暑いのでエスニックな香りのする書体を紹介。ブルガリア語で「組紐」を意味する名を持つディスプレイ。セリフとサンセリフがあるが、見ての通り違いは非常に微妙。正直可読性は死ぬほど悪いが(笑)、なんだろな、沖縄の人は判ると思うが、ラマヤナとかで使われてそうな書体である。ブルガリアの古い協会とかで使われていた書体からインスパイアされたらしいが、なんでこうもインドや東南アジアな香りがするのだろう。勝手な解釈だろうか。エスニック料理レストランのロゴとかで使えるかもしれないが、「これなんて読むの」と聞かれても俺は知らない(笑)。
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DINのように主にサインなどに使用されることを想定して制作されたサンセリフ。ノーマル幅とコンデンスがあるが、ノーマル幅もやや字幅は狭め。全体的にジオメトリック気味でx-ハイトやカウンターは大きめになっており、視認性を重視していることが伺える。このCore Sansはシリーズ展開されており、いわゆる普通のCore Sans Aの他、ジオメトリックなCore Sans G、ファンシーなCore Sans M、ちょっとおもしろめなCore Sans N、それを丸っこくしたCore Sans NRがあり、そのどれもがクオリティも高くファミリーも豊富。ファウンダリーのS-Coreは韓国のスタジオ。昨日のタイといい、アジア圏もガンバっております。ちなみに投稿時点で80%オフ。
つい最近発表のあったディスプレイローマン。コントラストが強く、奇抜という程でもないが、なかなか個性的でおもしろいエレメントをしている。細いウェイトだとあまり気づかないが、太い方では顕著だ。こういう書体は目にうるさくなりがちではあるが、これはよくまとまっていて洗練されていると思う。スワッシュやリガチャーなども結構ある。ノーマルで4ウェイト、よりコントラストの強いHeadlineで2ウェイトあるほか、デコラティブなInitialsがある。作者はバンコク在住の模様。作者名が記載されていないので何人かは不明だが、もし現地の人なら相当な勉強家だと思う。Facebookページはこちら。開発途中の画像がいくつか見られる(タイ語なので何書いてるかは不明・笑)。この記事の投稿時点で50%オフセール中。
20世紀前半アメリカンを思い起こさせるデコラティブなローマンディスプレイ。こういうハリウッド映画のタイトルやチョコのパッケージあったよなぁという感じがする。アップライトだが、ぐねんぐねんのスワッシュが鬼のごとく入っており、好き放題飾り付けができる。644ものオルタネート、98のリガチャーがあり、of や in のような頻出する接続詞(キャッチワードと呼んでいる)も6つ入っている。親切にも YouTube に Illustrator での使用方法を解説した動画がアップロードされている(コレとコレ)。Pro版にはすべてのグリフが入っているが、異体字切り替え機能のないアプリケーション用に、オルタネートはバラでも販売されている。
古い活字見本や広告、街角の看板などから、とにかくスクリプトだけを集めたビジュアルブック。文章は序文に4ページほどあるだけで、あとはすべて図版のみ。なので英語読めませんな人もまったく問題なし(笑)。文字好きはもうただ眺めてるだけで楽しめると思う。私が購入したのは3年ほど前だが、その頃はまだハードカバーがあった。今Amazonではハードカバーは法外な値段が付いてるが、ペーパーバックは普通の値段。こんな高値が付いてるんなら売ろうかな…インコに表紙かじられたけど(笑)。
ローマンの骨格を持ったOptima風味のディスプレイサンセリフ。Optimaに比べてより女性的で柔らかい雰囲気を持っている。作者のDoyald Young氏は日本の企業とも仕事を行っていたようで、氏の著書にはかなりの数の日本向けにデザインしたロゴが掲載されている。大変優雅なスクリプトが多く、カリグラフィー作品は見たことがないが、そちらの方の腕もかなりのものだったと推察される。氏の著書はなぜかAmazon等で取り扱いがなく、直接連絡して取り寄せたことがあるが、当時82歳のご本人がメールで直接やり取りしてくれてちょっとびっくりした。氏は残念ながら2011年にご逝去されたが、これだけの腕を持ちながら、フォントはこれを含めて5つほどしか作ってない。もっと作って欲しかったなぁと悔やまれる。
フレンチ風味のスクリプト。このブログではスクリプトを多数紹介してきたが、このテは初めてだと思う。サンプルイメージのMを見てもらえれば判るが、他の国ではあまり見ない書き方をしていて特徴的。正直言うとファミリーもオルタネートもないし、1字1字はあまり質は良くないかなーと思うが、組んでみるとそんなに悪くはない。でもちょいーと字間が広めかな。名前は超有名高級ワインのシャトー・マルゴーから。
大御所Sumner Stoneデザインの書体。インペリアルキャピタルとBodoniにインスパイアされたとあり、その通り堂々とした骨格でありながら繊細なセリフを持っている。大文字はややコンデンスで、多分大文字だけで組まれることを想定している。イタリックにはスワッシュバージョンもあり。本来はステムにラインが入ったInline というバージョンもあるはずだが、なぜかMyFontsでは扱ってない。完全なファミリーのサンプルは、Stone Type Foundryのサイトで見ることができる。
スワッシュが豊富なモダンローマンディスプレイ。もうこのテは飽きたとか言わないで(笑)。好きなんだからしょうがない。ヘアラインが非常に繊細で、ウェイトが細かろうが太かろうがヘアラインの方は変わらないというディスプレイ専用書体。その分x-ハイトやカウンターは大きめで、可読性は確保している。イタリックのみならずアップライトにもスワッシュが非常に豊富。キリル文字のグリフもあり。よく似合うオーナメントも揃っている。販売サイトには68ページに及ぶ使用マニュアルがPDFで配布されているので、先にそれを見てみるのもいいだろう。名前はスペイン語で「空気(air)」の意。投稿時点でMyFontsベストセラー12位。3ウェイト。
で、前の投稿で出た書体の紹介。20世紀前半に活躍したアメリカのタイプデザイナー、Frederic W. Goudyのデザインした書体。一見普通の書体のようだがエレメントが特徴的で、特に Q や g、 z などは他ではあまり見られない形をしている。こんだけ珍妙だとうるさそうだが、骨格がスタンダードなため、さほど違和感はない。全体的にクラシックでありながら可愛らしい書体。元々アップライト1ウェイトのみだったが、デジタル化にあたり、イタリックとボールド、それとオープンフェイスを新たにデザインしてファミリーに追加している。