サンセリフとセリフのバリアブルタイプ。バリアブルタイプは通常ウェイトが可変になるのだが、こちらの書体は Sans から Flare, Semi Serif, Serif, Extra Serif と段階を踏んで段々とセリフが生えてくるようになっている。それに伴い、ストロークもモノラインからコントラストが強くなっていく。サンプルの画像は Extra Serif で、やや個性的でディスプレイ向きとなっているが、Serif までは割とスタンダードなグリフで本文用途として問題ないと思う。現在は1ウェイトのみだが、購入者が増える度にウェイトが追加される模様。アクセント記号がほぼないっぽいので、海外販売を視野に入れるなら追加は必須だろう。オールドスタイル数字やスモールキャップスもあるとなお良い。制作はタカヤ・オオタ氏率いる kern。
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ライトウェイトのスラブセリフディスプレイ。こういうのも一応ジオメトリックというのだろうか、結構幾何学的なラインで構成された書体である。雰囲気的にはアール・デコでもあるだろうか、レトロでかわいらしい。4ウェイトあるが、一番重い Medium でも名前の通りミディアムなので、あまり小さくは使わない方がいいだろう。オルタネートは残念ながらナシ。
可読性の良いヒューマニストサンセリフ。アメリカのグラフィックデザイナー、William Addison Dwiggins (1880–1956) が1930年に制作した書体で、そのデジタル復刻版である。復刻には日本人タイプデザイナーの大曲都市氏が携わり、その経緯をご本人がブログで記してあるので、詳しくはそちらを御覧いただきたい。実はこの書体は知らなかったのだが、Dwiggins の伝記の復刻が Kickstarter で始まったのをきっかけに氏の書体を探したらこれがあった。かわいらしくもあり、ひと目で気に入ってしまった。オススメの書体です。ノーマル幅7ウェイト、Condensed 6ウェイト。
端正なオールドスタイルローマン。骨格は割とスタンダードだが、アウトラインが若干変わっててやや不安定な曲線となっており、どことなく古い活版印刷のニュアンスがある。イタリックはさらに古風。字種が非常に多く、ギリシャ文字とキリル文字もある他、各種数字や記号類も多数あり、計1200を超える。ウェイトは8種あるがウェイト差は微妙で、本文用途に特化しているのが伺える。が、アウトラインが変わってるので大きく使ってもおもしろいだろう。
スッキリしてバランスよく読みやすいジオメトリックサンセリフ。ややヒューマニスト寄りのためか大変目に優しく可読性の良いジオメトリックで、クセがなくスッキリしている。かと思いきや i や j の上部がちょっと欠けており、僅かな特徴だが頻出する文字のためか割と目立ち、おもしろい効果を生み出している。これだけしっかりした書体ながら、グリフ数が少ないのがちょっと残念。3ウェイト。
素朴で読みやすいヒューマニストサンセリフ。1930年製作と古い書体で、Futura のようなジオメトリックが急激に人気が出てきた頃に、それに反発して作ったそうな(笑)。古代の碑文や手書き写本の書体からヒントを得たそうで、なるほど古いグリフをしている。ストロークはほぼモノラインで、ストロークの端にほんのり小さなウェッジ型のセリフが付いているが、ほんのり過ぎてフレアセリフのようにも見える。イタリックはさらに手書き風味が強くなり、またあちこちクルッとカールしているのが特徴的。スモールキャップスやオールドスタイル数字もあってなかなか使い勝手も良い。4ウェイト。
可読性の良い機能的な本文用スラブセリフ。あんまり長文用のスラブセリフというのはないが、これは結構な長さにも耐えうる大変読みやすい書体である。グリフ数も1000近くあり、スモールキャップスやオールドスタイル数字はもちろん、かなりの数のアクセント記号およびキリル文字も用意され、ほとんどのラテン・キリル文字圏の言語は組めるだろう。名前は「合理主義者」といった意味。10ウェイトあるほか、バリアブルタイプもあり。ただいま40%オフセール中。
シンプルでスタイリッシュなディスプレイサンセリフ。大文字のみでやや幅広、字間も広めに設定されており、Sackers Gothic のようないわゆるカッパープレートゴシック風味を持っている。オルタネートどころかスモールキャップスすら持っておらずかなり潔い。その分シンプルで扱いやすいだろうが、かっこよく使うには結構センスがいる。腕試しにいいかも。6ウェイトとウェイトは多め。
ちょっとおもしろいオルタネートを持つジオメトリックサンセリフ。基本はxハイトが大きめでスタンダードなグリフのジオメトリックサンセリフだが、見ての通り滴というか葉っぱというか、その辺の形をベースにしたオルタネートを持っている。背景の爽やかなグリーンから、やはりその辺の用途をイメージしていると思われる。エコやスポーツなどの商品ロゴに最適だろう。イタリックもあって5ウェイト。
クラシカルな正統派本文用オールドスタイルローマン。作者がスウェーデン語版の『指輪物語』初版を購入した際、Berling で組まれた本文を見て感動して制作したとの事。Berling の(おそらく)ベースとなった Weiss も参考にしたとある。セリフがやや小さめで太く、また J や R のテーパードになっているところも少し太めで丸く処理されており、小さな本文サイズでチカチカしないようにという配慮だと思われる。また画像にあるようにルネサンス風のオーナメントも付属しており、全体的にホントにクラシカル。ウェイトは2ウェイト、しかも Bold にはイタリックもない、という完全に書籍本文を意識したセットとなっている。