コントラストの弱い本文用正統派オールドスタイルローマン。一見普通なのだが、拡大してみると細部にまで手を抜かずどこかしら手が入っており、単純な線がどこにもない。ボウルは繋がってない所が多い。イタリックはだいぶルネッサンス期っぽくなっており、d などは古いスクリプトの形をしている。字種は豊富で、ヨーロッパ各国をフォローしている他、オーナメント類も少々入っている。2ウェイトしかないが、とにかくとてもデザイン的に安心する書体である。Typekit に入っているので、Adobe CC な人は購入の必要なし。名前は「カササギ」という小鳥の事で、そのグリフが入っている。
Category: Serif
トゲトゲしく鋭い感じのするちょっと変わったローマン。骨格そのものは割とスタンダードなオールドスタイルだが、セリフがナイフのように鋭く、コントラストもやや強めで目に刺さりそうな書体である。印象としてはモダンローマンに近いだろうか。作者は Adobe 所属の名デザイナーで、ビッグファミリーをよく作る。これもオプティカルになっており、レギュラーとキャプション、見出しと小見出し用があり、それぞれ4ウェイトずつ。ほか、キリル文字とギリシャ文字もサポートしている。名前は Adobe の共同設立者の一人、John Warnock から取ったそうな。
デコラティブなヘヴィウェイトのローマンディスプレイ。Mantinia に雰囲気が似てるが、あちらは古代の碑文がモチーフになっており、こちらの方がそれよりはぐんと時代が下って、アール・ヌーヴォー調である。ティム・バートンの映画や「ジョジョの奇妙な冒険」などのゴシックパンクに似合いそうな雰囲気を持っている。1ウェイトのみだが字種は結構豊富で、全大文字に王冠が載っかったグリフがある。ほか、白抜き+影付きのタイプと、オーナメントとイラストアイコン(dingbats)がファミリーにあり。チェスの駒や前輪が巨大な自転車(ペニー・ファージング)など19世紀後半のものをモチーフにしたものがいくつか入っていて、非常にコンセプトのしっかりした書体である。この辺が好きな人にはたまらないであろう。ただいま72%オフセール中。
明日1月28日は印刷史に名を残す18世紀英国のプリンター、John Baskerville の誕生日。というわけでトランジショナルローマンの代表格である Baskerville を紹介。いくつかのファウンダリーから様々なバリエーションの Baskerville が出ているが、これが一番出来が良いかなと思う。招待状やディプロマ等で全然使えそうなほど、大変クラシックで堂々としており、さすが Original をうたうだけはある。筆者はオリジナルを知らないが(笑)、まぁそうなんだろう。本文用の 10 とディスプレイ用にウェイトの軽くなった 120 があり、それぞれに3ウェイトずつあり、当時風のオーナメントもグリフの中にある。また恐らく当時はなかったろうが、この書体ではギリシャ文字とキリル文字をサポートしている。じゃあオリジナルちゃうやんとかいうツッコミは野暮。
本日はビートたけしの誕生日だそうな。たけしと言えばコマネチ、という事でそのファーストネームを持つ書体を紹介。ヘビーウェイトなステンシルタイプのモダンローマンディスプレイ。Granjon をベースにしたとある。アップライトとイタリックがあり、イタリックにはスワッシュのついたバージョンが別にある(オルタネートではない)。名前は作者の娘さんから取ったそうで、娘さんの結婚記念に作ったものらしく、MyFonts には娘夫婦の幸せそうな写真がちょいちょい。はいはいよかったねお幸せに(笑)。
カリグラフィーで使うブロードペンで書いたローマン。レタリングではなく、ほぼペンで一発で書いていると思われる(フォント化にあたって多分修正はしているだろうが)。カリグラファーならば結構簡単に再現できるだろう。筆者は割と自信がある(笑)。アップライト、イタリック共にちょっとしたスワッシュオルタネートがある。イタリックの方はだいぶカリグラフィー寄りになっているが、コネクションは取らず、あくまで活字っぽくしている。オプティカルファミリーで、レギュラーと Caption、Display、SubHead がそれぞれ5ウェイトあって、それとは別に Poster という極細のものが1つある。優雅さを保ちながらも、普通のカリグラフィー書体より可読性がかなり良くなっているので、色々使い勝手の良い書体となっている。ただいま30%オフセール中。でも $1,000 超えるけどね…。
非常にクラシカルな雰囲気を持つヴェネチアン。小さなx-ハイトとコントラストの弱いシルエット、e の斜めのバーなどヴェネチアンのお約束を供えた書体で、手書きのつたなさが残っており、黒みの統一が取れておらず文字によってウェイトがバラバラである(笑)。オマケに e には変な髭飾りが付いている(フランス語で使うセディラ記号ではない)。あとスペース(空白文字)がやたら広いのも特徴的。文を組むと単語間が空きすぎてパラパラした感じになるが、この辺もクラシカルな感じがして面白い。イタリックは一応あるが、なんか機械的に傾けただけな感じがするのが残念。ま、筆者的には結構好きな雰囲気ではある。
本日は「囲碁の日」「いちごの日」らしいが無視する(笑)。コントラストが非常に強いモダンローマンディスプレイ。プロポーションはややぼったりしてるが、大変ラグジュアリー感がある。セリフは普通のモダンローマンのようなヘアラインではなく三角形で、最近入手した資料によれば、こういう形は wedge というっぽい。オルタネートはまったくないが、普通に組んでも結構目を引くだろう。ちょっとでも小さくするとヘアラインがすっ飛んでしまうので、かなり大きめに使う必要がある。1ウェイト。
フランス語で「騎士」の名を持つ王道のカッパープレートローマン。小文字のない(スモールキャップスはある)書体で大変高級感があり、名刺などの社交用によく用いられる定番書体である。最近はまぁWebサイトのURLやメールアドレスなどがあり、これでは組めないのでなかなか使用機会も減っているが…ま、これを使う時はそれらを入れるのは野暮ってもんだろう。情報よりもエレガントさを優先してネ(笑)。オープンフェイスとシェーディングタイプがあり、オープンフェイスには通常の大文字とスモールキャップスのベースラインが揃ったものと、大文字が下がった(あるいはスモールキャップスが上がった)タイプがある。シェーディングタイプには四角で囲まれた白抜きのイニシャルタイプがあり。元はスイスのハース社(Haas)から発表された活字書体で、Linotype などいくつかのファウンダリーよりデジタル化されている。
ややコンデンスなフレアセリフっぽいディスプレイローマン。セリフが結構独特な形をしており、見方によってはフレアセリフかなとも思う。コントラストが強くモダンローマンっぽい雰囲気があり、結構ラグジュアリー感がある。字幅が狭く、x-ハイトは大きくアセンダーやディセンダーは小さいので、一見新聞本文用かなとも思える特徴を備えているが、でもやっぱりイタリックもなくヘアラインがあるので本文向きではないだろう。5ウェイト。キリル文字もサポート。ただいま75%オフセール中。