またまた出ました手書き風味のマルチスタイルファミリー。主たる書体はコンデンスなフレアセリフで、それのオープンフェイス(Inline)とその塗りつぶし部分のみ(Fill)があり、小文字のないオールキャップス版(Caps)はリガチャーが豊富。Caps には小さなダイヤ型の飾りのついた Western と名付けられたものがひとつと、あと躍動感のあるブラッシュスクリプトが1種。ほか、このテの書体には必ず付いてるオーナメントやアイコン類があり、名前の通りカフェに適したものが多くある。ただいま50%オフセール中。
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タイトル通り、街や生活雑貨などで見かける欧文書体をその実例とともに解説した本。書体の解説は1つの見開きに1つで、短くて読みやすい。紹介している書体の数は約120。ディスプレイ書体にはあまり見慣れないものも多いが、概ねスタンダードな書体がチョイスされている。実例の写真も美しく、本そのもののデザインもすばらしい。判型はA5版ヨコとコンパクト。欧文書体好きには超オススメの書。
カリグラフィーペンでむりくり(笑)書いたようなローマン。一見普通のローマンに見えるが、よくよく見ると輪郭がうにうにしており、ラフにレタリングしたような形をしている。骨格は割とスタンダード。作者の Jim Rimmer が初めて制作した書体らしい。1ウェイトでイタリックもないのだが、名前の通りトーテムポールのオーナメントが付属していて、1~3段でバラバラになっており、好きなように縦に積んで組めるようになっている。字種は Pro 仕様。
ややカクカクした印象のセミセリフ。いやセミサンズか? まぁいいやどっちでも。とにかく中途半端にセリフが付いた書体である。セリフは太く、ほとんどスラブセリフとさえ思えるほど。字形もなんとなくコリッとしているが、カウンターは広めで読みやすい。字種も多くリガチャーや数字の種類も豊富で本文用として文句…はある。なんと、残念ながらイタリックがない。できれば追加して欲しいな。6ウェイト。
古き良き時代をホウフツとさせるカッパープレートスクリプト。最近のカリグラフィーベースのスクリプトではなく、活字にデザインされた風のスクリプト。活字の制限ゆえに派手なスワッシュなどはないが、統制のとれた均質な行儀良さがあり、社交用としては最適だと思う。小文字の t が古い字形で、おそらく初めて見るという人も多いだろう(サンプルイメージの最下行、cartoonist を参照)。こういう t もあると覚えておくとモテるぞ(ウソ)。2ウェイト。
超楕円がベースのややジオメトリックなサンセリフ。超楕円(陸上競技場のトラック型的な)というか、それよりもやや膨らみがある感じだが、その形をベースにしてデザインされたっぽい。なのでカウンターは広めで、字間も広めで明るく読みやすい書体である。a と g には1階建てと2階建てが選択できる。ウェイトも10もあってファミリー展開が豊富。ただいま85%オフセール中。
コンデンスなオールキャップスのディスプレイ。半分だけセリフが付いたスラブセリフでちょっとクセがあるが、字形が割と素直なのでそんなに目にうるさくなく、結構使えると思う。オブリークもあり、それぞれ2ウェイト。セリフがまったくないサンセリフ版もあるが、先に書いたように字形が当たり前の形をしているのでつまらなくなる(笑)。半セリフ版を使う方がいいだろう。キリル文字もサポートしている。名前はスペイン・バレンシア地方のリゾート地の事らしい。
碑文系のディスプレイフレアセリフ。Optima よりも手書き感が強く、大文字だけだがリガチャーが大変豊富でおもしろい組版が可能。Mac に付属していた Papyrus に似てなくもない。名前はダンテの神曲・地獄編から取ったとかなんとか…ちなみに神曲は「しんきょく」と読みます。「かみきょく」ではないからね悪しからず。
アップライトのブラッシュスクリプト。全然傾いてないスクリプトで、筆運びもなんだか東洋の習字っぽい感じがする。こういうのはたいてい女性が好きそうな感じのファンシーなものが多いが、こちらはなんだか無骨で結構珍しいテイストじゃないかと思う。オルタネートもあるけど字形がちょっと違うぐらいで、派手なスワッシュは皆無。代わりにリガチャーが結構ある。名前はスペイン語で「櫛でといてない」「ぼさぼさの」とかいう意味だそうな。まぁそんな感じ。
やや硬いイメージの本文用ローマン。これもモダンローマンというのかな…? ステムにほとんど抑揚がなく、ブラケットも直線的でセリフは鋭い。1文字1文字見ると無骨な感じがするが、文を組んでみると不思議とその感じが和らぐ。a や c、r などに見られるドットがそう見せてるのかもしれない。カウンターは広めで読みやすい。スモールキャップスもあり。文学以外の長文に向くかな。プロモーションサイトがあって、その日その日の過去の出来事をこの書体で組んで見せている。名前はイタリア北部にある山脈から。8ウェイト。