発売から結構遅れたが、やっと入手できたので紹介。Hermann Zapf 氏のデザインした書体・Palatino について書かれた本。タイポグラフィの本は数あれど、いち書体についてのみ書かれた本というのはほとんどないと思う。Palatino は Zapf 氏が長命だったため、デザイナー本人が活字から写植、デジタルフォントまで関わることができたかなり珍しい書体で、その変遷を追った内容になっている。ちなみに最新の Palatino Nova には小林章さんも関わっており、元は別書体だった Michelangelo と Sistina をファミリーに加えている。著者は欧文タイポグラフィに興味のある人ならほぼ持っている(と思われる)The Elements of Typographic Style で有名なカナダのタイポグラファー、Robert Bringhurst。
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文字によって字幅に極端に差があるフレアセリフディスプレイ。見ての通り基本的にはかなり背の高いコンデンスなフレアセリフだが、C、O、Q などの丸い文字(なぜか G は除外)は正円に近く、それにより他の文字と字幅が大きく違っていて、それがアクセントになっている。FHLT はオルタネートで幅の広いグリフがある。変わった組み合わせのリガチャーが多く入っていておもしろい。キリル文字もサポート。1ウェイトしかないが、$23 と非常に安い。ただいま20%オフセール中。
みんな大好きジオメトリックサンセリフ。x-ハイトが大きめでコロコロ感が若干強めだが、a がデフォルトで2階建て(1階建てもオルタネートにある)になっており、そこでちょっとブレーキがかかってるかなと思う。ij のドットがちょっと大きめ。Q のテールがかなり長めに右下に流れていて、アクセントになるだろう(あんま Q を使う単語がないが)。イタリックはオブリークタイプ。キリル文字とギリシャ文字もサポートしている。ステンシルタイプの Cera Stencil とステムがラフに塗りつぶされた Cera Brush も別ファミリーにあり。6ウェイト。
本日はバレンタインデー。というワケでイタリア・トリノ名物のチョコ菓子ジャンドゥーヤの名を持つ書体を紹介。手書き風味のよくある(笑)ミクスドファミリー。コンデンスタイプのサンセリフとクラシカルなローマン、モノラインのスクリプトとそれらに似合うアイコンイラストが揃ってる。ローマンは大文字のみだがソリッドとアウトラインタイプがあり、サンセリフはリガチャーが結構な数がある。ま、可愛らしいんじゃないでしょうか。ただいま30%オフセール中。
ちなみにジャンドゥーヤで有名な Caffarel 社の Facebook を見たが、バレンタイン向けと思しき記事が上がってた。他でも聞いたが、日本特有のチョコを贈るという風習が、韓国以外の海外でもじんわり広まってきてる模様。続けてみるもんだねぇ…。それはそうと筆者は絶賛チョコ募集中である。いつでもウェルカム。
柔らかく優雅なスクリプト。一見カッパープレートのようだが、どうも幅のごく細いブロードペンで書いてデザインされているように見える。傾きはほとんどなくアップライトに近い。スワッシュオルタネートはあるもののごくごく控えめで、ダイナミックさはあまりない。リガチャーは60種ほどとほどほど。ウェイトも1ウェイトと、とにかく全体的に「やり過ぎてない」スクリプトである。それだけに可読性もよく、シックで上品な印象がある。値段も $28 とお手頃。ただいま25%オフセール中。
カリグラフィックなローマンディスプレイ。ローマンキャピタルがベースになっていると思うが、ブロードペンで書いたように手書きのニュアンスが若干残っており、さらにはインラインとなって、荘厳さとラグジュアリー感を併せ持った書体である。元は20世紀前半にドイツで活躍した Herbert Thannhaeuser のデザインした書体をリファインしてデジタル化したものだそう。名前の Missale とはラテン語で「典礼」の事だそうで、詳しくは知らないがカトリックでミサを取り仕切る役の事だそう。古い装飾写本の典礼書から起こした書体である模様。Incana は調べた所、イエメンのソコトラ島に分布するソコトラムシクイという鳥の学名らしい。グリフに鳥のアイコンが入っているのはそういう事みたい。ソコトラ島というのは初めて知ったが、なかなか独特な生態系を持っていて世界遺産になってるらしい。おもしろそう。
本日は手塚治虫の命日で「漫画の日」だそうな。という事で、アメコミのフキダシに入る書体にインスパイアされて制作され、Windows に搭載されてそのあまりのダサさに酷評を受けた(笑)悪名高い Comic Sans を紹介しようかと思ったが、せっかくなのでこっちを。その Comic Sans を愛してやまないオーストラリア出身で日本在住のデザイナーが、Kickstarter で資金を集めて開発したのがこの Comic Neue である。Comic Sans より字形がすっきりと整理されて長文に耐えられるようになったほか、Light ウェイトが追加され3ウェイトとなり、さらにストロークの端が丸じゃなく切り落とされて四角くなった Angular というバージョンもあり、これらがすべてフリーで配布されている。なんという太っ腹。商用利用も可だそうである。じゃんじゃんダウンロードして利用していただきたい。
「道案内」の名を持つサイン用途に特化したサンセリフ。いろんな国のサインを研究して作り上げた書体のようで、それぞれと比較しながら色々と工夫が施されている。具体的にどれがどうとはここでは挙げないが、興味があれば詳細を記した PDF が配布されてるので、そちらを参照して欲しい。ウェイトはレギュラーとボールドの2種しかないが、幅はコンデンスとエクステンドと計3種、またすべての書体に “N” という記号が付いたバージョンがあり、これはネガティブ、要するに濃い地に白抜きにした時に同じウェイトに見えるように調整されたバージョンである。一般的には白抜きにするとほんの少し細く見えるので、それが調整されている。あと Wayfinding Sans Symbols という、空港や駅などに便利なピクトグラムが別にある。ただいま50%オフセール中。
トゲトゲしく鋭い感じのするちょっと変わったローマン。骨格そのものは割とスタンダードなオールドスタイルだが、セリフがナイフのように鋭く、コントラストもやや強めで目に刺さりそうな書体である。印象としてはモダンローマンに近いだろうか。作者は Adobe 所属の名デザイナーで、ビッグファミリーをよく作る。これもオプティカルになっており、レギュラーとキャプション、見出しと小見出し用があり、それぞれ4ウェイトずつ。ほか、キリル文字とギリシャ文字もサポートしている。名前は Adobe の共同設立者の一人、John Warnock から取ったそうな。
本日は抹茶の日。何でも湯を沸かす茶道具の風炉(26)から来てるらしいが、なら「風呂の日」じゃんとか思うけどそれはさておく。そのものズバリの名を持つデュオ。柔らかなアップライトブラッシュスクリプトと、対象的なかっちりしたモノラインのスラブセリフがある。スクリプトの方はまぁよく見るタイプだが、スラブセリフの方がなかなかおもしろい。ジオメトリックベースだが、x-ハイトが小さくエレガントさがちょっとあり、字形も結構ファンシーで割りと筆者は好きである。ただいま30%オフセール中。
そう言えば「YOUは何しに日本へ?」で、かなりの数の外国人が抹茶味のキットカットを箱買いしていくのを見た事がある。ハワイのマカダミアナッツ並に日本土産のド定番となっているそうだ。 matcha って世界中で好まれる味になったんだねぇ。