する。ジオメトリックベースではあるが、全体的に骨格が普通ではなくかなり個性的。作者の Herb Lubalin はタイプデザイナーではなく、レタリングが得意なグラフィックデザイナーなので、こういった常識外れなデザインができるのだろう。Avant Garde Gothic をデザインした人だと言えば納得行くだろうか。当時の感覚で字間がちょっと詰まり気味なので、若干空けて組む方が今っぽくなるだろう。6ウェイト。
今どき珍しい、ウェイトファミリーのないクラシックなローマン。18世紀にベルギーのルーヴェンという街で、Martin van Overbeke という人が印刷した本の書体を参考にしたとある。x-ハイトが大きくややコンデンス気味で(特に a が潰れてる)ビジネスライクだと紹介されてるが、A の腰が高かったり N や M の肩が張り出してたりと、クラシックで品が良い感じが筆者好みである。イタリックとスモールキャップスはあるが、前述した通りウェイトはレギュラーのみ。まぁ当時はそんなもんだったのでいいかなとも思う。その代わり字種は豊富で、ヨーロッパ全域はカバーしている。ただいま50%オフセール中。
カッパープレート風味のある優しい雰囲気のアップライトスクリプト。小文字がさほど小さくなく、また字間が広めに取られていて読みやすい。ご多分に漏れず1200ほどのグリフがあって、色々とおもしろい組版が楽しめる。珍しいのは分数用の数字が多数ある所。8以上の母数が8の倍数なのが気になる…コンピュータ関係? まぁなんだかよく解らない。一応イタリックはあるが、あんまり傾いておらず、ほぼ変わりはない。レギュラーの他、Basic と Curly というバージョンがあるが、グリフ数はどれも同じで、違いがよく判らない(笑)。ま、気になる方は購入して確認してくださいな。
本日10月25日はピカソの誕生日。というワケで、そのファーストネームを持つ書体を紹介。解説がなーんにもないので、ピカソの筆跡なのかどうかもさっぱりである。少なくともそのサインとは違う模様。ラフなアップライトのブラッシュなので、画家が絵筆で書く文字に見えなくはないが…どうにも謎である。ま、オルタネートもウェイトのバリエーションもなく、さほど面白味のない書体。
本日は文鳥の日らしいのでこの書体を紹介。手書きのふにゃふにゃ感が残るコンデンスなディスプレイ。これだけだとよくあるファンシー書体だが、変わってるのがアニメーション対応だということ。書体とオーナメントが Frame 1 から 5 まであり、これがふにゃふにゃ具合が微妙に違うので、重ねて打ってパラパラ漫画の要領でアニメーションさせるとウネウネしておもしろい効果が得られる。スワッシュオルタネートがあり、キリル文字やギリシャ文字もサポートしているが、Frame バージョンにはこれらがない。
異様に字種の多い気合の入ったヒューマニストサンセリフ。非常にスッキリしていて明るく、可読性はかなり良好。ストロークにはほんのりコントラストがあり、違和感を打ち消すよう視覚調整されているのが判る。非常に完成度の高い書体である。字種は先に挙げたようにかなり多く、変わった所で上付きのスモールキャップスがある。キリル文字もサポートしていて、ブルガリアやマケドニア、セルビアでは現地の言語に合わせてキリル文字を独自に拡張しているらしいが、それらもサポートしているとの事。ウェイトも9つとファミリーも豊富。あらゆる用途に重宝するだろう。ただいま70%オフセール中。
ほぼ直線のみで字形が構成されたディスプレイ。ノルウェーにウルネス(Urnes)の木造教会という世界遺産になった教会があるが、そこに刻まれている文字をベースにしたとある。その文字の画像はちょっと探せなかったが、明らかにルーン文字がベースになっている。ルーン文字とは2世紀頃から中世後期頃まで北欧で日常的に使用されていた文字で、ナイフ等で木片に刻んで書いたために直線的になっている。1文字1文字に意味があるとされ、文字として使用する者がいなくなった現在では、小石に刻まれ、占いの道具としてタロットの様に用いられている。
大文字のオルタネートには、教会の装飾にも用いられている民俗的な画風の動物が絡まったものがある。ボールドと2ウェイトあり、スモールキャップスもある。レギュラーウェイトには Rustic というアウトラインがラフになったものがあり。
モダンローマンの代表格・Bodoni にその名が残る Giambattista Bodoni のタイポグラフィに関する著述と書体見本。その死後、1818年に250部限定で2分冊で発行された Manuale tipografico の原版コピーを1冊にまとめた縮刷版である。当然イタリア語で書かれててちっとも読めないが(笑)、大半が本人がデザインした書体の見本帳となっているので、眺めててすごく楽しめる。実は2010年にも同じくタッシェンから原寸大のものが発行されていて、こちらも筆者は所持しているが、これがまぁ巨大で重くてちょっと読むのが大変である。今年出版されたこちらはサイズが半分以下になっており、かつ原書では片面にしか印刷されてないページも多数あったが、これは両面印刷にまとめられ、ページ数も少なくなっている。サイズが小さくなったとはいえ、元々ページ内のマージンがかなり大きく、それを省いてるので図版はさほど小さくなっていない。お値段も半分以下で2,000円ぐらいで買えるので非常におトク。欧文書体ヲタは必携だ。