セリフのデカめなディスプレイローマン。20世紀中頃に Monotype や Bauer でタイプデザイナーとして活躍した Berthold Wolpe のデザインした書体をデジタル化したもの。なんか過去にもリバイバルされたような記述を見たが、デジタル化はこれが初めて…なのか…な? よくは解らない。ややコンデンスでx-ハイトは小さく、コントラストは強めである。なんか Albertus に雰囲気似てるなーと思った方はご明察。同じデザイナーである。ちなみに Berthold という有名な古いタイプファウンダリーがあるが、Wolpe とは関係ない模様。今回リバイバルを担当されたのは日本人の大曲都市氏。変わったお名前だが本名のようである。今回 Wolpe Collection として、Wolpe のデザインした書体を5つほど制作されており、これはその1つである。他もおいおい紹介したいと思う。ちなみに「大曲都市 パスポート」で検索するとおもしろい画像が見られるのでご笑覧を(笑)。君の背中~の翼が折れて~♪
Category: Serif
カーブの一部が直線になっているのが特徴的なローマン。ちょっと見た目がゴキゴキしており、イタリックは特に違和感があるが、骨格は割りとスタンダードなので読みやすくはあると思う。カリグラフィー用のブロードペンでデザインしたような記述があるが、これ書けるか…? やれると思う人はちょっと挑戦してみて欲しい。ロシア産らしくキリル文字もサポートしている。PDFの見本帳もあり。5ウェイト。ただいま40%オフセール中。
大文字のみのディスプレイローマン。通常このタイプはローマンキャピタル系のものが多いが、こちらはトランジショナルと呼べるだろうか。それもやや機械的なアメリカンな印象があるローマンである。見ての通り長いスワッシュの付いたオルタネートと、ちょこんとしたティアドロップが付いたオルタネートが入っている。あとリガチャーもちょろっと。ヘアライン部が完全にすっ飛んで消えてしまっている Stencil というタイプもあり、こちらの方が視覚的にはおもしろいだろう。作者はアフリカ系ブラジル人。そう言えばタイプデザイナーにアフリカ系はあまり見かけない。何でだろう?
本日は007シリーズの主人公、ジェームズ・ボンドの初代を務めた名優ショーン・コネリー(Sir Sean Connery)の誕生日(1930)。スコットランド出身の氏に敬意を表してこの書体を紹介。つい最近発表されたスコッチローマン。スコッチと言えば Century に代表されるように、アクシスが垂直に近くコントラストの強いトランジショナルだが、その特徴がよく出ており、ネーミングにも「これぞスコッチだ」という強い意志を感じる。オプティカルファミリーで、本文向きの Text、大見出し向きの Display、小見出し向きの Deck があり、それぞれに6ウェイトあるが、Deck だけイタリックがない。字種はプロ仕様で、スモールキャップスやオールドスタイル数字も一通り揃っている。ただいま50%オフセール中。
版画で彫ったようなローマン。プロポーションはスタンダードなオールドスタイルで、小さいサイズだと一見普通だが、拡大すると見ての通りエッジがものすごくガッタガタ。15世紀ヴェネチアのレタリングにインスパイアされたとある。なんとなくコンセプト的に小林章さんの Conrad に似ているかなーという感じ。ディスプレイっぽいが本文用を想定して設計されているようで、必要な字種はバッチリ揃っていて可読性もよく、x-ハイトも小さくて意外とエレガント。6ウェイト。ただいま50%オフセール中。
本日は「ハチミツの日」だそうな。3月8日は「ミツバチの日」だそうで節操がねぇなと思うが、ま、イメージにハチが描かれていたこの書体を紹介。ちょっと字幅が広めなヴェネチアン。少々手書き感が残ったクラシックな書体で、x-ハイトが小さくコントラストが弱めで e のバーが斜めとかお約束は踏襲されている。ノーマル文字セットの Insekt と、スモールキャップスの Insekt Biene がある。insekt がドイツ語で「虫」、biene が「蜂」らしい。
本日は名画『2001年宇宙の旅』の監督、スタンリー・キューブリックの誕生日(1928年)。っつーワケでその原題『A Space Odyssey』からこちらの書体を紹介。カリグラフィックなローマンキャピタル。最初の発表から16年を経て偶然にも本日、Pro 版が発表された。2001年発表当時からオルタネートはあったが、Std 版で扱いづらかったものを、グリフを1600と大幅に増やして Pro 化された。やや刺々しく硬い印象で、どっしりとした雰囲気を持っている。見ての通りスワッシュオルタネートは多いが、それよりも特徴はリガチャーの方。かなりの数のグリフが用意されている。ただし小文字はない。ただいまセールはしてないが元々が3,000円程度で安い。
クソ暑いので名前だけでも涼し気なフォントを紹介。ヴィクトリア調のデコラティブなローマンディスプレイ。サンプルの書体はファミリーにある Floral Caps One というもので、これとは別に普通のタイプのローマンに若干スワッシュの付いた Titling、ハデにスワッシュの付いた Swash、アウトラインの Engraved、別のタイプのデコラティブな Floral Caps Two があり、オーナメントには通常のものと枠で囲ったカメオ(サンゴや貝で作った浮き彫りのアクセサリー)形の Cameo がある。名前のせいもあろうが、全体的に波を思わせる形がそこかしこにあり、なんとなく海を連想させる書体である。
本日はアポロ11号による月面着陸の日(1969年)。てなワケでそのものズバリの名を持つ書体を紹介。Frutiger によるスタンダードなオールドスタイルローマン。拡大してみると結構字幅が広めでどっしりとしているが、本文サイズだと多分これぐらいの方が読みやすいのだろう。名人の作らしく奇をてらった所はないが、ウェストを絞ったステムが伸びやかで均整が取れている。イタリックも美しく、カリグラファーでもあった Frutiger のセンスが活かされている。ウェイトは Regular と SemiBold のみで、SemiBold にはイタリックもないという潔さ。その代わりオールドスタイル数字やスモールキャップスなど、本文用としては申し分なし。購入してもいいが、月額1,800円の Monotype サブスクリプションにも入っているので、そっちの方がお得だろう。
ローマンキャピタル系ローマン。平筆を使い、カリグラフィーの手法で書かれデザインされた模様。通常この手の書体は小文字はないが、これにはある。またこれも普通は多めに用意されてるオルタネートも、K や R にあるだけで全然ない。代わりと言ってはなんだがファミリー展開が豊富で、イタリックは当然のことながら、ノーマル幅の他 Ext と Cond があり、またそれぞれに9ウェイトもあって、合計54種となっている。ただいま80%オフとかなり安くなっているほか、ノーマル幅のアップライト Regular だけ無料である。