Set Sail Studios

Archive: 2021

Saskya

Saskya

本日はオランダの画家レンブラント Rembrandt Harmensz. van Rijn の誕生日(1606)という訳でこちら。羽ペンで書いたようなクラシックなスクリプト。レンブラントの Jan Cornelis Sylvius, Preacher という僧侶を描いた銅版画にあった文字にインスパイアされたものとの事。リンクを辿ってご覧いただければ判るが、絵の下1/4ほどにラテン語が書かれており、これの事だろう。所々インク溜まりのような黒々とした塊があり、ストロークのウェイトも不安定である。おそらくペン先が安定してない、つまり羽ペンのような素材で書いたのではないかと思われる。が、そもそも銅版画で鏡像に彫られたものであり、しかもレンブラント本人の筆跡かどうかも判らないとの事(笑)。まあでもクラシックな雰囲気があってよろしいのでは。現代らしくスワッシュオルタネートやリガチャーがいくつかある。名前はレンブラントの妻の名からとったそうな。1ウェイト。

Category(s)
Design Date
2015
Designer(s)
Publisher
Carolyn Porter / Skyhorse Publishing / 2017年
Marcel’s Letters: A Font and the search for One Man’s Fate

2015年にこのブログで P22 Marcel という書体を紹介した。この書体はあるフランス人男性が書いた手紙の筆致から起こしたものなのだが、フォント制作者のアメリカ人女性はこのフランス語の手紙の内容がどうしても知りたくなった。なぜならこれは、第二次大戦中にドイツからフランスへと送られたものだったからだ。その手紙が、なぜミネソタのアンティークショップで売られていたのか。この手紙を書いた男性は、受け取った人は、その後一体どうなったのか。この本は、それらを調べた顛末を記したものである。Amazon では200件以上ものレビューが付いており、かなり好評だったようである。

興味はあったものの、この本はいわゆるタイポグラフィ本ではないので、筆者の Amazon カートの「後で買う」リストに長年放置されていた。しかしたまたま最近覗いてみたところ、データのミスなのかなんなのかなんと「393円」となっており、しかも残り1冊だったので「まあ買うか」とポチっていま筆者の手元にある。小口がアンカットでクラシックな雰囲気があってよい。ただ筆者は英語が大して読めない。この Marcel 氏の運命を知ることができるのがいつになるかは知る由もない。ひょっとしたらそのまま古書店へ流れる可能性もある。そしてたまたま手に取った人が興味を持つ事になれば、それもまたおもしろいだろう(そうか?)。

ちなみに本日7月14日はパリ祭(フランス建国記念日)だそうである。そんな日に届いた事にちょっと縁を感じる。

Tiny Twig

Tiny Twig

植物的なエレメントが特徴的なスクリプトディスプレイ。パッと見ではちょっと分かりづらいが、ストロークがツタになっており、所々に葉がちょろっと付いている。そんな感じなのでどうにも長文には向かず、ロゴやちょっとしたキャッチコピーなどにしか使えないだろうが、うまく使えばハマるだろう。アロマショップなどにいいんじゃなかろうか。1ウェイト。

Category(s)
Design Date
2021
Designer(s)
Publisher

Simple Serenity

Simple Serenity

モダンなディスプレイローマンとスクリプトのデュオ。ローマンは最近流行りのエレガントな雰囲気を持った変形モダンローマンで、大文字のみでリガチャーやオルタネートがいくつかあり。スクリプトもかなりゆったりした優雅なタイプだが、小文字の r が単体だとちょっと読めない(笑)。もうちょっとなんとかならんかったんかなと思うが、全体的にライトウェイト、フェミニンで高級感がある。どちらも1ウェイトずつ。

Category(s)
Design Date
2021
Designer(s)
Publisher

LOUIS felligri

LOUIS felligri

またまたおもしろディスプレイローマンを紹介。この手としてはめずらしくファミリー展開されており、イタリックがあってウェイトも7つある。が、どれも結構細く、一番重い Bold でやっと普通の Regular かなという感じである。グリフはそこまで奇抜ではないが、一部 f や g などにかなりの変形が見られる。小文字のすべてと大文字の一部にスワッシュオルタネートあり。アップライトはバリアブルタイプもある。ただいま50%オフセール中。

Category(s)
Design Date
2021
Publisher

Glow Better

Glow Better

キテレツモダンローマンとスクリプトのデュオ。ローマンの方は最近よく紹介している変形モダンローマンで、ウェイトが太めで雰囲気もややポップ。スクリプトはモノラインでダイナミックなタイプ。めずらしく全体的に男性的な雰囲気がある気がする。双方ともリガチャーが少々ある。ローマンの方は大文字のみ。どちらも1ウェイト。

Category(s)
Design Date
2021
Designer(s)
Publisher

Milky River

Milky River

本日は七夕ということで、天の川と Milky Way が合体したような名前の書体を紹介。大変かわいらしいラフなハンドライテン。ボールペンか細いマーカーで書いたような筆致で、グリフがポップでベースラインもガタガタで全体的にかわいらしい雰囲気でまとまっている。小文字は縦の長さが違うものが2種あって、またほんのちょっとしたアイコンイラストも付属している。セットで買っても1600円ほどと大変お買い得。女性または子供向けなどにどうぞ。

Category(s)
Design Date
2021
Designer(s)
Publisher

Easy Salads

Easy Salads

本日は『サラダ記念日』らしいので(古っ)こちら。ブラッシュストロークのハンドライテン。図太い丸筆でラフに書かれた文字を書体化したもので、スクリプトというほど整っていないラフなものである。全体的にややコンデンス気味だろうか。ベースラインはそんなに暴れてはいない。小文字にはリガチャーがちょっとだけある。SVGフォントになっており、半透明のかすれが表現されている。通常の OTF もあるので Word でも大丈夫。1ウェイト。

Category(s)
Design Date
2018
Designer(s)
Publisher

Moric

Moric

しばらくは記念日絡みネタがない時はこのおもしろ系の書体を紹介する(笑)。これまたハイコントラストでシックなディスプレイ。一見セリフがないように見えるが、よくよく見ると控え目なセリフがちょっとだけ付いている。ユニケースで、小文字のグリフはあるが大文字と同じサイズになっている。やっぱりリガチャーが30ほどあって文字組みが楽しめる。やっぱりエレガントなので女性向けファッションやコスメなどにどうぞ。1ウェイト。

Category(s)
Design Date
2020
Designer(s)
Publisher

Megumi

Megumi

細っっっそいモダンローマンディスプレイ。なんか日本に強い影響を受けたファッション・ライフスタイル誌からの依頼でデザインした書体だそうで、メグミなんて名前が付いている。作者は英国出身だがタイ在住で、恐らくは地元の出版社からの依頼だろう。ステムは大変細く、また字幅も細く大文字はほぼモノスペースとなっているが、C や O など一部丸い文字は真円に近いグリフのオルタネートがある。イタリックがあるが35度も傾いており(普通は10度前後)、かなり個性的。Light とウェイト名が付いているので、今後ファミリーが増えるかもしれない。ただいま60%オフセール中。

Category(s)
Design Date
2021
Designer(s)
Publisher
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