マルチスタイルのディスプレイファミリー。サンプルイメージには4種類の書体が使われているが、一番大きな書体名を書いてるヤツはなんと書体としては入っていない(なんでやねん!)。オーナメントの一つとして、この書体名がひとつのグリフになって入っている。…意味不明だ。まぁそれはさておき、他の2種に加えサンプルには入っていないあと3種、計5種のディスプレイ書体のファミリーとなっている。「UNE…」と組んでるのが Crypte、上下の小さい字が Metier である。ほか、Metier のクセを強くしたような Fait Divers、ジオメトリックサンセリフの Poste、Poste と Meiter の中間のような Midi がある。全部小文字はなし。
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フレンチ風味のあるスクリプト。フランス人の Marcel Heuzé という人の筆致からデザインを起こしたものだそう。能書家だったんだろうか…だろうな。じゃないとこんな字は書けまい。第2次大戦中、ドイツから家族に宛てて書いた書簡などを参考にした模様。オーナメントやオールキャップスのローマンなどがファミリーにある他、書簡らしく消印のアイコンがたくさんある。8月はね、やっぱり戦争関連のなんか色々出てきますやね。うん。
カリグラフィーペンで手書きで書いたようなローマン。…て言っていいのか分からないけど、ともかく字形はローマン。全体的に手書きのブレが残っており、ディスプレイかと思いきや字種はスモールキャップスやアクセントがかなり豊富で、本気の本文用仕様である。ノーマルと Display の2種があり、それぞれに5ウェイトある。イタリックにはカリグラフィーらしく、ちょっとしたスワッシュもあり。
きゃわいらしいスラブセリフディスプレイ。手書き風の拙い線で書かれたコンデンスな書体で、x-ハイトがキャップハイトの半分程度。字形も丸っこく、見ての通りかなり可愛らしい。サンプルにあるオーナメント類もファミリーにある。字幅は少し広めの Extended と2種あり、それぞれに2ウェイト。ただいま20%オフセール中。
皆様GWいかがお過ごしでしょうか。休日は極端にアクセスが減るこのブログだが、アフィリエイトのためにせっせと更新してみる(やらしいな)。オープンフェイスのローマンディスプレイ。Caslon 風オールドスタイルローマンの王道といった感じで、エレガントでありながら威風堂々としている。本文用の Adoriane Text のファミリーなので、組み合わせて使うといいだろう。ただいま30%オフセール中。
スワッシュイタリックしかないサンセリフとでも言えばいいだろうか。まぁそういうサンセリフなので、ディスプレイと分類した方がいいだろう。FTN Lisboa(なぜかこっちはMyFontsにない)のスワッシュイタリックバージョン。やや Gill Sans 風味のあるヒューマニストで、大文字にはスワッシュを採用している。いくつかはちょっと字形の違うオルタネートがある。リガチャーは結構豊富。普通のスクリプトだとクラシックすぎるな、という時に選択肢として入れられるんじゃなかろうか。
ヴィクトリア調のデコラティブなローマンディスプレイ。見ての通りセリフに魚の尻尾のような食い込みがあり、たったそれだけなのだが、それがちょっとおばさん趣味な(笑)感じを醸し出している。小文字はなくスモールキャップス。いくつかの字には字形が違うオルタネートが入っていて、色々とバリエーションが楽しめる。スワッシュはほとんどない。まぁこれにスワッシュまで付けるとちょっと鬱陶しくなるだろうな…。5ウェイトあって、Regular はなんと無料でダウンロード可能。ただいま50%オフセール中。
本日天皇誕生日、英語だと The Emperor’s Birthday らしいので、エンペラーにまつわる書体を。ローマ帝国五賢帝の一人に数えられる、トラヤヌス帝のファーストネームを冠するディスプレイローマン。洋書のタイポグラフィの教科書を開けば、まず最初にこのトラヤヌスの時代に建てられたダキア戦争の戦勝記念柱に刻まれた碑文が登場する。なぜなら、ここに刻まれた書体がすべてのローマン体大文字の基礎となっているからである(実際はこれに匹敵する美しさを持つ碑文は他にもたくさんあるようだが、これが一番使われている字種が多いそうである)。これを参考に作られた書体で代表的なものが Trajan なのだが、これは Adobe 製品を購入すれば自動的に付いてくるのであまり紹介する意味がない。なのでちょっと変わったこの書体を紹介する。碑文の書体はもちろん「のみ」で刻まれたものだが、下書きは平筆でもってされていたとされており、現在カリグラフィーでも最高難度の書体として受け継がれている(ちなみに筆者は2年以上練習してるがまだマトモに書けない)。この平筆で書いた感じをそのまま残した書体である。以前もこのテの書体で Stevens Titling とか紹介したことがあるが、こちらは通常はない小文字が付いている。大文字のプロポーションは大変美しく、小文字もそのテイストをキレイに受け継いでいる。リガチャーも色々あっておもしろい。スモールキャップスもあり。フォーマルな用途に。
プロポーションが腰高だったり頭でっかちだったりでおもしろいジオメトリックサンセリフディスプレイ。一見 Kabel っぽいだけじゃんと思うだろうが、おもしろいのがファミリー展開。昔 Mac に付属していた Chicago のようにステムの太さに極端な差を付けた Cocktail、くるんくるんのツタが飛び出したような飾りが付いてる Swirl、ステムがダブったりドットになったりしていてSFチックな雰囲気を醸し出している Escapade というファミリーがある。サンプルイメージが1つしか掲載できないので(というかあえてそうしている。気を使ってるのよ)、とにかく MyFonts 行って確認して欲しい。リガチャーが豊富なので、組んでておもしろいと思う。
しつこく書籍紹介。サブタイトルがクソ長いのでこちらに書くと Monograms, Crests, Ciphers, Seals, and the Etiquette of Social Stationery となっていて、ステーショナリー、つまり名刺やレターヘッドなどのエチケットやマナーなどを解説した内容になっている。序章は完全に銅版画の話で、我々タイポヲタクにとっては興味のない内容だが(笑)、本編以降、ちょっと文章が長くて英語が苦手な方はツラいかもしれないが、図版も多く、適した書体の紹介もあり、結構楽しめると思う。何より本そのものの佇まいが美しい。表紙も本文組も文句なし。特徴的なのが本文書体。Bertham というちょっと変わったものを使っている。
また、この本で紹介している古い書体をデジタル化したもの2書体が、Fonts.com のサイトからダウンロードできる。