20世紀前半アメリカンを思い起こさせるデコラティブなローマンディスプレイ。こういうハリウッド映画のタイトルやチョコのパッケージあったよなぁという感じがする。アップライトだが、ぐねんぐねんのスワッシュが鬼のごとく入っており、好き放題飾り付けができる。644ものオルタネート、98のリガチャーがあり、of や in のような頻出する接続詞(キャッチワードと呼んでいる)も6つ入っている。親切にも YouTube に Illustrator での使用方法を解説した動画がアップロードされている(コレとコレ)。Pro版にはすべてのグリフが入っているが、異体字切り替え機能のないアプリケーション用に、オルタネートはバラでも販売されている。
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で、前の投稿で出た書体の紹介。20世紀前半に活躍したアメリカのタイプデザイナー、Frederic W. Goudyのデザインした書体。一見普通の書体のようだがエレメントが特徴的で、特に Q や g、 z などは他ではあまり見られない形をしている。こんだけ珍妙だとうるさそうだが、骨格がスタンダードなため、さほど違和感はない。全体的にクラシックでありながら可愛らしい書体。元々アップライト1ウェイトのみだったが、デジタル化にあたり、イタリックとボールド、それとオープンフェイスを新たにデザインしてファミリーに追加している。
碑文系好きが止まらないのでまたも紹介。リガチャーが豊富なインペリアルキャピタルローマン。代表格のTrajanに比べるとやや刺々しくて硬い印象である。珍しいのはローマ数字のグリフがある事。和文フォントには入っているが、それと同じコードの部分に割り当てられている。ウェイトはレギュラーとボールドの2種あるが、他に字幅の狭いコンデンスバージョンがある。大文字だけで組むと行長が長くなりがちなので、こういうのは助かると思う。え~び~でぇ~ あいりっすんとぅまいは~♪
本日は七夕。これに合わせネタを探していたが、Milky Wayというなんか微妙なフリーフォントが見つかった以外、ロクなものは見当たらず。まぁ日本や韓国、中国の風習なので欧文にはそれにまつわるフォントなんかないの当たり前よね。んで色々考えた結果、織姫=織物=テキスタイル=テキストゥーラ=ブラックレターと強引にこじつけてこの書体を紹介する。名前もまぁキラキラしてていいかな(笑)。装飾は少なく、割とスッキリしたブラックレター。非常に珍しいことに、スモールキャップスとオブリークがある。ブラックレターは慣れないと字が判別しづらく、一般にはかなり読みづらいが、これは読みやすい方だと思う。結構使えるんじゃなかろうか。投稿時点で30%オフセール中。
昨日のTypodariumの書体。15世紀後半のドイツの芸術家、Daniel Hopferの作品を元に制作された書体だそうな。ルネッサンス期の雰囲気満載のデコラティブなローマンである。小文字はなく、オーナメントはドラゴンとペガサスぐらいだが、ウクライナのファウンダリーらしく、キリル文字もセットに入っている。ファミリーにはステムにドットが入ったものと、それぞれがセパレートになったものがある。
19世紀の英国の活字鋳造所・Stephenson Blakeの古い活字のデジタル版。割と有名な書体で、多分見たことがあるだろう。あちこちからデジタル版が出ているが、だいたいコンデンス体である。こちらは中でも少々珍しい普通の字幅のもの。また、だいたいシャドウが付いているが、こちらはファミリーにシャドウなしもある。実は8年前の年賀状(おおう8年前!)で使用したことがある。急に思い出したので紹介。アルジェリアと関係があるのかどうかはよく判らない。
本文用ローマン。ルネッサンス期の活字を参考にデザインしているとあるクラシックでエレガントな書体。なんか太さが不安定なステムで、活版印刷でのかすれを再現している…のかな。アップライトは注意しないと判らない程度に右に傾いている。イタリックはそれよりもさらにちょっとだけ右に傾いていて、大文字だけだと違いが分かりにくいほどだが、小文字にはちゃんと手書き感が出ている。ウェイトのバリエーションはないが、字種が大変豊富でオーナメント類もちょろっとある。非常に筆者好みの書体ではあるが、多分これを使うような仕事はない(涙)。
※なんとAdobe Typekitで使えることが判明。Creative Cloudをご利用の方は要チェケラ。
スワッシュが豊富なディスプレイローマン。これまで紹介したように、イタリックにスワッシュが多い書体はいくらでもあるが、アップライトに豊富な書体は珍しい。一応小文字もあるが、セリフにちょっとクセがあるので長文には不向き。やはり広告やパッケージ等の短文に向いているだろう。これも好みの書体で出た当時即買したものの、やはり仕事では一度も使ってない (TдT)。オルタネートはフォントファイルが分かれているので、ちょっと使い勝手が悪い。Pro版作ってくれないかなー。似たような書体に Odyssey があるが、こっちは小文字もないし字形そのものもあんまりかなという感じ。
セリフやブラケットが大きく、なんかぬちょっとしたローマン。アセンダーやディセンダーは小さめで現代的かと思いきや、プロポーションはなんかクラシックで、とにかく目に引っかかる特徴があって大好きな書体。g は特にフォトジェニックというかなんというか。8ウェイトあり、数字にもライニングとオールドスタイル、タビュラーとプロポーショナルと一通り揃っているが、あんまり長文には向かないだろう。紹介文にもある通り、広告やパッケージ等で力を発揮すると思う。その際はぜひともスペルに g を含んで欲しい(笑)。
お気に入りのCanada Typeの書体を紹介。やや刺々しくてコンデンスなローマン。どっちかというとディスプレイに近く、あまり長い文章には不向き。エフェメラのボディコピーなら耐えられるかなという感じ。’30年代後半のドイツの活字が元になっているそうな。元の活字の作者は不明だが、そう言われればKoch Antiquaによく似てはいる。この書体の売上の20%はタイポグラフィを学ぶ学生のための奨学金に寄付するそうな。
※元の書体のデザイナーはElizabeth Friedlanderという人で、この書体はNeufville Digitalからも出ているとの情報を得た。ありがとうございました。