何を紹介しよっかなーとアルバムを眺めてたら「こんなのあったっけ」ってのがあったので紹介する(笑)。大文字はまぁまぁスタンダードだが、小文字にエラい特徴のあるローマンで、上部に付くセリフが針のように鋭く左に突き出している。まーちょっと長文にはムリがあるだろう。大文字は結構エレガント。イタリックがあり、レギュラーとボールドの2ウェイト。
Archive: 2014
かつてあった雑誌『デザインの現場』の2009年6月号の特集に加筆して書籍化したもの。2016年に東京オリンピックが開催されると仮定して、ロゴの試作を4人のデザイナーに依頼している記事がある。2020年の決定に合わせてか、1998年12月号の’64年東京オリンピック特集も反射原稿で掲載されている。このコピーの質が、うーん…荒い。まぁしょうがないかな。両方とも持ってる俺は買う必要なかったかもしんない(笑)。
遊び心満載なローマン。一見すると普通のアップライトだが、ほとんどディスプレイと言っていいだろう。大文字は下げて組んでいるのではなく、これがデフォルト。一部の文字にはサンプルイメージにあるようなくりんくりんなスワッシュのオルタネートが用意されている。フチがラフなAntiquedというバージョンもあり。系統的にはUniversityに似てるかな…。すごく好みの書体で出た当時即買したが、いまだ何にも使っていないという(笑)。そんな書体がどれほどあるやら…はぁ。こんなのが似合う仕事ください。
エレガントで美しいが、ぶっちゃけてとても読みづらいスクリプト(笑)。カッパープレートの中でもアメリカで生まれたスペンサリアンと呼ばれるものをベースにしたとある。どう違うかというと、うーん、太い部分の位置が通常とちょっと違うかなという感じ。小文字は緩急がついておらず、かつ大文字に比べ極端に小さく字間も大分広い。「礼儀」という名の割には結構な礼儀知らずに見えたりする(笑)。シチュエーションを選ぶが、キレイな書体ではある。ファミリーはない。
なかなかびっくりな書体発売のアナウンスがあったので紹介する。まずサンプルイメージを見て欲しい。色んな書体が入ってるなーと思うだろうが、オーナメント含め、これが全部ひとつのファミリーであるという書体。すごかろ? 全ファミリーに渡って統一されているのは「手描き風」ということだけ。ローマン、サンセリフ、スラブセリフ、スクリプト、カッパープレート、オープンフェイスと揃っており、オーナメントはおろか、フレームやバナー(リボン風)のものもあり、極めつけは1~3文字のモノグラムがあること。2文字のものなんかウェディング関係に良さそうだ。全体的にクラシックで可愛らしいが、ファミリーが多い分、使いこなしは大変かもしれない。作例をよく見て使うこと。俺多分買う(笑)。
名前はトレンドだが、ちょっとレトロ風味のある可愛らしいディスプレイ。サンプルイメージには文字に影が付いてるが、これ加工して付けたものではなく、元々付いている。オーナメントもファミリーの一部だ。ファミリーにはノーマルなものはもちろん、スジが入ったインラインと影だけのものがあり、影もシェードが入ったものとソリッドがある。更にサンセリフも揃ってる。これとは別に、手描き感の強いバージョンもある。こんだけ楽しい書体だが、私は購入したものの全然使ってない(笑)。何で買ったんだっけ…確か90%オフの時だったかな。
お気に入りのCanada Typeの書体を紹介。やや刺々しくてコンデンスなローマン。どっちかというとディスプレイに近く、あまり長い文章には不向き。エフェメラのボディコピーなら耐えられるかなという感じ。’30年代後半のドイツの活字が元になっているそうな。元の活字の作者は不明だが、そう言われればKoch Antiquaによく似てはいる。この書体の売上の20%はタイポグラフィを学ぶ学生のための奨学金に寄付するそうな。
※元の書体のデザイナーはElizabeth Friedlanderという人で、この書体はNeufville Digitalからも出ているとの情報を得た。ありがとうございました。
久々に書籍(雑誌?)を紹介。年2回発行されているタイポグラフィ専門誌の今月発売の第5号。小林章さん・嘉瑞工房全面協力の、相変わらずコア過ぎず柔らかすぎずのちょうどいい内容で(まだ全部読んでないが)、文字に興味のある人すべてにお薦めです。今号の内容は同誌のFacebookページをチェケラっちょして欲しい。
ちょっと懐かしい書体を紹介する。かつてEmigreというタイポグラフィ雑誌があった。元々ここはファウンダリーで、’80年代後半から’90年代にかけてエキセントリックなフォントを次々とリリースし、この雑誌は当時のデザイン業界のトップを走っていた。若いデザイナーは、みんなこぞってこの雑誌を読んだものである(正確には眺めてた・笑)。んで、Emigreと聞いて私が一番に思い浮かべる書体がこれである。多分Emigreを代表する書体と言っても過言ではなく、私と同年代のデザイナーはだいたい見たことあるだろう。数年前、アートディレクターの佐藤可士和氏が明治学院大学のCIに採用したので知っている方もいるはず。
実はこの書体、ネーミングの際に一悶着あった。作者が考えていた元々の名前はMansonで、これはアメリカの有名な凶悪犯チャールズ・マンソンからとったものだったが、これをEmigreは勝手に変更したらしい。被害者感情に配慮してのことだった。本人はただ宣伝しやすいようにということだったが受け入れられず、最終的にはこの変更を飲んだらしい(この辺の詳しい顛末は作者の著書を参照して欲しい)。しかしこの名前には未練があるようで、サンプルイメージには Ma[n]son と n を括弧書きして残している。
また碑文系書体の紹介。偏ってるなぁ…まぁいいや。見ての通り、古代ローマの碑文書体のプロポーションを持ったサンセリフ。なかなかありそうでなかった書体。クラシカルでありながら古すぎず、現代ではこの方が使い勝手がいいかもしんない。名前が同系統の代表書体・Trajan のパクリじゃね? とか思った人は勉強不足。そもそも Trajan もトラヤヌス帝の記念柱の碑文から取ったからそうなっているだけ。この碑文はタイポグラフィの教科書を開けばほぼ必ず出てくる。すべてのオールドスタイルローマン大文字の基本である。
どうでもいいけどサンプルイメージの WHITH って WITH の誤植では…。