最近じゃめずらしいレトロなグロテスク。19世紀後半の書体からインスパイアされたものとのこと。ノーマルと Display の2種があり、ノーマルの方はほぼモノラインでコントラストが弱い。C の巻き込みが強いのが特徴的。Display の方は横線のみがかなり細くなるというあまり見ない処理がされており、おもしろい効果を生み出している。全体的にどことなくラテンアメリカの雰囲気があるだろうか。双方とも字幅が3種類あって、9ウェイトずつで合計54種とビッグファミリーとなっている。名前のカンペチェとはメキシコの都市名。
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昨日と今日(5.8, 9)の2日間で「こはくの日」だそうなのでこちら。かなりヴィンテージ感の強いディスプレイ。ヴィクトリア朝時代に流行ったようなデコラティブなディスプレイで、ほぼモノラインのストロークにセリフはタスカン(魚尾風)。曲線や小さなトゲなど、全体的に植物的なニュアンスが加わっている。大文字にはちょっとしたスワッシュの付いたオルタネートあり。名前の通り、古いウイスキーのラベルなどに使われてそうである。この手としては珍しく7つもウェイトあり。
アメリカンヴィンテージ風味のあるディスプレイ。やや拙いレタリング風味のグリフで、小文字はなくスモールキャップス。大文字のグリフにはちょっとしたスワッシュがあり、小文字の方には特に飾りのないシンプルなグリフが収まっているが、代わりにリガチャーが多数ある。スタイルに、ノーマルな Regular、アウトラインがやや歪んだ Rogh、フィルが荒れた Stamp がある。まあ大体 Stamp を使うだろう(笑)。それぞれ1ウェイトのみ。
なんとも分類しようのない、ヴィンテージ感のあるディスプレイ。曲線を多用したオーガニックなグリフが特徴で、アール・ヌーヴォー風味もあるだろうか。全体的にはほぼモノラインで、ウェッジ型の太いセリフが付いている。小文字はなくスモールキャップスだが、ただ小さくしたのではなく、縦にちょっとプロポーションが縮んでいる。オルタネートやリガチャーは皆無。あるとちょっと楽しそうなので、バージョンアップに期待。1ウェイトのみ。
久々に紹介する変形モダンディスプレイ。モダンローマンをベースにグリフにちょっとした変形が施され、また部分的に水面の波に歪まされたようなアクセントが付いている。高級感と、なぜか全体的にちょっとヴィンテージ感が漂ってるかなという感じ。デカデカと使うのがよろしかろう。1ウェイトのみ。
本日『フォントの日』らしいが、といってそんな日に何を紹介したものやらと思案した挙げ句無視することにした(笑)のでこちら。イタリアンアール・デコ風味のサンセリフディスプレイ。アール・デコらしくやや幾何学的風味があるが、どこらへんがイタリアンかというと、M や N の鋭い肩なんかを見ると筆者などは「あーねー」という感じがする。Louise Fili 氏の Grafica Strada なんかを参照するとよく分かるだろう。字幅に4種類あって、ノーマルの他 Sm(セミ)Condensed、Condensed、XCondensed の順に幅が狭くなる。それぞれにイタリックもあって8ウェイトずつで計72種とビッグファミリー。ただいま45%オフセール中。
レトロでリガチャーが豊富なウェッジセリフのディスプレイ。基本はコンデンスでほぼモノラインのグリフにウェッジ型のセリフが鋭く付いた書体で、見ての通りレトロなリガチャーが多数ある。小文字はなく、画像には「スモールキャップス」とあるが、というよりはリガチャーに使うため小さくしているという感じ。名前は「手斧と矢」という意味で、とにかく遠隔攻撃したいようである(笑)。1ウェイトのみ。
かわいらしいアール・デコ調のファットフェイス。シルエットを極力単純化しており、文字として認識できるギリギリのラインを狙ってて大変おもしろい。大文字のみで、小文字の部分にはカウンターがあって読みやすいタイプを、大文字の部分にはそれらさえも取り除いたかなり攻めたタイプのグリフを収めている。可読性を捨ててみるのもいいだろう(笑)。小さく上付きになったグリフや、それにアンダーラインの入ったグリフなどもあって、結構文字組みは楽しめそう。名前のヴァレーゼはイタリア北部の都市名。1ウェイトのみだが、角が丸くなった Varese Soft というバージョンもあり。
本日はドイツの建築家でバウハウス3代校長ミース・ファン・デル・ローエ Ludwig Mies van der Rohe の誕生日(1886)。というワケでこちら。バウハウスっぽい(?)ジオメトリックサンセリフ。このバウハウスと1930年代のサンセリフにインスパイアされたものだそうである。少々幾何学的寄りで、文字としてちょっと奇抜なグリフになっているが、それがレトロな雰囲気を醸し出していておもしろい。ITC Bauhaus をはじめバウハウスの名を冠した書体はいくつかあるが、これは中でも読みやすい方だろう。オブリークタイプのイタリックもあって6ウェイト。
本日はアイルランドの祝日、『聖パトリックの日 St. Patrick’s Day』ということでこちら。当地の古いカリグラフィー書体インシュラー Insular を元にした書体で、それそのままではなく、G 以外は普通のグリフをそれっぽく変形させているだけという変わった書体である。小文字はスモールキャップスというよりただ縮小しただけでウェイトが揃っておらず、正直に言えば完成度はちょっと疑問なのだが(笑)、まあこんなのもいいんじゃないでしょうかね。1ウェイトのみ。