高級オフィスチェアで有名なハーマンミラーがロゴを変更したそうで、それに使用された書体を紹介。スッキリモダンなネオグロテスクサンセリフ。「Akzidenz Grotesk の記憶を Helvetica のフレームを通して現実化した」とある。なるほどそれらの遺伝子を受け継いでいるなと感じる書体だが、古さは感じずスッキリとしていてあくまでモダンである。可読性も大変良好。字幅に3種類あり、このレギュラーとコンデンスな Schmal、幅広の Breit がある他、モノスペースの Mono もある。それぞれイタリックもあって8ウェイトずつ。ファウンダリーはニュージーランドだが、書体名やファミリー名にドイツ語を使用しているところがリスペクトを感じる。
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まあバレンタインという事でこちら。各字の幅に差のある丸ゴシックディスプレイ。大文字のみで、小文字のグリフには大文字のオルタネートが入っているが、それとは別にさらにオルタネートがある模様。リガチャーもあり。ロゴテンプレートの Ai データも付属している。1ウェイト。
本日はジョジョ第一部からの古参ファンにはお馴染みの「愛してその人を得ることは最上である。愛してその人を失うことはその次によい (To love and win is the best thing. To love and lose, the next best)」の言葉で有名な英国の作家ウィリアム・M・サッカレー William Makepeace Thackeray の誕生日(1811)。といって関連するものは何も見当たらないので(笑)、まぁ小説家だったという事なので「小説」という名の書体を紹介。コントラストの弱めな黒みの強いしっかりしたオールドスタイルローマン。「オールド」とは言うもののだいぶモダンな雰囲気で、また筆の感じもそこかしこにあるなかなか不思議な書体である。イタリックが非常に独特で、カリグラフィックな雰囲気はあるもののほとんど傾いておらず、アップライトに比べだいぶコンデンス。全体的に可読性は良好で、これが現代の本文用書体か、という感じはする。6ウェイト。他にも Novel の名を冠した書体が多数あり、Sans, Sans Condensed, Display(サンセリフ), Sans Rounded, Sans Hair, Mono, Office がある。
名の通り、モードな雰囲気のフレアセリフ。アール・デコ風味のあるコントラストの強い字体に、細いラインの端にのみちょっとしたフレアセリフが付いていて、オシャレな雰囲気を醸し出している。K や R、X の右のレッグが垂直に裁ち落とされているのがおもしろい。大文字にはリガチャーが大変豊富に揃っており、おもしろい文字組が楽しめる。x-ハイトが大きかったり、ややちょっと野暮ったさがあるのが残念。もっと尖っても良かった気はする。5ウェイト。
所々ほんの少し字形が変わってるが可読性の良いヒューマニストサンセリフ。y のディセンダーが少し折れているのが特徴的。すでに実績のあるオランダのタイプデザイナー二人が The Questa Project というタイプデザインプロジェクトを立ち上げ、その中でデザインしたものである。同じ骨格で4種類の書体がデザインされており、他はトランジショナル(モダン?)ローマンの Serif、スラブセリフの Slab、モダンローマンディスプレイの Grande がある。それぞれすべて5ウェイトずつ。当然親和性が高いので、組み合わせて使うといいだろう。
本日は「ロックの日」だが、御大 Sumner Stone の誕生日でもある。ロックの日にストーンさんの誕生日てどんだけ~(古い)。というワケでストーンさんの書体を紹介。にゅよっとしたヒューマニストサンセリフ。以前に紹介した Magma を元に、紀元前4世紀ギリシャのティモテオスという人の筆致を参考に制作したとある。ステムの端が丸く膨らんでおり、大げさに言えば綿棒で文字を作ったかのよう。これも以前に紹介した Schoiffer Sans に似てるだろうか。プロポーションはさすがというか、非常に均整が取れていて美しい。イタリックはアップライトに比べ、ややウェイトが軽いだろうか。優しい雰囲気なので、子供向けとかに。まさにそれ用途に Tuff School というバージョンもある。3ウェイト。
人生初の食中毒にやられました。いや39度とかいうすごい熱が出ますよええ。皆さんお気をつけて。それはさておき書体の紹介。インラインの太めなモダンローマンディスプレイ。サンプルでは大文字だらけだが、ちゃんと小文字もある。とはいえ字種は少なめでオルタネートもない。ゴージャス感がスゴイので、ハイブランドの広告とかに使って欲しい。イタリックとかもあればいいのかな。1ウェイト。ただいま50%オフセール中。
正統派スコッチローマン。スコッチなのかローマンなのかよく解らないが、1760年頃にスコットランドのプリンター、Alexander Wilson という人がデザインしたローマンをデジタル化したもの。「新しい Baskerville」として位置づけしてるようだが、さほどトランジショナルな感じはせず、どちらかと言えば Caslon のようなオールドスタイル、それも何の奇もてらわない、当たり前を当たり前にした堂々としたローマンである。かなり昔に気に入っていたのを突然思い出したので紹介する。単独購入が可能だが、Monotype サブスクリプションにも入ってる。
本日天皇誕生日、英語だと The Emperor’s Birthday らしいので、エンペラーにまつわる書体を。ローマ帝国五賢帝の一人に数えられる、トラヤヌス帝のファーストネームを冠するディスプレイローマン。洋書のタイポグラフィの教科書を開けば、まず最初にこのトラヤヌスの時代に建てられたダキア戦争の戦勝記念柱に刻まれた碑文が登場する。なぜなら、ここに刻まれた書体がすべてのローマン体大文字の基礎となっているからである(実際はこれに匹敵する美しさを持つ碑文は他にもたくさんあるようだが、これが一番使われている字種が多いそうである)。これを参考に作られた書体で代表的なものが Trajan なのだが、これは Adobe 製品を購入すれば自動的に付いてくるのであまり紹介する意味がない。なのでちょっと変わったこの書体を紹介する。碑文の書体はもちろん「のみ」で刻まれたものだが、下書きは平筆でもってされていたとされており、現在カリグラフィーでも最高難度の書体として受け継がれている(ちなみに筆者は2年以上練習してるがまだマトモに書けない)。この平筆で書いた感じをそのまま残した書体である。以前もこのテの書体で Stevens Titling とか紹介したことがあるが、こちらは通常はない小文字が付いている。大文字のプロポーションは大変美しく、小文字もそのテイストをキレイに受け継いでいる。リガチャーも色々あっておもしろい。スモールキャップスもあり。フォーマルな用途に。