Mantiniaと似たような、クラシカルなディスプレイローマン。ややステムの抑揚が強くクセが強いが、Mantiniaにはない小文字があり、かつリガチャーやオルタネートが非常に豊富。ただ、これらの使い方を知っている人は少ないように思う。中世の古い文献を紹介してるような書籍なら使用例を見ることができると思うので、興味のある方は調べてみて欲しい。あと販売サイトでは、通常の量を遥かに超える50ほどの作例も見ることができる。名前はスペイン語(あるいはポルトガル語)で「エメラルド」の意。決してフェニックス一輝の愛した少女のことではない。
Archive: 2014
本土の方はまだだろうが、沖縄は梅雨まっただ中。なので「雨の前に」なんていう名前の書体を紹介。大文字と小文字のサイズの差が大きく、大文字はカウンターを広めに取っているのが大きな特徴。リガチャーやスワッシュなども割と豊富。作者はスウェーデン人の模様。全体的に女性性が強く出ているように感じるが、北欧系の名前に疎いので、名前だけでは男性か女性かさっぱり判らん。
母の日第2弾。花のシルエットをフォント化したもの。…まぁそれだけ。こういったフォントはいくつかあるが、中でもこれはデキがいい。Uのグリフがカーネーションっぽく見えなくもないかな…。この We Love Nature シリーズはいくつかあって、この Stems のバージョン2、夏の花だけに特化した Summer Flowers、花の部分だけのシルエット Blooms とそれのアウトラインの Blooms Outline、葉っぱだけの Leaves、その秋の落ち葉バージョンの Autumn Leaves、木(?)のシルエットの Forest がある。あいをこめ~て~は~なたばを~♪
今週末は母の日。いつもおいしいご飯を作ってくれる(くれてた)あなたの私の母に感謝を込めて、台所用品のイラストフォントを紹介。これで肩たたき券でも作ってプレゼントすれば喜ばれるんじゃなかろうか(そうか?)。おかあさんありがとう。
久々の投稿。皆様GWはいかがお過ごしでしたでしょうか。俺は仕事だよ!(激おこ)
まぁそんな事はさておき、能書家が専用のペンを使って書いたのではない、普通の人の普通のペンによるガチな手書き感のあるスクリプトを紹介する。何年か前、とある高級車のCMで、チャールズ・イームズの言葉を手書きしてるようなアニメーションが流れていたが、使われていた書体が非常に優雅なカリグラフィー書体・Zapfino で、ものすごく違和感があったのをよく覚えている。ラストのイームズのシグニチャーともまったく合っていなかった。ああいう用途にはこの Quickpen のようなスクリプトを使ってもらいたいもんである。まったく激おこぷんぷん丸。
もうゴールデンネタが切れた(笑)ので別のものを。『5月の花』(May flower)という言葉がある通り、ヨーロッパでは5月は花の季節。ということで華々しい書体を紹介する。見ての通りのお花畑なイニシャル。長文の一番最初の1文字だけ大きくする Drop Caps という手法で使うのが一般的だろう。決してこれだけで単語や長文を組んだりしないように(そんなヤツいるか?)。文字の入っていないオーナメントだけのものもあり、お気に入りの書体の下に敷くのも良い。
ちなみに英国には March winds and April showers bring forth May flowers (3月の風と4月の雨が5月の花を咲かせる)という諺がある。その通り英国では3月は強い風が吹き、4月は雨ばかり。しかしその風が種を運び、水を得るからこそ花は咲く。つまりツラいことがあるからこそ花は咲くのだという教訓である。…説教臭い?
ゴールデン第2弾(笑)。こちらはウィリアム・モリスのケルムスコット・プレスで使用された書体をデジタル化したものである。モリスやケルムスコットについては、死ぬほどうるさい人達がいると思うので詳しくはそちらに譲るが(笑)、簡単に説明すると、モリスは19世紀の英国人で、詩人で、デザイナーで、プロダクトプロデューサーで、社会主義の運動家で、まぁとにかくなんでも来いのスーパーマン。「近代デザインの祖」と呼ばれ、このヒトを知らないデザイナーはモグリだ(勝手に決めるな)。一般にはアーカンサス柄の壁紙で大変有名だが、我々書体ヲタクたちには印刷業の方で名を馳せている。自ら書体を設計、出版した『チョーサー著作集』は世界3大美書のひとつに数えられているほど。フォントメーカーのモリサワは、このケルムスコットの出版物を全種コレクションしている。うろ覚えだが、確かカリグラフィーをやってはエドワード・ジョンストンに影響を与えたり、叙事詩ベオウルフを現代語訳してはトールキンに影響を与えたりと、それぞれを別々に知ったのだが、私の趣味嗜好はなんだかこの人に集約している気がする。アイリッシュはどうだったんかな…。
ゴールデンウィーク真っ只中という事でGoldenな書体を(笑)。20世紀初頭に活躍し、PerpetuaやGill Sansなど数多くの名作を残した英国のタイプデザイナー、Eric Gillのデザイン。中でもこれはマイナーな方である(笑)。少々ヴィクトリア趣味の強い書体で使用するシチュエーションを選ぶとは思うが、まぁおもしろいんじゃなかろうか。あまりいいサンプル画像がなく、詳細は販売サイトなどで確認して欲しい。
銅板系ローマン。一時期ウチの事務所のロゴに使用していた書体である。銅板系(カッパープレート)というと優雅なスクリプトを思い浮かべるだろうが、Copperplate Gothic や Escorial などに代表されるように、サンセリフやローマンなども色々ある。見分け方は…うーん。まぁどことなく「銅板系かな」という雰囲気がある(笑)。こういう書体はフォーマルなもの、例えばパーティの招待状や名刺などに小さく使うのがオシャレとされており、看板などに使うのはあまり品がないのではないかと思う。この Aviano はスタイルに多数のバリエーションを持っている。シチュエーションに合わせて使い分けてもおもしろいだろう。
名前の通り、英国内の古い碑文にインスパイアされたローマン。格調高く非常に美しい。もう何の説明も必要ない。ただただ見て欲しい。qのオルタネートに大文字の形を持っているのが特徴。イタリックにはEric Gillの影響が見て取れる。テーラーのショーウィンドウなんかに小さくこれで店名を書いてあれば、なんかもうそれだけで入店をはばかられるねよね(はばかっちゃイケナイけど)。3ウェイト。