日本のフォントメーカー、モリサワ初の欧文専用書体。デザイナーに Windows 付属の Georgia や Verdana などをデザインしたマシュー・カーター Matthew Carter 氏を迎えて開発された。セリフの Role Serif、サンセリフの Role Sans、スラブセリフの Role Slab、丸ゴシック(?)の Role Soft の4種がある。見本は Serif で、筆者の印象としては、硬い骨格や揃い気味の字幅、膨らんだウェッジ型のセリフなどがオランダ風味があるなぁと感じる。他の3種も基本的な骨格は同じでセリフが違うのみ。オプティカルファミリーで、看板用途?の Banner、見出し用の Display、本文用の Text があり、それぞれに7~9ウェイトある。もちろんイタリックもあり。
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本日はフランス出身のアメリカのデザイナー、レイモンド・ローウィ Raymond Loewy の誕生日(1893)。『口紅から機関車まで』というキャッチフレーズで表現されるほど様々な分野のデザインを行っており、中でも有名なのはタバコのラッキーストライクだが、調べたら不二家の LOOK チョコレートのパッケージもデザインしていたようである。というワケでそのものズバリの書体は見つからなかった(多分オリジナルのレタリング)が、LOOK のロゴに似ている書体を紹介。長文にも耐えうる可読性の良いジオメトリックスラブセリフ。普通はジオメトリックだとクセが強くであまり長文には向かないが、これはサンプルを見る限り、普通のセリフ体と比べても遜色のない、読みやすい書体である。ギリシャ文字とキリル文字もサポート。ファミリーも豊富で、字幅の広い Extends と細い Condensed があり、それぞれイタリックがあって9ウェイトずつで合計54書体とビッグファミリーである。レギュラー幅の Bold がロゴに近いかな。字間はべったりくっつけるとなお良い(笑)。
可読性の良いジオメトリックサンセリフ。なんだかサンセリフを紹介する時同じようなものばっかりなので気がひけるのだが(笑)、まぁ本文用書体はそういうもんなので見逃して欲しい。これでもちょっとずつ違いはあるんですよ当たり前だけど…。さ、そんな事はさておき。最近の書体としてx-ハイトが小さめで、a と g に2階建てを採用しており、より本文用として意識された設計になっている。レギュラーバージョンの他に Alt というバージョンがあり、こちらはストロークの端の形がほんのちょっぴり違う。例えばレギュラーの A の両足はベースラインで水平に裁ち落とされているが、Alt の A は右足がストローク方向に角度が付いている。この微妙な違いが一体どう視覚に影響するかはよく解らないが(笑)、ともあれそうなっている。ウェイトは10もあって豊富。
めずらしくオールドスタンダードな書体を紹介。活字時代からある本文用オールドスタイルローマン。元は15世紀イタリアのプリンター、アルドゥス・マヌティウス Aldus Manutius が印刷したピエトロ・ベンボ Pietro Bembo の著書「De Aetna」の活字を参考にデザインされたもので、なのでこの名が付いている。まぁとにかくスタンダード、というかこの辺のスタイルの大本(おおもと)に当たるので、それもそのはずという感じではある。大文字がやや幅広で、R のレッグがぐぃっと出てるのが特徴的。ノーマルと Infant というタイプがあり、Infant(幼い)の方は a と g が1階建てで、y のディセンダーがフック状になっている。ノーマルの方は4ウェイトある他、Titling という大文字のみでグリフも若干違う見出し向きのものがある。Infant は2ウェイト。
格調高いクラシックな正統派ローマン。本文用のオールドスタイルローマンだが、大文字だけだとローマンキャピタル風味もあって堂々としており、非常にエレガントでカッコいい。字種も非常に多く、ベトナム語も含めた多数のアクセント記号があり、スモールキャップスはもちろん、丸数字を含む各種数字のほか、なぜかチェスのコマアイコンがあったりする。リガチャーも多く、アセンダーに伸びるステムを持つ小文字と f とのリガチャーはすべてある。つまり l だけではなく b, h, k のリガチャーもあるのが珍しい。なぜ多くのフォントがこれらのリガチャーを持たないのかというと、この並びを持つ単語がヨーロッパにはほとんどないからである(英語だと surfboard ぐらい)。知らない言語や造語にも対応したいという事かもしれない。イタリックもあって6ウェイト。ただいま80%オフと非常にお買い得。
名前の通り、スクリーン環境での利用に最適化されたサンセリフ。PCやモバイル端末での文字の見え方を徹底的に研究し作り上げたようで、こちらにその開発過程のレポートが公開されている。見れば判るがメチャメチャ長い(笑)。それだけ本気で気合を入れて作ったというのが窺える。長文を組んでみないことには判らないが、グリフを見る限りは確かにスッキリして見やすいかなという印象はある。キリル文字はもちろん、多数のアクセント記号と、インターフェイスでよく用いられるアイコン類も含め、グリフ数は1000近い。素晴らしいフォントなので、できれば Google フォントかなんかで無償公開を…とかWeb開発者としては思うが(笑)、まぁ買ってあげるべきだよね。イタリックもあって9ウェイト。モノスペース版もあり、こちらは2ウェイト。ただいまなんと75%オフセール中なので、Web屋さんはぜひ。あ、日本語じゃないや…。
本日『ドイツ統一の日』。若い人は知らないだろうが、ドイツは1949年から1990年のこの日まで東と西に分かれており、それを象徴するようにベルリン市内には東西に分断するための長大な壁が築かれ、これに許可なく近づこうものなら命はない、というような時代があった。細けぇ事はググって欲しいが(笑)、1990年のこの日は東西ドイツが再統一された日である。
てなわけでベルリンの名を持つ書体を紹介。非常にミニマルなジオメトリックサンセリフ。Futura でいいじゃんと思う方はあいや待たれよ。x-ハイトが大きく、a に2階建てを採用したり、j のテールがちゃんと曲がってたりして、Futura よりは本文用として可読性が考慮されている。イタリックがない所がちょっと残念だが、4ウェイトあって使い勝手も良い。Futura ではとんがりすぎててどうかなー、というケースに使えるだろう。
可読性の良いヒューマニストフレアセリフ。この Nomada はシリーズ化されており、同じ骨格でいろんなセリフのスタイルが開発されているが、こちらはそのフレアセリフ版である。incise とは「彫る」という意味なので、碑文風だという事だろう。骨格がよくできており、可読性は非常に良い。ウェイトが太くなってもそれはあまり損なわれず、大変優秀な書体であろう。イタリックはほんの僅かに傾いている程度だが、グリフはちゃんとイタリックになっている。ウェイトも9つと豊富。
ちょっと変わった現代的なローマン。セリフがモダンローマンというには太く、スラブセリフというには細いというなかなか分類に困るスタイルで、骨格もスーパー楕円(詳しくはググりたまえ)をベースにしているというおもしろい書体である。x-ハイトが大きく割と可読性は良好で長文にも耐えうるが、大文字にはかなり多くのリガチャーが用意されており、ディスプレイとしても重宝するだろう。イタリックもあり、字形もちゃんとイタリックしているが、傾きが非常に弱く、パッと見はアップライトと勘違いするほど。それも個性的でおもしろいだろう。6ウェイト。ただいま70%オフセール中。
ちょいコンデンスで読みやすいヒューマニストサンセリフ。ヒューマニストがベースになっているもののエレメントが単純化されており、そのムダを省いた感じが現代的な雰囲気を醸し出している。x-ハイトはやや小さめながら可読性はよく、またやや幅が狭めなので、サインなどに結構いいのではという感じ。さらに幅を狭めた Condensed もある。レギュラー幅とともに4ウェイトずつでイタリックもあり。ただいま50%オフセール中。